2021年02月15日

郷土料理|かっけ(青森県・岩手県)

青森県と岩手県にまたがる南部地方のご当地食材「かっけ」。蕎麦や麦を材料とするものの、その形は平たい板状で、見慣れた麺類とはちょっと違っているようです。今回は、「かっけ」の栄養素やおすすめの食べ方などについてご紹介します 世田谷自然食品がお届けする健やかで楽しい人生を応援するライフスタイル情報サイト。


 

青森県と岩手県にまたがる、南部地方のご当地食材「かっけ」。蕎麦や麦を材料とするものの、その形は平たい板状で、見慣れた麺類とはちょっと違っているようです。今回は、「かっけ」の概要と、おすすめの食べ方についてご紹介します。

南部地方の郷土料理「かっけ」とは

蕎麦や麦で作った三角形の生地のこと

かっけは青森県と岩手県にまたがる、南部地方の郷土料理です。蕎麦や麦でできた生地を四角く平たい板状に伸ばし、調理する際は三角形に切り分けます。ご当地のスーパーなどでは麺類などと並べて売られていますし、家庭で手打ちすることも。素材によって「蕎麦かっけ」、「麦かっけ」と呼び分けられます。
かっけの由来は、蕎麦打ちの際に出る「かけら」だったり、「召し上がれ」とすすめる方言だともいわれています。ちなみに、かっけではなく「つつけ」と呼んでいる地域もあります。

ゆでたかっけに、にんにく味噌やネギ味噌をつけて食べる

 

素材は麺類に似ているかっけですが、食べる際にはつゆではなく味噌で味付けするのも特徴です。ゆでたかっけに、ご当地名物であるにんにくと味噌を練り合わせたにんにく味噌や、ネギと味噌を練り合わせたネギ味噌をつけていただきます。

風邪気味の時にも食べたい!かっけの栄養素

蕎麦かっけは疲労回復を助け、血管を健やかに

蕎麦には体内でエネルギーを作るのを助け、疲労回復の働きをするビタミンB1が多く含まれています。ビタミンB1が不足すると、字こそ違えど「脚気」にかかりやすくなりますから、意識して摂りたいところです。また、血管を健やかにする働きが見られるポリフェノールの一種、ルチンも豊富に含まれています。

にんにくはオリゴ糖、味噌は乳酸菌たっぷりで腸を整える

かっけを食べる際につけるにんにく味噌も栄養たっぷりの調味料です。まず、にんにくには善玉菌のエサとなるオリゴ糖が含まれています。また、味噌も善玉菌である乳酸菌が豊富な食材ですから、ダブルで腸を整えてくれるのです。

ネギには体を温めるほかにも多くの働きが

ネギ味噌も、特に風邪をひきやすい季節には見逃せない調味料です。ネギには、体を温めて発汗を促す作用があります。また、ネギの辛み成分であるアリシンには、蕎麦かっけに多く含まれるビタミンB1の吸収を助ける働きもあるのです。
詳しくは、下記の記事も参考にしてみてください。

かっけのおすすめの食べ方は?

鍋は定番!野菜と一緒で栄養もたっぷり摂れる

かっけの食べ方のなかでも、定番なのが鍋料理です。かっけと一緒に野菜や豆腐など、栄養豊富な食材を煮干しなどの出汁で煮て、にんにく味噌やネギ味噌でいただけば、ボリュームもあって栄養バランスにも優れた鍋になるというわけです。

つけ味噌だけでなく、みそ汁などの汁物に

鍋料理では出汁で煮て、味噌で食べるかっけですが、みそ汁やすまし汁などに入れて、汁物の具としてかっけを食べるのもおすすめです。ネギなどの野菜も合いますし、汁ごとつるつるといただけて食べやすいので、風邪気味などで食が進まない時にもおすすめです。

揚げたり焼いたり、洋風アレンジも

シンプルな素材で、麺よりアレンジしやすい形状のかっけ。そこで、麦かっけを揚げて味をつけたり、蕎麦かっけをフランス料理のガレット(蕎麦生地を焼いて具を載せるメニュー)のように焼いたりする洋風アレンジも見られます。基本の食べ方と併せて、ぜひアレンジにもトライしたいところです。

つるりとした喉ごしで、ワンタンのようだとも例えられるかっけ。大きく切り分ける蕎麦かっけなどは、麺の蕎麦より風味が立ちやすいともいわれます。通信販売やアンテナショップなど取り扱っているお店もありますので、一度味わってみてくださいね。