2022年04月19日

健康習慣|「春の眠気対策」 簡単にできるスッキリ過ごすための工夫

少しずつ春のあたたかさを感じられる季節になりました。「春眠暁を覚えず」といいますが、寝心地がよく、朝になっても気づかないほどぐっすりと眠り込み、つい寝坊をしてしまうことがあるかもしれません。しかし、1日中寝ぼけたままぼんやりしているわけにはいかないもの。そこで今回は、春の眠気を吹き飛ばしてスッキリ過ごすための工夫や、健康な生活習慣作りに役立つ、眠気対策についてご紹介します。


 

少しずつ春のあたたかさを感じられる季節になりました。「春眠暁を覚えず」といいますが、寝心地がよく、朝になっても気づかないほどぐっすりと眠り込み、つい寝坊をしてしまうことがあるかもしれません。しかし、1日中寝ぼけたままぼんやりしているわけにはいかないもの。そこで今回は、春の眠気を吹き飛ばしてスッキリ過ごすための工夫や、健康な生活習慣作りに役立つ、眠気対策についてご紹介します。

春の眠気の原因とは

 

冬の寒さがだんだんと和らぐ春。眠気を誘われてしまうのは、ポカポカとあたたかく過ごしやすいことが考えられますが、それ以外にもいくつかの理由があるようです。ひとつずつチェックしていきましょう。

自律神経の乱れ

春は、日々の気象や朝晩の気温が急激に変化します。すると、それに体が対応できなくなり、自律神経の働きである「交感神経(体を活発にさせる神経)」と「副交感神経(体を休息・回復させる神経)」のバランスが乱れがちです。
例えば、春は寒気と暖気がぶつかり低気圧ができやすくなります。低気圧帯では上昇気流が発生し、空気中の酸素量が低下。すると、体がうまく酸素を取り入れられず、生命維持のために体を休ませようとして、副交感神経が優位になります。つまり、活動度が下がって眠気を感じやすくなるのです。

気象の変化によって起こる体の不調については、以下の記事を参考にしてみてください。

血圧の低下

人間の体には、寒い時は熱を外に逃さないようにする仕組みがあります。体温の低下を防ぐために体を緊張させ、血管や筋肉が収縮するため、血圧が比較的高い状態になっていますが、春を迎えてあたたかくなると、体の緊張が解けて血管や筋肉も緩み、血圧は下がります。低血圧による症状として、朝に起きられない、めまいや立ちくらみがするなどが一般的ですが、だるい、疲れやすいといった症状もあります。これらも眠気につながる要因のひとつと考えられます。

「睡眠ホルモン」のバランス

メラトニンは、神経ホルモン体内時計を正常に保ち、睡眠のリズムを整えるホルモンです。「睡眠ホルモン」と呼ばれることもあり、副交感神経を活性化させて体を休ませようとします。メラトニンは夜間に分泌されますが、夜が長くなる冬と比べ、春は徐々に日が伸びて夜が短くなるため、分泌量が減少。本来、体は春になると昼が長い春の生活に適応していくものですが、近年は生活習慣の多様化が影響し、体がなかなか冬の生活から抜け出せないことも……。夜間の睡眠の質が低下すると自律神経が乱れ、昼間に眠気を感じてしまうのです。

メラトニンについては、以下の記事を参考にしてみてください。

すぐに試せる春の眠気対策4選

 

春の眠気を寄せつけないようにするために、簡単にできる工夫がさまざまあります。自分に合ったものを取り入れて気分をリフレッシュさせ、体のだるさを和らげましょう。

1:朝に太陽の光を浴びて体内時計をリセット

春に不足しがちなメラトニンを十分に分泌させるには、日中に太陽の光をよく浴び、メラトニンの元となるホルモン、セロトニンを分泌させることが重要です。特に、朝に太陽の光を浴びると体内時計が整い、睡眠の質が高まるといわれています。目覚めたらすぐにカーテンを開けるか、自然に目覚めたい場合はカーテンを開けたまま寝るとよいでしょう。

体内時計については、以下の記事を参考にしてみてください。

2:軽い運動で血行促進

夜にぐっすりと眠るには、軽い運動が効果的。血行を促し、体を活発にさせる交感神経を刺激しましょう。自宅で簡単にできることとしては、ストレッチや階段昇降などがおすすめ。また、仕事中にデスクをちょっと離れた時、意識して体を動かすことを習慣にしましょう。

自宅でできる簡単なトレーニングについては、以下の記事を参考にしてみてください。

3:ビタミンB群を摂る

ビタミンB群は、眠気対策のために積極的に摂りたい栄養素。糖質の代謝を促し、エネルギーを生み出す働きがあります。特に、ビタミンB6は体内でメラトニンの元になります。ビタミンB群が豊富に含まれる食材として代表的なのは、魚介類、レバー、鶏ささみ、納豆、牛乳、卵など。できれば、春に旬を迎える食材を積極的に取り入れたいものです。野菜では、スナップエンドウやそら豆、アスパラガスなどがおすすめです。

おすすめの食材とレシピについては、以下の記事を参考にしてみてください。

4:短時間の昼寝でリフレッシュ

眠い時には思い切って寝てしまうのも眠気対策のひとつ。ダラダラと起きているよりは、そのあとの活動力がアップするかもしれません。ただし、30分以上の昼寝はかえって疲労度が増してしまうので、20分程度の短時間にとどめるのがコツ。寝る前にコーヒーやお茶などでカフェインを摂っておくと、ちょうど目覚める頃に眠気を抑える覚醒効果が表れ、よりシャキッと起きられるはずです。

短時間の昼寝については、以下の記事を参考にしてみてください。

春の眠気は誰にでも起こり得るもの。眠気を解消することばかりにとらわれるのではなく、規則正しい生活や栄養バランスの整った食事、心身のリフレッシュを実践するきっかけと考え、上手に付き合っていきたいものですね。