2023年06月13日

健康法|「森林浴」でストレスを減らそう

緑が多い場所で過ごしていると、不思議と心が爽快感で満ちてくることがあります。時には日常から少し離れて、森のなかでハイキングをしたり、近所の公園のベンチで読書をしたり、自然に触れる時間を作ってみましょう。今回は、森林浴を通じた健康法をご紹介します。


緑が多い場所で過ごしていると、不思議と心が爽快感で満ちてくることがあります。時には日常から少し離れて、森のなかでハイキングをしたり、近所の公園のベンチで読書をしたり、自然に触れる時間を作ってみましょう。今回は、森林浴を通じた健康法をご紹介します。

 

「森林浴」とは

 

森のなかで深呼吸し、清々しい感覚になったりリラックスできたりした経験はありませんか?「森林浴」とは、森のなかに入り、清らかな空気や木々の間を吹き抜ける風、木漏れ日、土の匂いなど、自然を感じることによって心身の健康の維持や休息を図ることをいいます。

森林浴という言葉が誕生したのは1982年のこと。当時の林野庁長官の秋山智英氏によってはじめて使われ、「森林のなかには殺菌力を持つ独特の芳香が存在し、森のなかにいることが健康な体を作る」という森林療法の概念が確立されました。その後、森林浴は健康によいと話題になり、今では広く知られる言葉となりました。

森林浴のメリット

 

森林を散策すると爽やかな気持ちになるのは、森の空気によるもの。森のなかは、樹木の幹や葉などから発散される「フィトンチッド」で満ちています。フィトンチッドとは、植物が有害な昆虫や微生物などから身を守るために発する芳香物質のこと。空気を浄化する働きや殺菌作用があり、人体にも有益な効果を発揮します。それでは、森林浴にはどのような効果があるのかを見ていきましょう。

リラックス効果

森のなかを歩いたり、植物観察をしたりすることで、自然とフィトンチッドに満ちた空気を浴びることができます。フィトンチッドは、人間の神経、特に自律神経に作用して精神の安定をもたらすといわれています。

ストレスホルモンの減少

森林のなかで過ごすと、ストレスホルモンであるコルチゾール濃度が都市部と比べると13%減少するというデータがあります。「コルチゾールを減少させるには、自然を感じる環境下で20~30分過ごすことが効果的」と、米国ミシンガン大学のメアリー・キャロル・ハンター博士が論文で述べています。

免疫力が高まる

体内でウイルスに感染した細胞や一部のがん細胞を攻撃する「NK細胞」。体の免疫機能をつかさどる細胞のひとつです。森のなかで過ごすと、都市部にいる時に比べてNK細胞が、8.2%活性化するといわれています。

森林浴は森へ行かなくてもはじめられる

 

森林浴というと、都市部を離れ、森のなかでしかできないイメージがあるかもしれません。もちろん森や山へ行けば効果が期待できますが、行き帰りの移動が心身の負担になってしまっては元も子もありません。近所の公園や自宅の庭など、身近な自然に触れるだけでも森林浴の効果が期待できます。下記のおすすめ記事を参考に、セルフケアに挑戦してみてください。

園芸セラピー

植物を育てることを楽しみながら、心身を整え、健やかな毎日を過ごす健康法に「園芸セラピー」があります。庭の植物や家庭菜園の世話をすると、心が穏やかになり、ストレスの軽減効果が期待できます。

ウォーキング

ご近所を歩きながら自然を感じるのもおすすめ。正しい姿勢でウォーキングをすると、全身運動になり、ストレス解消にもつながります。気軽な散歩から本格的なノルディックウォーキングまで、ウォーキングの種類は多彩。ご自身の体調や好みにあわせてはじめてみてください。

デイキャンプ

野外で過ごすデイキャンプも森林浴の効果が期待できます。準備が大変な場合は、自然のなかでコーヒーを淹れたりレトルト食品を食べたりするだけでも楽しいもの。また、自宅の近所でアウトドアをするのもおすすめです。

低山登山

登山口から山頂までの登山道が穏やかで、短時間で登れる「低山登山」でリフレッシュしてみてはいかがでしょうか。自分のペースでゆっくり登ってゆっくり下山でき、高い森林浴効果を得られます。

森林浴は、森林環境に身をおくことで癒やしやストレスの軽減効果が期待できる健康法です。森林や山へ出かけるのはもちろん、ご近所の公園や自宅の庭などで自然に触れ、リフレッシュしてみてください。