2022年02月11日

健康メニュー|湯葉 たんぱく質たっぷりの栄養食材

京料理や精進料理の食材として知られる湯葉。豆乳を凝縮しているため、良質のたんぱく質がたっぷり含まれた栄養豊富な食材です。今回は湯葉の種類や栄養、おすすめの食べ方についてご紹介します。


 

京料理や精進料理の食材として知られる湯葉。豆乳を凝縮しているため、良質のたんぱく質がたっぷり含まれた栄養豊富な食材です。今回は湯葉の種類や栄養、おすすめの食べ方についてご紹介します。

知っておきたい湯葉の栄養

湯葉には「生湯葉」と「干し湯葉」がある

湯葉(湯波)は、豆乳を煮詰めた時に、表面にできる皮のような膜を掬い取った(引き上げた)もののこと。掬い取って水気を切った「生湯葉(引き上げ湯葉)」と、さらに湯葉本体の水分も乾燥させて保存性を高めた「干し湯葉」があります。京都周辺や日光の名物として愛されている食材です。

豆乳でできているのでたんぱく質たっぷり

豆乳が、大豆の良質なたんぱく質を多く含むことはよく知られていますが、これを煮詰めて凝縮した湯葉も、もちろんたんぱく質が豊富です。特に干し湯葉は、成分の半分以上がたんぱく質といわれます。たんぱく質以外にも、骨を健やかにするカルシウム、血液を健やかにする鉄分、塩分の摂り過ぎを防ぐカリウム、糖質をエネルギーとして燃やすはたらきがあるビタミンB1などの成分を多く含んでいます。

豆乳の栄養について詳しくは、下記の記事も参考にしてみてください。

中華料理の食材にも湯葉がある

湯葉の作り方はそもそも中国から伝わったといわれ、中華料理では現在も湯葉と同じ製法の食材「豆腐皮(トウフーピー)」がよく用いられています。豆腐皮は湯葉よりやや厚みがあり、麺のように細長く切り分けて食べることもあります。1枚あたりが大きく、歯ごたえのある食感も特徴です。

豆腐皮について詳しくは、下記の記事も参考にしてみてください。

湯葉のおすすめの食べ方

お吸い物の実や煮物、食材を巻く食べ方が定番

豆腐や豆乳と同様に、くせのない風味が特徴の湯葉は、お吸い物の実にしたり、煮物の具材にしたりと、和食の繊細な味付けと組み合わせた食べ方が定番になっています。また、薄く広い形状を生かし、海苔巻きのようにくるくると食材を巻いて調理する方法もよく見られます。

生湯葉は刺身でもおいしい

鍋から引き上げたままの生湯葉に、魚の刺身と同じように醤油や薬味、つまを組み合わせる食べ方は「湯葉の刺身(湯葉刺し)」と呼ばれます。湯葉の成り立ちを踏まえると「薄い冷奴」のようにも思えますが、豆のうま味が凝縮された湯葉の味の豊かさは、むしろ魚の刺身に近いのかもしれません。

生湯葉も豆腐も楽しめてお得な「引き上げ湯葉」

その昔、出来立ての生湯葉、つまり「引き上げ湯葉(汲み上げ湯葉)」は精進料理や懐石料理でなければ食べられない高級食材でした。
今も本格的な和食のイメージが強い食材ではありますが、実は、家庭でも豆乳鍋やフライパン、ホットプレートなどを利用して引き上げ湯葉を自作することができます。また、生湯葉を楽しんだあとは、残った豆乳ににがりを加えれば豆腐も作れます。高級なようで、意外にもお得なメニューなのです。

湯葉は丼の具材としてもおすすめ

 
味付けを選ばず、ご飯とも相性のいい湯葉は丼の具材にもおすすめ。湯葉が名物の京都でも、あんかけと組み合わせた「湯葉丼」がよく食べられています。

薄く繊細な様子も上品な湯葉。実は家庭でも作れるし、高級和食だけでなく丼の具材にもなるので、意外な懐の広さに驚いた方もいるかもしれませんね。もちろん、たんぱく質をはじめ積極的に摂りたい栄養もたっぷり含んでいますから、ぜひ食卓に取り入れてみてください。