2017年11月02日

健康法|「暖房病対策」 “かくれ脱水”が頭痛や吐き気のもとに

「“冷房病”はよく聞くけれど、“暖房病”はあまり耳にしない」という方は多いのではないでしょうか。冷房病とは、冷房の効いた室内と暑い室外との激しい気温差によって自律神経が正しく働かなくなってしまうのですが、暖房病はかくれ脱水による、頭痛や吐き気のもとにもなります。今回は暖房病にならないための対策についてご紹介します。


「“冷房病”はよく聞くけれど、“暖房病”はあまり耳にしない」という方は多いのではないでしょうか。冷房病とは、冷房の効いた室内と暑い室外との激しい気温差によって自律神経が正しく働かなくなってしまうこと。では暖房病はその逆かというと……実は、まったく違う症状なのです。

冷房病については、こちらの記事を参考にしてみてください。

暖房病の症状は“頭痛・吐き気”

 

暖房の効いた室内に長時間いる際に、肌や目、喉の乾燥、頭痛や吐き気を感じたことはないでしょうか。実は“暖房病”は正式な病名ではなく、これらの症状を総称するもの。一見、さまざまな症状があるようにみえますが、その原因はいずれも“脱水”にあるとされています。

“かくれ脱水”が暖房病を引き起こす

肌や目、喉の乾燥はともかく、汗をかくことの少ない冬に頭痛・吐き気がするほどの脱水状態が起こるとは、少々イメージしにくいかもしれません。深刻な脱水症に至る一歩手前の状態は“かくれ脱水”といわれ、実は冬にも起こりやすい症状なのです。そしてこのかくれ脱水が、暖房病の原因になります。
湿度が低くなる冬には、汗のように目に見える形ではなく、意識しないうちに皮膚や粘膜、呼吸を通して水分が蒸発する「不感蒸泄(ふかんじょうせつ)」が増えます。暖房で乾燥しがちな室内では、さらにこの不感蒸泄が増え、体内の水分量が減ってしまいます。体内の水分量が減ると、血液もドロドロで流れにくい状態に。やがて血流が悪くなり、頭痛や吐き気を引き起こしてしまいます。

冬は毎日習慣づけたい!暖房病対策

 

「脱水が原因なら水を飲めばいいのでは?」と思うかもしれませんが、水分の摂り方にも工夫が必要です。他の対策も併せることで、より効果的に暖房病を防いでいきましょう。
それでは、おすすめの「暖房病対策」をご紹介します。

水分(経口補水液)をこまめに摂る

冬は夏に比べて水分補給の機会や量も減りがちです。食事時を含めて1日8回(※)程度を目安に、こまめに水分を摂るようにしましょう。水だけでなく、利尿作用のあるお茶やコーヒーも、適量(1リットルを超えない程度)であれば水分補給になります。ただし、すでに暖房病と思われる症状が出始めている場合は、普通の水よりも体内に水分をとどめやすい経口補水液がおすすめです。

※起床時、朝食時、午前10時、昼食時、午後3時、夕食時、入浴時、就寝時がおすすめです。1回に摂取する水分の目安はコップ1杯程度。

室内の湿度を調整する

不感蒸泄を減らすために、室内の湿度を高める工夫をしましょう。加湿器を使ってもいいですし、洗濯物の部屋干しなどでもよいでしょう。また、空気そのものを入れ替え、比較的湿度の高い外の空気を取り込むことも重要です。職場などで自由に加湿や換気ができない場合は、自分が屋外に出る時間をこまめに作ってみましょう。
湿度管理や室内の換気については、下記の記事も参考にしてみてください。

肌の露出を抑える

不感蒸泄は、肌の露出が多いほど増えてしまいます。暖房をうんと効かせて薄着をしていると、肌からはどんどん水分が出ていくことに……。暖房を控えめにし、着るもので温かく過ごす工夫をする“ウォームビズ”は、エコなのはもちろん、肌の露出を抑えられて暖房病対策にもなるので一石二鳥です。

肌の露出を抑える方法については、下記の記事も参考にしてみてください。

耳慣れない“暖房病”、しかもその原因が脱水にあったとは、驚いた方も多いのではないでしょうか。夏場の水分補給は多くの方が意識されていますが、“冬場の水分補給”も同じように大切です。特に、脱水状態に気づきにくいとされるご高齢の方は、ぜひ水分補給を習慣にしてくださいね。