2020年08月03日

野菜の豆知識|不調タイプ別 夏に常備したい香り野菜5選

香りのさわやかな野菜は、気分をスッキリさせたり、食欲を増進させたりする効果があるといわれています。湿気が高く、気温も高い夏場には、そんな香味野菜が欠かせません。今回はよくある夏の不調に対応した、香味野菜5つをご紹介します。おみそ汁の具や、冷奴・おそば・そうめんなどの薬味にたっぷり摂りましょう。


 

香りのさわやかな野菜は、気分をスッキリさせたり、食欲を増進させたりする効果があるといわれています。湿気が高く、気温も高い夏場には、そんな香味野菜が欠かせません。今回はよくある夏の不調に対応した、香味野菜5つをご紹介します。おみそ汁の具や、冷奴・おそば・そうめんなどの薬味にたっぷり摂りましょう。

みょうが:咳・たんを伴う夏風邪に

 

みょうがは日本各地に自生していて、野菜として栽培されているのは日本だけです。みょうがの香り成分には食欲増進、消化促進、血行促進、発汗作用といった効果があり、暑さでバテて、このままでは体調を崩しそう……といった時におすすめです。漢方では咳やたんを鎮めるとされていますから、ノドの調子がおかしい時に早めに食べるのがおすすめです。

しょうが:冷えによる痛み、吐き気に

 

漢方では体をあたため、発汗させ、吐き気を抑える特効薬とされます。吐き気がある時には、生のしょうがの絞り汁に熱湯を加えたものを飲むと効果的だといわれています。殺菌効果が高いので、刺し身などの生ものに添えるのもよいでしょう。また、生薬として漢方薬にも配合されていて、例えば当帰四逆加呉茱萸生姜湯(トウキシギャクカゴシュユショウキョウトウ)は冷え性の改善や、冷えによって悪化するタイプの腰痛・頭痛などに用いられます。しょうがについては、以下の記事も参考にしてみてください。

ニラ:胃腸の冷え・血行促進に

 

ニラは『古事記』や『万葉集』にも登場し、古くから強壮強精の薬草として利用されてきました。栄養学的にもニラのにおい成分には、自律神経を刺激して新陳代謝を活発にする働きがあることが分かっています。ビタミンB1の吸収をアップさせるので、豚肉やレバーと好相性。漢方では血流をよくして体をあたため、特に胃腸の冷えに特効があるとされています。疲れがとれない・冷えで体が弱っている・風邪予防・病後の回復におすすめです。

シソ:胃腸の働きを助け、不眠改善も期待できる

 

シソの葉に含まれる精油には、強い抗菌・防腐の作用があります。漢字表記の「紫蘇」は、食中毒で倒れた人を中国の名医が“紫”の葉の薬草で“蘇”らせたという逸話からきていて、大昔から抗菌・防腐力が知られていたことが分かります。漢方では胃腸の働きを助け、解毒し、風邪の寒気・咳、嘔吐、不眠症や神経症などに用いる生薬です。冷蔵保存する際は、湿らせたキッチンペーパーに包んで、ビニール袋などに入れて野菜室に置くと長持ちします。シソについては、以下の記事も参考にしてみてください。

ネギ:ゾクッとする風邪のひきはじめ・冷えによる腹痛に

 

ネギは古くから薬用野菜として重宝され、特に白い部分は「葱白(そうはく)」という生薬名で、風邪の初期や頭痛、下痢、腹痛、腫れ物に用いています。体をあたためて発汗を促すので、寒気がして汗が出ないタイプの初期の風邪には最適です。たっぷりのネギを入れたみそ汁を飲んで、安静にしていると体があたたまり発汗がはじまります。この効果は栄養学的に、ネギの香り成分による殺菌力のためと考えられています。ネギについては、以下の記事も参考にしてみてください。

刺し身に添えられたしょうがやシソ、冷奴にのせられたネギなど、香味野菜は少量でも効果が期待できるのが特徴です。少量でもよいのは薬効が高いためで、生薬として漢方薬に入っているものも少なくありません。夏の不調が現れたら、ひどくなる前にぜひ香味野菜を活用してみてください。