2020年06月22日

健康習慣|「食中毒予防の3原則」常に心に留めておこう

食中毒が多発するのは6~10月。この時期は高温多湿で、食中毒菌の増殖に最適な環境です。厚生労働省では食中毒予防の3原則として「(食中毒菌を)つけない・増やさない・やっつける」を掲げています。今回はそれぞれを理解し、常に心に留めて、正しく食中毒対策をしていきましょう。


食中毒が多発するのは6~10月。この時期は高温多湿で、食中毒菌の増殖に最適な環境です。厚生労働省では食中毒にならない3原則として「(食中毒菌を)つけない・増やさない・やっつける」を掲げています。今回はそれぞれを理解し、正しく食中毒対策をしていきましょう。

 

食中毒が多いのは初夏から初秋にかけて

食中毒になる原因はさまざまで、初夏から初秋に多い「細菌性」、冬に多いノロウイルスなどの「ウイルス性」、そのほかフグやカキにあたることや、毒性のあるキノコを食べてしまうことも食中毒と呼びます。

今回ご紹介する食中毒予防は「細菌性」に対してのもので、飲食店だけでなく家庭でも発生するものです。家庭の食中毒は症状が軽かったり、食べた方の一部にしか症状が出なかったりするので、食中毒だと気づかないケースも多いようです。

細菌性の食中毒は、食中毒菌をつけない・増やさない・やっつけるの3つを心がけることで、かなり防げるはずです。以降は、それぞれの具体例をご紹介します。

食中毒3原則(1) 清潔「細菌をつけない」

 

食中毒菌は食材だけでなく、手指や調理器具、食器などにも付着します。したがって、調理を始める前の手洗いや、調理器具の洗浄など、調理に関わるものは常に清潔にしておくことが大切です。

また、細菌は接触を介して広がっていきますから、二次汚染にも気をつけましょう。例えば生肉を切ったまな板や包丁を洗わずに野菜をカットすれば、野菜にも細菌が付着します。二次汚染を防ぐために、手指・調理器具を都度きれいに洗うようにしましょう。サラダなど生で食べるものは先にカットする、生の肉と焼けた肉でトングや菜箸を替えるなども良いアイデアです。

そのほか、肉や魚を買ったら汁が他のものにつかないようビニール袋に入れる、包丁やまな板を肉用・野菜用で分けるなど、できる範囲で二次汚染を防ぐ工夫を習慣づけておくのがおすすめです。

食中毒3原則(2) 迅速「細菌を増やさない」

 

食品についた細菌は、時間が経つことで増殖します。調理したら早めに食べるか、低温で保存することを心がけましょう。スーパーのお惣菜や、飲食店でテイクアウトした食品も同様です。保存する際には、ラップをしたり保存容器に入れ直したりして、周りの食材を汚染しないようにします。

そのほか、食材を買ったらすぐに帰る、買ったものは素早く正しい保管(冷蔵・冷凍)をする、調理済みのものでも室温で置きっぱなしにしない、時間が経ち過ぎたものは思い切って捨てるなど、時間を意識した扱いを心がけてください。

また、たとえ冷蔵庫に入れていたとしても、ゆっくりと細菌は増えていきます。冷やしているからと安心せず、早めに食べるようにしましょう。

食中毒3原則(3) 加熱「細菌をやっつける」

 

食中毒菌は加熱することによって死滅できます。食材の中心まで十分に加熱しましょう。厚生労働省では肉料理について「中心部を75℃で1分以上加熱することが目安」としています。ただし、熱に強い毒素もありますから、加熱したからといって安心せずに、他の原則(清潔・迅速)と合わせて気をつけることが大切です。

調理器具や食器類に付着した細菌もやっつけましょう。特に肉・魚・卵を扱った後の調理器具は留意が必要。洗剤でよく洗う、熱湯をかけて消毒する、キッチン用の漂白剤や、キッチン用のアルコール除菌スプレーの活用などが有効です。

食中毒の予防には「これをしておけば安心!」といった方法はありません。清潔・迅速・加熱を心に留めながら、ご自身の食品や調理器具の扱いは安全であるか振り返ってみましょう。また、食中毒になった際、人によって症状の重さが違うのは、腸内環境が関わっています。これを機会に、ぜひ腸内環境にも目を向けてみてくださいね。