健康食品、自然派化粧品、美味しい食品なら世田谷自然食品

世田谷自然食品公式SNS

LINE連携でもっと便利に!

マイページへのログインがかんたんに!
おトクな情報、お知らせも定期的にお届け!

閉じる
世田谷自然食品がお届けする「せたがや日和」
せたがや相談室~体を温める食事~|第1回 温める前に“冷やさない”について考える

せたがや相談室~体を温める食事~|第1回 温める前に“冷やさない”について考える

朝晩冷え込む季節になると、気になってくるのが体を温める食事。体を温めることには、疲れにくくなる、風邪をひきにくくなるなど、さまざまな効果があるといわれています。そこで今回は、栄養士・国際薬膳食育師特級師範・食育インストラクター1級の阿部富美先生を迎え、10月のお悩みテーマ「体を温める食事」について、みなさんの質問をもとにアドバイスをうかがいました。


今回の質問 ・体を冷やさない食事の方法はありますか?
・冷たくても体にあまり影響を与えない食材やレシピはありますか?
・野菜サラダを1年中食べます。これは体を冷やしてしまうのでしょうか?

たくさんのご応募をいただきましたが、より多くの質問にお答えするため、まとめて回答させていただきます!今回ご質問をしてくださった、たま様、ニャン五郎様、青汁愛飲者様ほか、たくさんのご質問、ありがとうございました!

●今回担当の専門家

阿部富美 先生
栄養士免許取得。
食育インストラクター1級取得後、養成推進校に認定される。国際薬膳食育師の最高峰、特級師範を取得後、1997年に始めた料理教室が、2013年から開始された薬膳マイスター通学制制度に全国初で認定される。レシピを教えるだけの教室ではなく、「食」に関する様々な知識を指導する重要性を感じ、現在は各所で食と健康についての講演、講座を受け持つ。楽しく美味しいヘルシーレシピを学ぶ料理教室と、様々な健康と食についての事業を展開している。

「冷たい」と「体を冷やす」は違う?

質問 体を冷やさない食事の方法はありますか?
冷たくても体にあまり影響を与えない食材やレシピはありますか?
まず最初に、覚えておいていただきたいことをお話しいたします。
冷たい料理や飲み物と、体を冷やす食材を同じような意味でとらえている方が多いように思いますが、実際の意味は異なっています。もちろん、温かい料理や飲み物と体を温める食材も意味は異なります。では、それぞれの違いについて見ていきましょう。

冷たい料理や飲み物/温かい料理や飲み物

温度が冷たい/温かい料理や飲み物は、直接胃の中の温度を上げたり下げたりします。そして、胃が元気に活動する、つまり食べ物をさかんに消化するには、体温と同じくらいの温度が適しているといわれます。食前に冷たいものをたくさん摂ると、胃の温度も下がってしまいますから、胃が自力で発熱して、温度を戻してから消化活動をすることになるのです。胃にとっては余分なお仕事をするわけですから、体全体が疲れてしまいやすいのですね。
私は夏の暑い時であっても、食前は温かい飲み物か、せめて冷たくない飲み物にした方が、夏バテ予防になりますよ……とよくお話ししています。

体を冷やす食材/体を温める食材

一方、「体を冷やす/温める食材」は、これらの食材自体の温度ではなく、体に入ってからの働きと理解していただくと良いです。例えば「体を冷やす食材」。東洋医学では、体の中にある炎症を「熱」と表現します。その熱を外に出す作用がある食材だということで「体を冷やす食材」と表現する場合があります。冷やすのではなく、余分な熱を追い出してくれるといったイメージです。

「体を温める食材」は、血流が良くなる効能のある食材なので、結果として体が冷えにくい体質に変わっていく……といったことを端的にまとめて「体を温める食材」と表現しているわけです。
食材によって例外もありますが、こうした食材については、料理自体が温かくても冷たくても、原則として効能は変わらないといわれています。つまり、「冷たい(温度が低い)料理」でも「体を温める食材」を使っていれば、一時的に胃の中を冷やしながらも、長期的には冷えにくい体質を作る働きをするのです。

こう聞くと「体を温める食材を使って温かい料理を作る」のが一番良いように思えますね。でも、だからといって「体を冷やす食材や冷たい料理はまったく食べない方がいい」というわけではないのです。次の質問にも関連してきますので、見ていきましょう。

「冷たい/冷やす」と「温かい/温める」のバランスをとって

質問 野菜サラダを1年中食べます。これは体を冷やしてしまうのでしょうか?

生野菜サラダは、トマトやきゅうりといった夏野菜が定番ですよね。サラダは冷たい方が美味しいですし、夏野菜には「体を冷やす食材」が多いので、「冷たい/体を冷やす」メニューと呼ばれることが多いです。体の中にこもった余分な熱を外に出してくれるので、夏に食べるのは良いのですが……冬でも山盛りで食べるとなると、体の中の必要な熱が出ていってしまい、冷えを感じやすくなり、冬だけでなく春になってから体調不良を起こしやすい体質に偏ってしまいます。

そこで「夏野菜は冬に食べないように」とおっしゃる有識者の方もいらっしゃるのですが、私は食べ方に気を付けたり、食べ過ぎないように心掛ければそこまで避けなくても良いと思っています。

野菜の中には体にとって良い働きをするさまざまな酵素が入っていて、しかも熱に弱いものが多いんです。つまり生で食べるとその酵素を減らさずに食べられるというメリットがあります。そこで、例えばショウガや玉ねぎ、スパイスといった「体を温める食材」が入ったドレッシングを使って「冷やす」と「温める」のバランスをとるとか、毎日たっぷり食べるのは止めて、食べたい時だけにするとか、工夫して食べるようにすれば“いいとこ取り”ができるわけです。

おみそ汁やスープなど、温かい汁物と一緒に食べるというのも、温度の面ではいいですね。ただ、具材選びには気を付けましょう。例えばミネストローネと生野菜サラダの組み合わせだと、「体を冷やす食材」であるトマトを、メニュー2品分も摂ることになってしまいます。そこで、ミネストローネに「体を温める食材」のニンニクや玉ねぎをたくさん入れると、「冷やす」と「温める」の帳尻が合い、冷えすぎない献立になるのです。

「旬の走り」の食材は体のためにもぜひ食べたい

「食事が影響して体質が変わる」というのは、お薬のように食べた直後にすぐそうなるのではなく、食生活の中で体が徐々にそうなっていくので、数カ月かかると考えられています。

暦の上で立冬は11月のはじめで、寒さが一番厳しいのは12月~2月。冷えが気になる方は、だいたい10月から冷え対策の食生活を心掛けていくと、いざ寒さが厳しい時期になって、体質の変化を実感できるようになります。寒い時に体が冷えたり、体調を崩しがちで辛いという方は、寒くなる前から体を温める食材や、滋養を付ける食材をたっぷり食べて、夏野菜を少し控えるように心掛けるといいかもしれません。

本題の「体を温める食事」からはちょっと離れますが……夏の暑さに弱い方の体調管理も、6月や7月に夏バテしてから対策をするのではなく、5月はじめの立夏には取り組み始めましょう。5月には夏野菜が美味しい季節に入りますから、先取りして旬の走りのものを召し上がっていただくと、いざ暑くなった時に変わってくるのではないでしょうか。それに、食事は来たる季節への期待感があった方が楽しいですからね。

次回は、これから食べたい体を温める食材、中でも秋・冬におすすめの食材を具体的に紹介していきます。お楽しみに!

関連する投稿


散策|新緑の時期に歩きたい、自然豊かな観光地5選

散策|新緑の時期に歩きたい、自然豊かな観光地5選

ゴールデンウィークから初夏にかけては、陽気に誘われて過ごしやすい時季です。そこで今回は、これまでご紹介してきた旅記事のなかで、「丸山千枚田」「奥入瀬渓流」「尾瀬国立公園」などの、新緑が美しい自然豊かな観光地や散策ルートをご紹介します。


日常生活マナー|いまさら聞けない、クレジットカードの使い方

日常生活マナー|いまさら聞けない、クレジットカードの使い方

キャッシュレス決済を利用する方が増えるなか、最も使用されているのがクレジットカード。しかし、これまでクレジットカードをあまり使用されていなかった方や、これからクレジットカードの使用を考えている方には分からないことも多いのではないでしょうか。そこで今回は、いまさら聞けないクレジットカードの使い方や、注意したいポイントについてご紹介します。


語源・由来|「お雑煮」「羽根つき」 正月にまつわるめでたい由来

語源・由来|「お雑煮」「羽根つき」 正月にまつわるめでたい由来

季節ごとの習わしや行事食は多々あれど、中でもお正月にまつわるものは、多く現代に残っています。今は簡略化されてしまって、そもそもの由来に思いを馳せることは少なくなっているかもしれません。今回は「お雑煮」と「羽根つき」が始まった理由や、言葉の意味をご紹介します。


イベント事のマナー|年の前半の締めくくり「夏越の祓」で、後半も健やかに

イベント事のマナー|年の前半の締めくくり「夏越の祓」で、後半も健やかに

6月の終わりに行われる「夏越の祓(なごしのはらえ)」は、半年分の穢れを祓って夏を迎え、残りの半年を健やかに過ごすための神事。日本各地の神社で行われ、基本的にどなたでも参列できます。今回は、年の前半の締めくくりである夏越の祓について、また、茅の輪(ちのわ)くぐりのふるまい方についてご紹介します。


散策|美しい渓流や苔に癒やされる川沿い散策「奥入瀬渓流」(青森県)

散策|美しい渓流や苔に癒やされる川沿い散策「奥入瀬渓流」(青森県)

十和田八幡平国立公園(青森県)を代表する景勝地のひとつが「奥入瀬(おいらせ)渓流」です。十和田湖から流れ出る奥入瀬渓流は、国指定の特別名勝、天然記念物にも指定されています。四季折々の自然が満喫でき、遊歩道もしっかり整備されています。高村光太郎作の乙女の像でも知られる十和田湖と合わせての散策がおすすめで、ガイド付きのネイチャーツアーも開催されています。「星野リゾート奥入瀬渓流ホテル」で大人で優雅なリゾートも楽しめます。


最新の投稿


健康習慣|寿命を延ばすスポーツ第1位はテニス、その理由とは?

健康習慣|寿命を延ばすスポーツ第1位はテニス、その理由とは?

人生100年時代に向けて寿命の捉え方も変化し、日常を制限なく生活できる期間とされる健康寿命への関心が高まっています。健康的な人生の時間を延ばすには、どんな生活を送るといいのでしょう。近年の研究では、テニスをする人はまったくしない人に対して死亡率が47%少なく、習慣化している人は平均寿命が9.7年も長いことが分かっています。今回は、テニスの習慣化による健康効果や寿命を延ばす理由について解説します。


健康メニュー|朝食をちょっとした工夫でヘルシーに

健康メニュー|朝食をちょっとした工夫でヘルシーに

朝食は、1日のスタートを切るための大事な栄養源です。できるだけ栄養バランスのとれたヘルシーメニューを摂りたいものですが、毎朝続けるのはなかなか難しいと感じている方は多いのではないでしょうか。今回は、少しの工夫で朝食をヘルシーにするコツをご紹介します。


楽しいコミュニケーションで心身の健康アップ!

楽しいコミュニケーションで心身の健康アップ!

コミュニケーションの大切さや、心身の健康維持に効果的なポイントをご紹介します。


健康メニュー|春の郷土寿司、全国津々浦々の美味しさを訪ねて

健康メニュー|春の郷土寿司、全国津々浦々の美味しさを訪ねて

春の旬の食材が味わえる「郷土寿司」。古くから保存食としてや、お祭りやお祝いの席で食べられてきた趣のある料理で、地域ごとにさまざまな個性を持っています。今回は、長く愛され続けてきたその歴史や味わいについて詳しくご紹介します。


健康習慣|毎月違う品種が開花する、花の女王「バラ」を愛でる

健康習慣|毎月違う品種が開花する、花の女王「バラ」を愛でる

華やかで愛情を表現する花の代表格といえる「バラ」。バラは5~6月に咲くのが一般的ですが、品種によっては1年を通して楽しめるのも特徴です。今回は、バラが咲く時期やバラの花言葉、さまざまな健康効果も期待できるバラ茶やバラの香りについてご紹介します。