2023年11月01日

郷土料理|地域によって名前が違う? さつま揚げ

おでん以外ではなかなか登場機会が少なくなりがちなさつま揚げ。かまぼこやはんぺんとの使い分け方がわからない、といったこともあるかもしれません。今回はさつま揚げの由来や栄養、おすすめの食べ方などをご紹介します。


 

おでん以外ではなかなか登場機会が少なくなりがちなさつま揚げ。かまぼこやはんぺんとの使い分け方がわからない、といったこともあるかもしれません。今回はさつま揚げの由来や栄養、おすすめの食べ方などをご紹介します。

さつま揚げとは?

 

魚肉のすり身を揚げたもの

さつま揚げは魚肉のすり身を油で揚げた鹿児島県の郷土料理です。家庭で作られてきたものですが、現在は鹿児島県をはじめ、全国のお店で見かけるようになりました。その由来については、江戸時代に薩摩藩主・島津斉彬(しまづなりあきら)がはんぺんやかまぼこに着想を得て考案したという説や、同様の琉球料理「チキアギ」が伝わって来たものという説などがあります。

具材や形などバリエーション豊富

魚肉のすり身を使う料理といえばかまぼこが広く知られていますが、基本的に白身魚で作るかまぼこに対して、さつま揚げは青魚のすり身を使ったり、木綿豆腐を加えたりするのが特徴です。丸、小判型、棒状形に四角形などさまざまな形があり、具材として野菜や魚介、ゆで卵などが入ったさまざまなバリエーションが見られます。

鹿児島県では「さつま揚げ」と呼ばれていない?

関東をはじめ全国的には「さつま揚げ」と呼ばれるこの料理ですが、実はルーツである鹿児島県ではさつま揚げではなく「つけあげ(つきあげ)」と呼ばれています。これは、由来のひとつとされる「チキアギ」が訛ったとする説もあります。
他にも宮崎県飫肥(おび)地方では、同様の料理が地名を冠した「おび天」と呼ばれています。また、関西はじめ西日本では「てんぷら」と呼ぶこともありますが、広く知られるてんぷら料理のように衣をつけることはありません。これに加えて、中部地方の一部では「(揚げ)はんぺん」と呼ばれることもあります。

さつま揚げの主な具材の栄養は?

 

魚肉のすり身

さつま揚げにはさまざまな魚種のすり身が使われます。栄養成分は魚種によっても違ってきますが、魚肉全般の特徴として、良質のたんぱく質や血液をサラサラにし、中性脂肪やコレステロールを抑えるDHA、EPAなどが多く含まれています。

にんじん

にんじんの入ったさつま揚げは「にんじん天」とも呼ばれます。抗酸化作用に優れ、お肌を健やかにするβ-カロテンが多いにんじんは、さつま揚げにして油と一緒に摂ることで、β-カロテンが吸収されやすくなります。
にんじんについて詳しくは、下記の記事も参考にしてみてください。

ごぼう

ごぼうの入ったさつま揚げも「ごぼう天」と呼ばれます。ごぼうはおなかの調子を整える不溶性食物繊維と、糖質の吸収を穏やかにし、コレステロールを抑える水溶性食物繊維をバランスよく含んでいます。また、抗酸化作用に優れたポリフェノールも豊富です。
ごぼうについて詳しくは、下記の記事も参考にしてみてください。

さつま揚げのおすすめの食べ方

 

おでんの具やきんぴらにするのが定番のさつま揚げですが、実はさまざまなメニューに応用できます。さっそく見ていきましょう。

軽く炙ってそのまま

そのまま食べてもおいしいさつま揚げですが、表面を軽く炙ることで香ばしさが増します。生姜やカイワレ大根を薬味にすると、魚肉のうま味や甘さが際立ちます。鹿児島県をはじめ九州地方特有の「甘い醤油」をサッとつけて食べるのもおすすめです。

煮物

さつま揚げは煮崩れしにくく下ごしらえもいらないので、手軽に魚のうま味を加えられます。大きめに切って大根やにんじんなどの野菜と組み合わせてもいいですし、薄く刻んで切り干し大根やひじきなどと組み合わせてもおいしくいただけます。

ちらし寿司

鹿児島県ではちらし寿司が「(さつま)すもじ」と呼ばれます。すし飯には干しシイタケやにんじんなど定番の具材に加えて、刻んださつま揚げも入っています。春のお祝いには欠かせない味のひとつです。

サラダ

塩もみキュウリや、サッと蒸したり・茹でたりした葉物野菜と和えて和風サラダにするのもおすすめ。マヨネーズやマリネなど、洋風の調味料も意外とよく合います。

手軽にさつま揚げのメニューを味わいたい方におすすめなのが、「温彩特選便 彩り御膳」。「さつま揚げのおかか煮」や「さつま揚げと大根の煮物」など、さまざまな味が詰まった栄養バランスのよい御膳を、毎月ご自宅にお届けしています。