秋から冬にかけて旬を迎える鮭を使った「鮭のちゃんちゃん焼き」は、北海道の郷土料理として今や全国に知られています。北の恵みをおいしく味わえるこの料理は、実は栄養満点。今回は、鮭のちゃんちゃん焼きの定番具材とその栄養についてご紹介します。
2022年10月21日
秋から冬にかけて旬を迎える鮭を使った「鮭のちゃんちゃん焼き」は、北海道の郷土料理として今や全国に知られています。北の恵みをおいしく味わえるこの料理は、実は栄養満点。今回は、鮭のちゃんちゃん焼きの定番具材とその栄養についてご紹介します。
秋から冬にかけて旬を迎える鮭を使った「鮭のちゃんちゃん焼き」は、北海道の郷土料理として今や全国に知られています。北の恵みをおいしく味わえるこの料理は、実は栄養満点。今回は、鮭のちゃんちゃん焼きの定番具材とその栄養についてご紹介します。
鮭のちゃんちゃん焼きは、秋から冬にかけて旬を迎える鮭と季節の野菜を、味噌やバター、みりんなどを合わせた調味料で蒸し焼きにした、北海道・石狩地方の漁師町が発祥とされる郷土料理です。漁師たちがドラム缶から作った鉄板で豪快に鮭と野菜を蒸し焼きにして食べていたのが元とされ、家庭でもフライパンやホットプレートでおいしく作れます。
「ちゃんちゃん焼き」というユニークな名前の由来には、「ちゃちゃっと作れるから」「お父ちゃん(ちゃん)が作るから」など諸説あります。
鮭のちゃんちゃん焼きにはさまざまな具材が使われますが、定番とされているのは以下の4種類の具材です。具材ごとに異なる栄養があることに加え、一緒に摂取することで相乗効果も期待できるので、鮭のちゃんちゃん焼き1皿で、より健康効果が期待できます。
鮭の赤い身には、エビやカニ、トマトなどにも含まれる、強力な抗酸化作用がある「アスタキサンチン」というカロテノイドの一種が含まれています。同じく抗酸化作用の強いビタミンEも含まれているため、老化の原因となる活性酸素を除去して、アンチエイジングや動脈硬化予防などが期待できます。さらにカルシウムの吸収を助けるビタミンDも豊富なので、骨の健康もサポート。魚油に多く含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)も含まれており、EPAは高血圧予防、DHAは認知症予防などの効果が期待できます。
鮭のちゃんちゃん焼き発祥である石狩地方の郷土料理では、鮭を使った石狩鍋もよく知られています。以下の記事も参照ください。
大豆を原料に作られる味噌は、大豆に含まれる豊富なたんぱく質やカリウム、食物繊維などを摂取できる発酵調味料です。意外に知られていないのが、味噌はカルシウムも豊富ということ。ちゃんちゃん焼きで鮭と一緒に調理すれば、味噌のカルシウムを鮭のビタミンDで効果的に吸収できるメリットがあります。また、貧血予防に効果が期待できる鉄分も豊富。さらに、味噌には血管の炎症を予防する働きを持つ、ポリアミンも含まれています。
キャベツは水分量が多い野菜で、カロリーも控えめですが、ビタミンCが多く含まれています。ビタミンCは鉄分の吸収を助ける働きがあるため、味噌と一緒に食べると味噌の鉄分を吸収しやすくしてくれるメリットが。その他にも、胃腸の粘膜を整えて丈夫にしてくれたり、胃酸分泌を調整したりする働きを持つビタミンUも豊富です。
玉ねぎは、味噌や鮭と合わせて食べると相乗効果が期待できる具材です。玉ねぎに含まれるケルセチンは抗酸化作用があるため血栓予防効果が、アリシンは血管を広げて血行を改善してくれます。これらの栄養素は鮭に含まれるアスタキサンチンやEPA、DHA、味噌に含まれるポリアミンとの相乗効果で血栓や動脈硬化を予防し、血管を健やかにする効果が期待できます。
具材の栄養素を引き立てて効果的に摂取できる、鮭のちゃんちゃん焼きとの組み合わせでおすすめの副菜が、「ひじきとうすあげの煮物」です。ひじきはうすあげのようにマグネシウムが多い具材と一緒に摂取するとカルシウムが定着しやすくなり、油で調理することでよりカルシウムの吸収率も高められます。味噌と一緒に摂取すれば鉄分の吸収もサポートしてくれるので、鮭のちゃんちゃん焼きと組み合わせるには最適。
北海道の郷土料理である鮭のちゃんちゃん焼きは、鮭と味噌、野菜の栄養を効率よく摂取できるメニュー。これから旬を迎える鮭を使って、栄養満点のちゃんちゃん焼きを作ってみてはいかがでしょうか。