2022年01月04日

健康習慣|七草粥はなぜおかゆ?冬の体にやさしい食事

1月7日は七草粥を食べる日として知られていますが、なぜおかゆを食べるのかご存じでしょうか?1月7日は日本の五節句のうち「人日(じんじつ)の節句」にあたり、季節の変わり目に無病息災や五穀豊穣などを願う日とされています。そこで今回は、1月7日に七草粥を食べる習慣について解説。寒さが厳しい冬にこそ食べたい、体にやさしい食事についてもご紹介します。


 

1月7日は七草粥を食べる日として知られていますが、なぜおかゆを食べるのかご存じでしょうか?1月7日は日本の五節句のうち「人日(じんじつ)の節句」にあたり、季節の変わり目に無病息災や五穀豊穣などを願う日とされています。そこで今回は、1月7日に七草粥を食べる習慣について解説。寒さが厳しい冬にこそ食べたい、体にやさしい食事についてもご紹介します。

なぜおかゆ?1月7日に「七草粥」を食べる理由

 

1月7日に七草粥を食べる風習は、中国の風習に由来するといわれています。中国では、1月7日に7種類の野菜を加えた汁物を食べて無病息災を願う風習があり、奈良時代の終わり頃に日本に伝来したとされています。平安時代には宮中行事として行われていた「若菜摘み」(年初に若菜を摘んで食べ、邪気を払う)と融合し、室町時代には現在のようにおかゆとして味わうようになったそうです。その後、江戸時代に庶民にも広まったと考えられています。

「春の七草」が持つパワー

春の七草とは、セリ・ナズナ・ゴギョウ・ハコベラ・ホトケノザ・スズナ・スズシロの7種類の植物のことをいいます。聞きなれないものもあるかもしれませんが、それぞれに意味や効能を持っています。

【1】セリ
独特の爽やかな香りが特徴のセリは、「競り勝つ」という意味をかけて縁起物とされています。βカロテンやビタミンCを多く含み、抗酸化作用が期待できます。

【2】ナズナ
アブラナ科の野草であるナズナは、ビタミンやミネラル、鉄分が豊富。「ぺんぺん草」の俗名で知られ、「なでて邪気を払う」という意味を持っています。

【3】ゴギョウ
起毛した葉が特徴のキク科の植物。漢字では「御形」と書き、仏様の姿を表現しているといわれる縁起物です。乾燥させた茎や葉は咳止めや痰止めによいそうです。

【4】ハコベラ
中国では古くから薬草として用いられ、切り傷や痛み止めに効果があるといわれてきました。漢字では「繁縷」と書き、「繁栄がはびこる」という意味を持っています。

【5】ホトケノザ
葉を広げて生える様子が仏様の円座に似ていることから、この名前がついたといわれています。春の七草に使うホトケノザは「コオニタビラコ」と呼ばれるキク科の野草で食べられますが、シソ科のホトケノザもあり、こちらは毒草で食べられません。

【6】スズナ
カブの別名で、アブラナ科の植物です。花が鈴のようであることからそう呼ばれ、「神様を呼ぶ鈴」を意味するとされる縁起物です。

【7】スズシロ
ダイコンの別名で、アブラナ科の植物です。消化酵素を豊富に含み、消化を助けるはたらきがあります。根の白い部分が「穢れのない潔白さ」をあらわすとして、縁起がよいといわれています。

七草粥については、こちらの記事でも詳しくご紹介しています。

年末年始は飲食をする機会が多く、飲みすぎや食べすぎになりやすい時期。七草粥は、縁起がよいだけではなく、疲れ気味の胃腸を休めるのにもぴったりのメニューです。

冬の体をやさしくいたわる食生活の工夫

 

七草粥のほかにも、この時期におすすめの食べ物はたくさんあります。食生活で気をつけたいポイントと合わせて参考にしてみてください。

お正月におすすめの「とろろ」

地域によっては、お正月の3日目にとろろ料理を食べる習慣があります。とろろのねばりの成分であるムチンには粘膜を保護してくれるはたらきがあり、消化酵素も豊富なので、お正月疲れにぴったりの食材です。

とろろの栄養やおいしい食べ方については、こちらの記事でも詳しくご紹介しています。

冷たい食べ物や飲み物を控える

ビールやアイスクリームなど、あたたかい部屋であえて冷たいものを楽しむのは至福のひとときですが、内臓を冷やす原因に。消化不良や胃もたれにつながることがあります。

繊維質の食材は小さめにカット

食物繊維が豊富な食材は体の調子を整えてくれますが、消化に時間がかかりやすく、胃腸の負担になることがあります。胃腸の調子が悪い時は、食べるのを控えるか、小さくカットしたものをやわらかく調理しましょう。

腹八分目を心がける

ごちそうを食べる機会が多い年末年始は、ついおなかいっぱい食べてしまいがち。胃腸を休ませるため、「腹八分目」を意識するようにしましょう。

腹八分目での食べ方については、こちらの記事でも詳しくご紹介しています。

味付けは薄味にする

塩分の摂りすぎは、さまざまな病気を引き起こす原因になります。だしの風味を活かし、薄味でも満足できるように工夫をしましょう。

減塩をストレスなく続ける方法については、こちらの記事でも詳しくご紹介しています。

飲みすぎや食べすぎ、夜ふかしなどで、生活リズムが崩れがちなお正月。疲れた体をリセットするために、七草粥をはじめとする「食」の工夫を取り入れてみてはいかがでしょうか。