2021年02月08日

健康メニュー|今こそ見直す「ぬか漬け」、失敗なしの進化版も

ぬか床に漬けるだけで出来上がるぬか漬けは、さまざまある発酵食品のなかでも、ご家庭で作れるものの筆頭です。現代では開発が進んで、昔よりももっと簡単にぬか漬けが作れるキットが販売されています。今回は、おこもりで需要が高まっていると噂のぬか漬けの栄養や作り方をご紹介します。


ぬか床に漬けるだけで出来上がるぬか漬けは、さまざまある発酵食品のなかでも、ご家庭で作れるものの筆頭です。現代では開発が進んで、昔よりももっと簡単にぬか漬けが作れるキットが販売されています。今回は、おこもりで需要が高まっていると噂のぬか漬けの栄養や作り方をご紹介します。

 

ぬか漬けは食物繊維と乳酸菌のゴールデンコンビ

ぬか漬けは納豆や味噌などと並んで、昔からある日本の発酵食品のひとつ。昨今の発酵食ブームではあまり注目されることがありませんでしたが、おこもり需要が高まったことで自家製ぬか漬けがじわじわと人気です。

実はぬか床の乳酸菌は、ヨーグルトやチーズなどとくらべて、腸内で生きる力が強いことが分かっています。さらに、野菜に含まれる食物繊維は乳酸菌のエサとなりますから、ぬか床と野菜はとても合理的な組み合わせなのです。

食物繊維と乳酸菌は相互に働きあって、お通じを促して肌荒れを改善したり、有害な悪玉菌を減らしたりして、腸内環境の改善をサポート。腸には体の7割近くの免疫機能が集まっていますから、ぬか漬けを日常的に食べることで免疫力アップも期待できます。

ぬかに漬けると、野菜のビタミンB1が大幅アップ

 

ぬか漬けのよいところは、それだけではありません。ぬか床には乳酸菌はもちろん、ビタミンやミネラルも豊富に含まれていて、漬けた野菜にはそれらの栄養が移るので、野菜の栄養価がぐんとアップします。例えば、ほとんどが水分といわれるキュウリは、ぬか漬けにすることでカリウムは約3倍、ビタミンCは約1.6倍、ビタミンB1にいたっては、なんと約9倍にもなります。

なかでも注目したいのはビタミンB1です。これは糖質をエネルギーに変えて人の活動を支える・疲労回復・皮膚や粘膜を健やかに保つといった働きをします。ビタミンB1は体内に蓄積しにくく、不足すると食欲減退や倦怠感を招きます。過剰分は尿として排出されるので、日々の食事で摂るべき栄養素です。また、ビタミンB1は熱に弱いので、加熱なしに食べられるぬか漬けはまさにぴったりな一品といえます。

キュウリの栄養については、以下の記事も参考にしてみてください。

初心者でも失敗しない、進化版ぬか床も登場

ぬか床をいちから作るとなると、ぬか・塩・昆布・唐辛子などに水を加えてぬか床を作り、いらない野菜を漬ける「捨て漬け」を経て、完成までに20日間から30日ほどかかります。さらに、ぬか床は毎日かき混ぜなくてはならず、夏に2日もさぼればアルコールのような刺激臭がする……というのも初心者あるあるです(ちなみに、このくらいなら表面を取り除けば復活することがほとんどです)。

このように、自作ぬか漬けにはぬか床の管理が必須だったのですが、今はそんな手間ひまを短縮できる、便利なぬか床がたくさん登場しています。例えば、すでに十分に発酵していて捨て漬けいらずの発酵ぬか床や、抗菌性の高い乳酸菌を用いることでかき混ぜを週1にしたタイプ、さらに、食べたい分だけ漬けられて、ぬか床の管理そのものを不要にしたチューブタイプのぬか漬けの素もあります。上手に使って、ぬか漬けを生活に取り入れてみてください。

ぬか床を管理し育てるのは面倒という方も、進化版ぬか床なら続けられるのではないでしょうか。お家にいる時間が増えた昨今、こうした昔ながらの知恵を見直し、楽しむのも有意義な時間になるはずです。アクや匂いのクセのない野菜なら、だいたいは上手に漬かります。まずはキュウリからはじめて、慣れたらあまり野菜も試してみましょう。意外な野菜がおいしい変化を遂げるという発見もぬか漬けの楽しみのひとつです。