
健康習慣|食後の急激な眠気……健康診断で見つけにくい「血糖値スパイク」とは
ご飯を食べたら眠くなる……誰もが経験することですが、それがあらがえないほどの眠気だったら「血糖値スパイク」の可能性も。血糖値スパイクとは、食後の血糖値だけが急騰する症状のことで、健康診断でも見つけにくく、さまざまな生活習慣病のリスクと結びついています。どなたでもなり得る血糖値スパイクと、予防策について知っておきましょう。
ご飯を食べたら眠くなる……誰もが経験することですが、それがあらがえないほどの眠気だったら「血糖値スパイク」の可能性も。血糖値スパイクとは、食後の血糖値だけが急騰する症状のことで、どなたでもなり得て、さまざまな生活習慣病のリスクと結びついています。血糖値スパイクと予防策について知っておきましょう。

健康診断では見つかりにくい「血糖値スパイク」とは
健康診断で気になる項目のひとつ「血糖値」とは、血液中の糖分の量を示す数値のこと。みなさんが耳にしたことのある「糖尿病」は、この血糖値が安定しない状態で、正常な値を超えた高血糖状態が続くことによって診断されるものです。
「血糖値スパイク」とは、食後の短い時間だけ血糖値が急上昇する症状で、「食後高血糖」とも呼ばれています。健康な方であっても、血糖値は空腹時に低く、食後に高くなるのが普通ですが、その変化は緩やかです。
食後血糖値に問題のある「血糖値スパイク」は、通常の健康診断では見つかりにくく、また、体型や年齢にかかわらず起こる可能性があります。
「血糖値スパイク」は何がいけないの?
「血糖値スパイク」が起こっても、時間が経てば平常時の値に戻ります。しかし、そのような血糖値の乱高下は血管を傷つけ、繰り返されることで動脈硬化が少しずつ促進されるのです。動脈硬化が心疾患をはじめ、さまざまな病気の原因になることは、ご存じのとおりです。
血糖値スパイク、すなわち食後の高血糖を抑えることは、動脈硬化の予防につながり、動脈硬化が要因となる心筋梗塞や脳梗塞などの病気についても対策をしていることになるのです。
「血糖値スパイク」のような血糖値の急上昇・急下降では、以下のような症状があらわれることがあります。
- 食後にものすごく眠くなる
- 午後や夕方はイライラすることが多い
- 空腹時の食欲が強く、暴食になってしまう
- 集中力や判断力の低下
「血糖値スパイク」が起こりやすい方

「血糖値スパイク」になりやすい方は、気づかないうちに血糖値が上下しやすい生活をしています。以下の項目に当てはまるのが多い人は、次項の「日常生活でできる予防策」に取り組んでみてください。
- 朝食を抜きがち
- 炭水化物が多めの食事(丼もの、麺類など)
- 早食い、ドカ食い
- 野菜をあまり食べない
- 食後も椅子に座ったままなど、安静にしている
- 夕食後にも何か食べる、夕食の時間が遅い
- 運動不足、移動は車が中心
- 睡眠不足
日常生活でできる3つの対策
食事の方法や内容を工夫するだけで、血糖値はある程度コントロールが可能です。血糖値の急上昇を防ぐためには、食事で摂った糖質の吸収スピードを緩やかにすることが重要。ぜひ以下の3つを習慣にしてみてください。
■食べる順番は「野菜から」
食事は野菜やきのこ類、海藻などの食物繊維が豊富な食材から食べましょう。それだけでも糖質の吸収スピードを遅らせることができます。「野菜→メイン(肉や魚)→ご飯」のように、糖質の少ない順に食べるのが理想です。
■1日3食を心がけ、空腹過ぎる時間を作らない
空腹の時間が長ければ長いほど、次の食事後の血糖値は急激に高まります。また、強い空腹感は暴食や早食いにもつながります。規則的に1日3食摂ることを心がけましょう。
■「食休み」より「腹ごなし」
「食休み」といって、食べ終わって椅子に座ったまま安静にしていると、食後の血糖値はなかなか下がりません。ところが、食後に少し散歩するくらいでも、血糖値は速やかに下がります。食後15分間を目安に、散歩や食器洗いなどの日常的な動作を行って「腹ごなし」しましょう。
「血糖値スパイク」が起こりやすい生活をしている方でも、上記のような対策を続けていくうちに少しずつリスクを下げることができます。生活習慣病が日々の積み重ねで引き起こされるのと同じように、予防もまた積み重ねの賜物といえるでしょう。これを機に、3つの対策のうち1つからでもスタートしてみましょう!
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