ぼっかけ汁は、福井県で食べられる具材たっぷりの汁物。アツアツのご飯に文字通り「ぼっかけ(ぶっかけ)」ていただく郷土料理です。福井県内でも地域によって具材や食べ方にアレンジが加わり、さまざまなバリエーションがあります。
2017年04月06日
ぼっかけ汁は福井県で食べられる、根菜類などの具材たっぷりの汁物。アツアツのご飯に文字通り「ぼっかけ(ぶっかけ)」ていただく郷土料理です。福井県内でも地域によって具材や食べ方にアレンジが加わり、さまざまなバリエーションがあります。
ぼっかけ汁は、福井県で食べられる具材たっぷりの汁物。アツアツのご飯に文字通り「ぼっかけ(ぶっかけ)」ていただく郷土料理です。福井県内でも地域によって具材や食べ方にアレンジが加わり、さまざまなバリエーションがあります。
ぼっかけ汁は100年以上前から伝わる伝承料理で、今も福井県の食卓では大変馴染みのあるメニュー。ささがきゴボウやにんじん、油揚げや糸こんにゃくを入れて、かつおの出汁としょう油で煮込みます。かつお節は出汁としてだけでなく、食材としての役割もあるため、削りたてのしっかりした風味のものを使うのが特徴です。
ぼっかけ汁を食べるタイミングは地域ごとに細かく違い、正月三が日に出す地域もあれば、結婚披露宴の最後に振る舞う地域、浄土真宗の催事である報恩講の夜食として「ぼっかけ豆腐飯」を出したりなどさまざま。根菜類のたっぷり入ったアツアツの汁物と炊きたてご飯の組み合わせは、素朴で安らぎを感じるおいしさです。
福井県勝山(かつやま)市のぼっかけ汁は、赤いかまぼこや三つ葉が入った出汁をご飯にかけ、海苔とわさびを添えたもの。このシンプルなレシピは勝山市のみに見られるものです。
勝山市では「出汁を“かける”」をコンセプトに、子どもたちも親しめるようアレンジした新しいグルメ「勝ち山ボッカケ」を考案。勝山市内のさまざまな飲食店で、お店独自の「勝ち山ボッカケ」が食べられます。
上の画像は老舗旅館「あまごの宿」の「あまごの塩麹ボッカケ」。新鮮なあまご(※)を自家製塩麹に漬けて焼き、青じそを混ぜ込んだご飯に挟んでいます。その上からアツアツのお出汁をかけていただく……。おいしさ間違いなしの一品です。
※サツキマスと同種の魚。
そのほか、焼肉屋さんの「カルビボッカケ」、お寿司屋さんの「海鮮ボッカケ」「とろろボッカケ」、ジオパーク勝山を散策しながら食べるテイクアウト限定の「Walking Bokkakeジオ」などなど……あれもこれもと試したくなる魅力的な「ボッカケ」がそろっています。
ぼっかけ汁にも入っている油揚げは、福井県の名産品。総務省の家計調査によれば、福井県は「油揚げ・がんもどき」の消費量が全国1位なのだそう。福井県のスーパーに行くと、私たちがよく知っている「薄揚げ」のほかに、「生揚げ」「絹厚揚げ」「昔揚げ」とバラエティー豊かで、福井県の食卓に頻繁に登場している様子がうかがえます。
福井県はもともと浄土真宗と禅宗の信仰が厚い地域。報恩講には油揚げが供され、精進料理には油揚げをはじめとする大豆食品が使用されます。土地柄と食文化が密接につながっているのですね。
ホクホクの根菜類と、香り豊かな出汁が口いっぱいに広がるぼっかけ汁。手軽に入手できる食材ばかりなので、一度ご家庭で作ってみてはいかがでしょうか?