
日常生活マナー|暑中見舞い 季節のごあいさつでさわやかに
暑さの厳しい時に、ひとときの涼を感じられる暑中見舞いはとてもうれしいですよね。しかし、いざ自分が出すとなると、いつごろ差し上げればいいかなどは案外分かっていないものです。今回は、暑中見舞いを出す時期や、書き方などのマナーについて、ご紹介します。

暑さの厳しい時に、ひとときの涼を感じられる暑中見舞いはとてもうれしいですよね。しかし、いざ自分が出すとなると、いつごろ差し上げればいいかなどは案外分かっていないものです。今回は、暑中見舞いのマナーについて、ご紹介します。
暑中見舞いを出す時期はいつ?
■暦の上では小暑(7月7日頃)から立秋(8月7日頃)前まで
暑中見舞いを出す時期は、二十四節気でいう小暑(毎年7月7日頃)から立秋(毎年8月7日頃)前までとされています。「七夕の頃から約1カ月」と考えると覚えやすいでしょう。
ただし文具店などでは、父の日(6月第3日曜日)が終わるとすぐに暑中見舞いのコーナーが展開されますから、勘違いしないようにしたいところです。
■実際は気候に合わせて梅雨明けを目安に
時期が決まっているとはいえ、そもそも季節のごあいさつですから、梅雨で雨が降りがちだったり、肌寒かったりするうちに届いてしまうのは考えものです。お送り先の梅雨明け以降を目安に送るようにすると、お見舞い状本来の気遣いがより伝わるでしょう。
■遅れてしまったら「残暑見舞い」で
梅雨明けが遅い年など、暑中見舞いを出すタイミングを逃してしまうこともあるかもしれません。立秋以降は、暦の上では秋になりますので「秋になったけれどもまだ暑さが残っている」ということで、「残暑見舞い」として差し上げるとよいでしょう。
ちなみに残暑見舞いは、いつまでに出すものか厳密に決まっていません。実際の気候を考慮しつつ、お盆から8月中に出し終えるようにしましょう。
気遣いが活きる暑中見舞いの書き方

■涼しげな、またはさわやかな暑さを楽しむ雰囲気で
マナーとまではいきませんが、暑中見舞いのデザインはやはり風流かつ涼しさを感じられる水・氷・冷菓・季節の果物などの絵柄や、さわやかな暑さを楽しめる季節の植物・山・海・花火などの絵柄が喜ばれます。本文で近況報告をする場合も、暑さに絡めた話題や子供たちの夏休みの様子など、季節感を出せるとなおよいでしょう。
■書き出しは「暑中お見舞い申し上げます」が定番
さまざまな賀詞が使われる年賀状と違って、暑中見舞いは「暑中お見舞い申し上げます」と書き出すのがほぼ唯一の定番です。ちなみに、写真やイラストをメインにしたカジュアルな暑中見舞いでは、英文で「Summer Greetings」などとあしらうこともあるようです。
■お相手の体を気遣うあいさつは欠かせない
暑中見舞いはそもそも、お相手が暑さで体調を崩していないかお見舞いをするものですから、「いかがお過ごしですか」「お体ご自愛ください」といった、お相手の体を気遣うひとことはぜひ盛り込みたいところです。加えて、例えば療養中でお酒を召し上がれない方にビアガーデンの話題を出す、ビールの絵柄を使うといったことも避けるようにしましょう。
喪中でも暑中見舞いは出してよい
■暑中見舞いはお祝いではなくあいさつ
喪中の場合、年賀状のやりとりは控えますが、季節のあいさつ状は出してもよいとされています。喪中に際し、年賀状に代えて寒中見舞いをやりとりすることが多いのはこのためです。もちろん、暑中見舞いも季節のあいさつ状ですから、喪中の方へ出しても構いません。
■ただし内容には一層の気遣いを
「出してもよい」とはいえ、ことさらにはしゃいだ雰囲気の絵柄や話題などは避け、落ち着いた雰囲気の絵柄で、お相手の体を気遣う内容にとどめましょう。また、喪中の方は、暑中見舞いを出さなくても失礼にはあたりませんが、いただいたら返信を差し上げるようにしましょう。
メールやSNSでいつでも連絡が取れる時代だからこそ、あえてはがきで送る暑中見舞いは貴重だともいえます。この夏は、ご無沙汰している方のお顔を思い浮かべながら、心のこもった一通をしたためてみてはいかがでしょうか。
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