2022年11月04日

野菜の豆知識|旬の短い新品種のみかん「紅まどんな」の魅力と食べ方

近年誕生し、ゼリーのような食感と爽やかな甘味が評判のみかん「紅まどんな」。そのおいしさや特徴、従来のみかんとの違いについてや、食べやすい切り方を解説します。


近年誕生し、ゼリーのような食感と爽やかな甘味が評判のみかん「紅まどんな」。そのおいしさや特徴、従来のみかんとの違いについてや、食べやすい切り方を解説します。

 

愛媛県のオリジナル品種「紅まどんな」

 

「紅まどんな」は2005年3月に品種登録された新しい柑橘です。正式な品種名を「愛媛果試28号」といい、10年以上もの試行錯誤を経て開発されました。現在、愛媛県内でしか栽培が認められておらず、厳しい品種基準をクリアしたものだけが「紅まどんな」を名乗ることができます。

紅まどんなの旬は12月頃で、収穫期間はわずか数週間ほど。そのため出荷数や流通数が少なく、とても希少な品種です。少々お値段が張るので、贈答用として使われることが多いようです。

とろけるような不思議な食感と、驚きのジューシーさ

 

紅まどんなは、甘味と酸味のバランスがよい「南香」と、果汁がたっぷりで果肉がやわらかい「天草」という柑橘をかけ合わせて誕生した品種です。紅まどんなの最大の特徴は、口当たり。まるでゼリーのようにとろけ、甘くみずみずしい果汁が口のなかいっぱいに広がります。その味わいから、“樹になるゼリー”と称されることもあるのだとか。

紅まどんなは薄皮が薄く種が少ないため、食べやすいのも特徴です。紅まどんなを選ぶ時は、外皮にハリとツヤがあり、手に持つとずっしりと重みを感じられるものがよいでしょう。

紅まどんなの上手な切り方

 

紅まどんなは薄皮だけでなく外皮も薄いため、手で剥くのはやや難しく、果肉をつぶしてしまうかもしれません。おすすめなのは、まな板において包丁で横半分に切ってから、さらに断面に沿って櫛形に切る方法。断面が笑った時の口の形に見えることから、この切り方を「スマイルカット」といいます。この切り方なら、見た目がきれいで、ジューシーな果汁を余すことなく味わえます。果皮と果肉の間に切り込みを入れておくと、さらに食べやすくなります。紅まどんなは、旬の時期が短いうえにそれほど長くは日持ちしません。手に入れたらなるべく1週間以内に食べきるようにしましょう。

美容と健康の味方になるみかんを、旬の時期にたくさん食べよう

 

みかんの一種である紅まどんなには、ビタミンCが豊富で、美しい肌を保つのに役立ちます。他にも、骨粗しょう症のリスク軽減が期待できるβクリプトキサンチンや、毛細血管を守るはたらきをするヘスペリジン(ビタミンP)など、あまり耳慣れないものの美容と健康にうれしい栄養素が含まれています。

こたつに入ってあたたまりながらみかんを食べる風景は、日本の冬の風物詩といえるほどなじみ深いもの。気温が下がるこれからの季節、旬を迎えるおいしいみかんを食べて元気に過ごしましょう。ただし、おいしいからといって食べすぎには要注意。1日あたりの目安は2~3個程度です。

以下の記事では、みかんの栄養について詳しくご紹介しています。参考にしてみてください。

世田谷自然食品の「旬のフルーツ定期便(バイヤー厳選コース)」は、フルーツのプロが厳選した旬の果物を全国各地の産地から毎月お届けするコースです。12月には紅まどんなをお届け予定。ぷるんとした食感と爽やかな風味をお楽しみください。