2018年03月29日

健康習慣|「春の眠気対策」 ちょっとした工夫でスッキリ過ごせる

「春眠暁を覚えず」といいますが、春の間じゅう寝ぼけまなこでぼんやり……というわけにはいかないもの。今回はちょっとした工夫でスッキリ過ごせ、健康な生活習慣作りにも役立つ、春の眠気対策についてご紹介します。


「春眠暁を覚えず」といいますが、春の間じゅう寝ぼけまなこでぼんやり……というわけにはいかないもの。今回は健康な生活習慣作りにも役立つ、春の眠気対策についてご紹介します。

春の眠気の要因とは

春の眠気の要因としては、以下の現象などが考えられます。ひとつずつチェックしていきましょう。

自律神経の乱れ

春は朝晩の気温差や気候の変動が激しく、自律神経の働きである「交感神経(体を活発にさせる神経)」と「副交感神経(体を休息・回復させる神経)」の切り替えがうまくいかなくなりがちです。
例えば、春は寒気と暖気がぶつかることで低気圧が起こりやすくなります。気圧が低くなる、つまり空気中の酸素量が減ると、日中でも体を休息させる副交感神経が優位になり、活動度が下がって眠気を感じやすくなる、というわけです。自律神経については、下記の記事も参考にしてみてください。

血圧の低下

寒い冬の間、人間の体は熱を逃さないため緊張し、血管や筋肉が収縮して、比較的血圧が高い状態になります。一方、春を迎え暖かくなってくると、体の緊張は解けて血管や筋肉が緩み、血圧も下がります。低血圧の症状としては、朝起きられない、立ちくらみなどが一般的ですが、倦怠感や疲れやすくなるなどの症状もあり、これらが眠気につながっていると考えられます。

睡眠ホルモンのバランス

副交感神経を活性化させ、体を休息させる「睡眠ホルモン」ことメラトニンは、夜間に分泌されます。夜が長くなる冬と比べて、春は徐々に日が伸び夜が短くなるので、メラトニンの分泌量が減ってきます。すると夜間の睡眠の質が下がってしまい、昼間に眠気を感じたり、自律神経が乱れたりしやすくなるのです。
本来は、春になると体も昼が長い春の生活に適応していくはずなのですが、近年は生活習慣が多様化していることなどもあり、体がなかなか冬の生活から抜け出せず、眠気につながっているようです。メラトニンについては、下記の記事も参考にしてみてください。

今日から試せる春の眠気対策4つ

眠気の要因をチェックしたところで、今度は眠気を寄せつけない、眠気からリフレッシュするための対策を見ていきましょう。

日中、特に朝に明るい光を浴びる

 

春になると不足しがちなメラトニンを十分に分泌するには、日中に太陽の光をよく浴び、メラトニンの元となるホルモン、セロトニンを分泌しておくことが重要です。特に朝、太陽の光を浴びることは、体内時計を整え、睡眠の質を上げることにもなります。起きたらすぐにカーテンを開けるか、自然に目覚めたい場合はカーテンを開けたまま寝るようにしましょう。

軽い運動で血行促進

ストレッチや階段昇降などの軽い運動で血行を促し、体を活発にさせる交感神経を刺激しましょう。仕事中にデスクをちょっと離れて体を動かしてもよし。朝、起きるのがつらい時は、布団の中でストレッチをしてみるのもおすすめです。

ビタミンB群を摂る

ビタミンB群には糖質などの代謝を促し、エネルギーを作る働きがあります。また、ビタミンB6は体内でメラトニンの元にもなります。レバー、魚介類、鶏のささ身、納豆、牛乳、卵など、複数のビタミンB群が含まれている食品を意識して摂るようにしてみましょう。

カフェイン+短い昼寝でリフレッシュ

「眠い時は思い切って寝る」のも、その後の生産性がアップするおすすめの方法です。ただし、30分以上寝るとかえって疲労度が増してしまいますから「20分程度の短い昼寝」にとどめるのがコツです。寝る前にコーヒーなどでカフェインを摂っておくと、ちょうど目覚めるころに眠気を抑える効果が表れてきますから、よりシャキッとできるはずです。

春の眠気は深刻な体調不良というより、健康な人であっても起こり得るもの。眠気を解消することばかりにとらわれるのではなく、規則正しい生活や食事、リフレッシュを実践するきっかけと考えて、上手に付き合っていきましょう。