健康メニュー|具だくさんのみそ汁で無病息災を願う「お事汁」
日本には、無病息災を願い、行事食をいただく風習が数多く残っています。そのひとつが、「事八日(ことようか)」と呼ばれる行事で、2月と12月に具だくさんみそ汁の「お事汁(おことじる)」を作っていただくのが習わしです。地方によって呼び方が異なるため、あまり広く知られていないかもしれませんが、一説には平安時代頃から日本の各地で行われてきたとされる伝統行事です。
この記事では、「事八日」の発祥、「お事汁」の材料などに触れながら、古き良き日本の風習についてお伝えします。
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この記事では、「事八日」の発祥、「お事汁」の材料などに触れながら、古き良き日本の風習についてお伝えします。
日本各地で続いている行事 「事八日」とは?
「事八日」とは、2月8日、12月28日、年2回行われる行事で、「事八日」は、事を始めたり、収めたりするのに大切な日とされています。「事八日」の風習は日本各地で続いていて、八日節供、八日待(まち)、八日ぞう、事始め、事納めと、地域によってざまざまな言い方があります。
「事八日」には、2つの捉え方があります。ひとつは、「事八日」の事が仕事を意味し、「事」が農業に関わる農耕儀礼である場合は、正月後に農業を始める2月8日が事始めで、その年の農作業を終える12月8日が事納めになります。もうひとつは、「事」が年神(正月に幸せをもたらす神様)を迎える儀礼である場合は、正月の準備を始める12月8日が事始めで、正月後に全ての片付けをする2月28日が事納めとなります。
これが、「事八日」の日付が2つある理由であり、どちらの解釈であっても大事な日と考えてきました。
具材たっぷりのみそ汁「お事汁」とは?
「お事汁」は、「事八日」に無病息災や五穀豊穣を願っていただく、野菜や食材がたっぷり入っている具だくさんみそ汁です。基本の食材として、里芋、大根、にんじん、ごぼう、こんにゃく、あずきの6種類が入っていることから、別名「六質汁(むしつじる)」とも呼ばれています。具材は地方によって他の食材が加わることもありますが、魔除けになるとされるあずきだけは必ず入るのが特徴。具だくさんで栄養もしっかり摂れ、からだもあたたまる一杯は、古くから幸せを願う風習として続いています。
「お事汁」の具材は、栄養たっぷりでからだ想い
「お事汁」に入っている、里芋、大根、にんじん、こんにゃく、ごぼう、あずきは、どれも栄養価の高い食材となります。6つの基本食材の栄養や優れた働きについてご紹介します。
■里芋
里芋には複数のぬめり成分が含まれています。ぬめり成分には胃を守る、たんぱく質の吸収を高める、肝臓の機能を高める、血圧を避ける効果があるといわれています。
■大根
大根には、消化酵素のジアスターゼが豊富に含まれています。消化を助ける他、咳、ノドの痛みを鎮める働きも期待できます。ジアスターゼは熱に弱いので生で食べるのがおすすめです。
■にんじん
にんじんにはβ-カロテンが豊富で、体内でビタミンAに変換されると、肌や目の角膜を健やかに保つ力があるといわれています。その他、ビタミンE、カリウムも含み、栄養価に優れています。
■こんにゃく
こんにゃくには、不溶性食物繊維であるグルコマンナンが豊富で、便通を促す作用があると昔から知られています。さらに近年では、コレステロールや血圧低下にも役立つことが分かってきました。
■ごぼう
ごぼうは、食物繊維が豊富で、整腸作用や血糖値上昇の抑制に役立つといわれています。その他、ごぼうのあくにはポリフェノールが含まれ、抗酸化作用が期待できます。
■あずき
あずきは、疲労回復ビタミンとしても知られるビタミンB1がたっぷり。さらに、ポリフェノール、たんぱく質、食物繊維、鉄分など、積極的に摂りたいさまざまな栄養を含んでいます。
毎日の食卓に欠かせないおみそ汁をさらにもっと便利に!世田谷自然食品のこだわりのあたたかい、おみそ汁はいかがでしょうか。フリーズドライなので、お湯をそそいで10秒でつくりたてのおいしさが完成します。
年に2回、明るい未来を願いながら、「事八日」にいただく「お事汁」。6つの食材の栄養が一度にたっぷり摂れる一杯で、からだも心もほっこり、芯からあたたまります。お住まいの地ならではの地元食材を加えて、アレンジしてみるのも楽しそうですね。
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