2021年09月03日

野菜の豆知識|「ピーマン」タネやワタも栄養豊富

一年中出回るピーマンですが、旬は夏~初秋にかけて。安く手に入るこの時期に、おいしくたくさん食べたいですね。いかにも栄養満点といった濃い緑色ですが、実はワタにも栄養があります。今回はまとめ買いした時に役立つ、長く新鮮に保つ保存方法も合わせてご紹介します。


一年中出回るピーマンですが、旬は夏~初秋にかけて。安く手に入るこの時期に、おいしくたくさん食べたいですね。いかにも栄養満点といった濃い緑色ですが、実はワタにも栄養があります。今回はまとめ買いした時に役立つ、長く新鮮に保つ保存方法も合わせてご紹介します。

 

ピーマンを炒めて栄養吸収率UP

濃い緑色が鮮やかなピーマンは、ビタミンC、E、βカロテンが豊富な野菜。一般的にビタミンCは熱に弱いものですが、ピーマンのビタミンCは熱に強いのが特長。さらに、ビタミンEとβカロテンは、油と組み合わせることで吸収率がアップします。炒めたり揚げたりの加熱調理に、大変適した食材なのです。

また、ときどき見かける黄色や赤のピーマンは、緑のピーマンを熟させたもの。赤ピーマンは緑ピーマンよりも、ビタミンAが約2.2倍、ビタミンEは約5.4倍にアップしています。ビタミンEは「若返りのビタミン」とも呼ばれ、血行促進・抗酸化作用・血管の老化を防ぐ(毛細血管を強くする)などのはたらきがあります。赤ピーマンは苦味が少ないので、緑ピーマンが苦手な方は一度チャレンジしてみてください。

タネとワタには血流改善の「ピラジン」が豊富

捨ててしまいがちですが、ピーマンはワタやタネにも栄養たっぷり。注目すべきはピラジンで、血液をさらさらにして血行をよくします。ピーマン独特のあの香りと苦味は、このピラジンによるものです。

ピラジンはピーマン全体に存在しますが。特にワタやタネに多く含まれています。そのほかにも身体をあたためるカプサイシンや、血液中のナトリウム(塩分)の排出を助けて、むくみを改善するカリウムも豊富です。ちなみに、ほうじ茶の香ばしい香りもピラジン由来です。

ワタやタネは、ピーマン本体(果実部分)よりも、上記の栄養素が豊富なので、できれば捨てずに食べてしまいましょう。本体よりも苦味があるのが難点ですが、ピーマンの肉詰めに混ぜたり、チーズと一緒に調理したりすることで、苦さは抑えられます。

新鮮さ長持ち ピーマンの冷凍&冷蔵保存

 

旬のピーマンは1袋にたくさん入っていてお買い得。しかし、食べ切れるかと心配な量でもありますね。ピーマンをツヤツヤに保つ、冷凍と冷蔵の方法をご紹介。カットしてから保存しておけば、調理の時短にもなります。安い時にまとめ買いして、かしこく栄養を摂りましょう。

ピーマンの冷蔵

買ってきたら袋から取り出して、洗ってペーパータオルなどで水分を拭きましょう。ピーマンに水分が付いていると、そこから傷みはじめます。水気を拭き取ったら新しいポリ袋に入れ、袋の口を軽く閉じて冷蔵庫で保存します。

ひと手間かかりますが、ひとつひとつをペーパータオルなどで包んでからポリ袋に入れると、さらに保存性が高まりますので試してみてください。まるごとなら3週間、カット済みは3日間ほど日持ちします。

ピーマンの冷凍

冷凍で1ヵ月ほど持ちますから、大量購入したら冷凍保存がおすすめ。あらかじめ使いやすい形にカットし、水気を拭き取って冷凍保存袋で保存します。縦の細切り、横の細切り、ひと口大カットなど、よく使う形にしておくのがポイントです。

番外編:干し野菜にする

冷蔵庫にスペースがない時は、干し野菜にしてみてはいかがでしょうか? 干したピーマンは、お湯や水で戻してから使うほか、そのままで炒めものなどに活用できます。

干し野菜の作り方は、こちらでご紹介しています。

和洋中のさまざまな料理で使えるピーマン。お値段も一年中手ごろですから、日々の食卓の栄養アップに役立つ「普段使いの野菜」の代表格といえるでしょう。冷蔵・冷凍保存を活用して、たくさん召し上がってくださいね。