2021年03月10日

野菜の豆知識|ふきのとう 若いつぼみでありながらも栄養たっぷりの旬野菜

代表的な春野菜のひとつ「ふきのとう」。「ふきのとう」は花茎という花だけをつける茎のつぼみの状態です。他の春野菜と同じく、新陳代謝を促す栄養素や、若々しさを保つ抗酸化作用に優れた栄養素を豊富に含んでいます。今回は、ふきのとうの栄養や、おすすめの食べ方についてご紹介します。


 

代表的な春野菜のひとつ、ふきのとう。他の春野菜と同じく、新陳代謝を促す栄養素や、若々しさを保つ抗酸化作用に優れた栄養素を豊富に含んでいます。今回は、ふきのとうの栄養や、おすすめの食べ方についてご紹介します。

ふきのとうとは

蕗(ふき)の若い花茎(かけい)がふきのとう

ふきのとうは、同じく食用である蕗の若いものだということはご存じの方も多いかもしれません。しかし実は、ふきのとうが育ったものが、いわゆる蕗の葉や茎になるというわけではないのです。
ふきのとうは花茎という、花だけをつける茎のつぼみの状態。一方、蕗の茎は葉柄(ようへい)という、葉につながる柄の部分。それぞれ、同じ地下茎の別の場所から生えてくるのです。

独特の青々とした風味、ほろ苦さを味わう

ふきのとうは、天ぷらにしたり、お吸い物の実にしたりしてよく食べられています。蕗などとは違う、いわゆる春野菜独特の青々とした風味やほろ苦さが特徴です。早春に地上に顔を出す様子や、花が咲く前のつぼみを食べることから、春の訪れの象徴としても好まれています。

春野菜ならでは!ふきのとうの栄養

独特の苦みは肝臓の働きを促す「植物性アルカロイド」

ふきのとうをはじめとする春野菜は独特のほろ苦さが特徴的ですが、これは芽吹きの時期の植物が外敵から身を守るために含んでいる「植物性アルカロイド」という成分によるものです。“外敵から守る”といっても、人間にとっては腎臓のろ過機能を高めたり、肝臓の解毒作用を高めたりしてくれるありがたい成分で、極端に食べ過ぎなければ害はありません。
詳しくは、下記の記事も参考にしてみてください。

疲労回復を助けるビタミンB1、ビタミンEが豊富

ふきのとうは、春らしくはつらつと過ごすための栄養素も充実しています。うなぎや豚肉などに多く含まれ、疲労回復を助けるビタミンB1や、疲労物質を体内から取り除く働きや、若々しさを保つ抗酸化作用に優れたビタミンEも豊富に含んでいるのです。

骨作りをサポートするビタミンKなども

ふきのとうには、骨の形成をサポートする働きがあるビタミンK、体内の余分な塩分を排出する働きがあるカリウム、赤血球を作り、貧血や動脈硬化の予防が期待できる葉酸といった栄養素も多く含まれています。

ふきのとうのおすすめの食べ方

天ぷらで栄養を閉じ込めておいしく

 

ふきのとうを使った料理の定番でもある天ぷらは、衣によってふきのとうの栄養素を閉じ込め、水に溶けたり加熱で壊れたりすることなく食べられる、栄養面でもうれしい食べ方。栄養素とともにうま味も閉じ込められますし、油のおかげで独特の苦みはやわらぐので、味の面でもおすすめです。

ふき味噌やふきのとうのおみそ汁で腸内環境を整える

味噌には腸内環境を整える善玉菌のひとつ、乳酸菌がたっぷり含まれています。一方、ふきのとうは善玉菌のエサになる食物繊維が豊富。ふきのとうと味噌を油で炒めるふき味噌や、ふきのとうのおみそ汁は、おなかを整える栄養素を一度に摂れるお料理なのです。

旬の野菜は季節感を味わえるとてもうれしい食材ですが、それだけでなく1年中で最も栄養が豊富であることも見逃せません。青々として若い印象のあるふきのとうにも、旬のうま味と栄養がたっぷり詰まっていますから、ぜひ味わってみてくださいね。