2021年05月17日

野菜の豆知識|「新じゃが」皮ごと食べて、豊富なビタミンCを摂ろう

5月の半ばからは新じゃがが出回る時期。新じゃがは水分を多く含み、皮が薄いので皮ごと食べるのに適しています。通常のジャガイモよりビタミンCも豊富ですが、新じゃがは傷みやすいのが少々難点。今回は新じゃがの栄養や、おいしく食べるための保存方法などをご紹介します。


5月の半ばからは新じゃがが出回る時期。新じゃがは水分を多く含み、皮が薄いのでまるごと食べるのに適しています。通常のジャガイモより栄養もアップしますが、新じゃがは傷みやすいのが少々難点。今回は新じゃがの栄養や、おいしく食べるための保存方法などをご紹介します。

 

「新じゃが」とは、採れたてのジャガイモのこと

ジャガイモは全国的に栽培されているため、産地の気候に合わせて4月~10月まで収穫が行われています。通常のジャガイモは収穫されたあと、貯蔵・熟成を経て市場にでますが、新じゃがは貯蔵・熟成していない採れたてのものです。

一般的なジャガイモの皮は食感が気になるため包丁でむきますが、採れたての新じゃがは皮が薄く、たわしでゴシゴシこすればむけるほどです。それだけ皮が薄いので、皮ごと調理してもほとんど気になりません。

貯蔵・熟成を経て得られる甘みはないものの、新じゃがは水分が多くシャキッとしたみずみずしさがあります。小ぶりで皮ごといただけるので、カットせずに煮る・揚げるなど、見た目も楽しい1品が作れます。

ジャガイモには男爵やメークインをはじめ、さまざまな種類があります。品種の特徴をつかんでおけば、料理によって使い分けできるようになりますよ。

傷みやすいから気をつけて、新じゃがの保存方法

 

新じゃがは水分が多く皮も薄いので、通常のジャガイモより保存がききません。傷みやすさを考えると、できれば購入してから1週間~10日くらいで食べきるのが理想です。

ジャガイモには微量の天然毒素が含まれており、光を浴びたり傷ついたりすることで増えます。毒素を摂りすぎると、嘔吐や腹痛といった食中毒症状を起こすことがあるので注意が必要です。毒素は芽と緑色になった皮に多く含まれ、加熱しても消えることはありません。

購入する時のポイント

新じゃがの場合は、皮が薄くでこぼこの少ないものを選びましょう。芽や傷、皮に緑色っぽさのあるものは避けるようにします。

保存のポイント

皮は日光や蛍光灯の光などが当たることにより緑に変化します。光の当たらない涼しい場所に保管しましょう。新聞紙で包んだり、空気穴を空けたポリ袋に入れたりするのもおすすめです。冷蔵の必要はありません。

調理のポイント

調理時には芽とその根元を取り除くのはもちろん、皮が緑色になっている場合には、緑色の皮とその周辺・内側も含めて深くむきましょう。

意外?ジャガイモはビタミンCが豊富

ビタミンCといえばフルーツや緑黄色野菜のイメージが強いですが、実はジャガイモもビタミンCがとても豊富な食材。普通のジャガイモは28ミリグラム(可食部100グラム当たり)のビタミンCを含みますが、新じゃがは、品種によっては2倍になるものも。りんごのビタミンC含有量が4ミリグラム(同)なのを考えると、新じゃがのビタミンCの豊富さが分かるかと思います。

さらに、ジャガイモのビタミンCは熱に強いのも特徴。通常、ビタミンCは水に溶けやすく熱で壊れやすい栄養素ですが、ジャガイモの場合はでんぷんがビタミンCを守ってくれるので、加熱しても壊れにくいのです。他の野菜も同様ですが、栄養は皮の近くが豊富。新じゃがは、皮が薄くそのまま食べられるので、効率よくビタミンCを摂取できます。

また、ジャガイモ料理はポテトサラダやポテトフライ、マッシュポテトといった、塩分やバターなどの油脂類を多く使いがちです。ふかし芋やおみそ汁の具材として、千切りにして少なめの油で炒めるなど、塩分・油分を控えた調理法でいただくのがおすすめです。

ジャガイモは主食にもおかずにもなる便利食材。新じゃがは、ジャガイモと比べて日持ちが短いですが、それでも10日程度と他の野菜よりも保存性は高めです。栄養がしっかり含まれた新じゃがを皮ごと食べて、1日ごとに気温が上がるこの時期を元気に過ごしましょう。