野菜の豆知識|鬼も逃げ出す「大豆」のパワー
毎年2月4日頃の立春前日の「節分」と言えば、「鬼は外、福は内」と豆をまくのが恒例行事ですが、なぜ節分に鬼退治をするのか、豆をまくのかご存じでしょうか?今回は、節分で豆をまく理由や大豆が選ばれる理由、大豆の栄養についてご紹介します。
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季節の変わり目が「節分」
節分は立春前日の2月3日という印象が強いですが、節分とは、元々「季節を分ける」という季節の変わり目を意味します。つまり、春夏秋冬すべての季節の変わり目である立春、立夏、立秋、立冬の前日、1年に4回節分があるというわけです。
しかし、年4回の季節の変わり目のうち、旧暦の新年にあたる春が最も重要ということから、立春前日に節分の行事を行うことが一般的になりました。
節分にやってくる「鬼」とは?
節分は、鬼に豆をまく「豆まき」をします。なぜ節分に鬼がやってくると考えられていたかというと、かつては疫病や自然災害などの悪い出来事は、すべて鬼が運んでいたと信じられていたからです。季節の変わり目は邪気が入りやすいと考えられていたことから、節分は鬼がやってくると言われ、邪気払いの意味を持つ豆まきを行うようになりました。
豆まきの他にも、節分には「柊鰯(ひいらぎいわし)」または「焼嗅(やいかがし)」と呼ばれる、焼いたイワシの頭を柊に刺したものを玄関に飾ることがあります。これも、鬼がイワシ匂いや柊の尖った葉を嫌うことから、魔除けの意味で節分の風習となっています。
鬼退治に「大豆」が使われるワケ
節分の鬼退治には大豆が使われますが、なぜ大豆が用いられているのでしょうか。その理由には諸説ありますが、米、麦、ひえ、あわ、豆の5種類の穀類には古くから「穀霊」が宿っていると考えられていて、鬼退治に最適だったからと言われます。大豆はこれらの5種類の穀類の中で粒が最も大きく、より多くの精霊や霊力が宿るとされていたので、節分の鬼退治に使われていたのです。
また、豆を「魔目」と読み、鬼の目に豆をぶつける=魔滅する、「射る→炒る」と読み炒り豆を使うなどの語呂合わせという説もあります。
鬼も逃げ出す「大豆」のパワー
大豆は「畑の肉」と呼ばれることで知られるように、肉に匹敵するほど良質なたんぱく質が豊富。さらに体内で合成できない必須アミノ酸9種類、人間の体に必要なアミノ酸20種類すべてを含んでいて、たんぱく質の栄養価を評価するアミノ酸スコアは最高値の100と評価されているほど、大豆は栄養満点なのです。
大豆はそのままでは硬すぎて食べにくい、という方は、調理してもおいしく食べられます。大豆を調理する際、茹でると栄養分が流れ出てしまうので、煮汁ごと食べられる煮物にすると食べやすくなり、栄養素も摂取できます。筋肉の元となるたんぱく質も効率よく摂取できるので、体力増強効果も期待できるでしょう。
豆腐や味噌だけじゃない、大豆加工食品
味噌やしょうゆ、豆腐など、大豆を加工した食品は日本の食卓の定番です。その他にも、豆腐や豆乳の製造過程でできる「おから」もたんぱく質や食物繊維が豊富。おからを手軽に使える「おからパウダー」は、おからを乾燥して粉末にしているので使いやすく、日持ちするのが特徴です。たんぱく質補給のために、普段のメニューにちょい足しするのもおすすめです。
近年話題になっている、植物由来の代替肉「大豆ミート」も、大豆加工品のひとつ。肉のような味や食感を再現しており、改良が進んだ現在では肉に近い食感の大豆ミートも登場しています。大豆ミートは肉よりも脂質がはるかに少なく低カロリー、たんぱく質と食物繊維が豊富なので、栄養バランスが気になる時、脂質を控えたい時の食事に取り入れるのがおすすめです。
大豆加工食品としてポピュラーな豆乳は、通常おからの部分を取り除いて作られています。世田谷自然食品の「まるごと飲む大豆」は、おからまで大豆をまるごと使った大豆飲料なので、大豆の栄養をより多く摂取できます。
大豆は古くから続く節分に用いられている、栄養豊富な食材です。節分の豆まきを楽しみながら、さまざまな方法で大豆の栄養を摂取してみましょう。
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