2021年01月11日

野菜の豆知識|「大根」捨てるところなし、部位ごとのおいしい食べ方

寒くなると水分を多く蓄えて甘みが増す大根は、部位によって味や硬さが違うのをご存じでしょうか。部位ごとの個性を料理に活かせば、旬の大根をもっとおいしくいただけます。今回は、旬の大根を余すことなく食べれるように、部位ごとの美味しい食べ方ご紹介します。


寒くなると水分を多く蓄えて甘みが増す大根は、部位によって味や硬さが違うのをご存じでしょうか。部位ごとの個性を料理に活かせば、旬の大根をもっとおいしくいただけます。また、大根の葉は緑黄色野菜としての栄養素が蓄えられていますから、ぜひ捨てずに調理しましょう。

 

料理に活かそう、部位ごとの味・特徴

 

一年を通して手に入る大根は、寒くなると甘くなり、温かくなると辛味が増すなど、その味で四季を感じることのできる野菜です。さらに、部位によって味や食感が異なることをご存じでしたか?それぞれに適した調理をすることで、よりおいしさを引き出せます。カットされた大根を選ぶ時にも参考にしてみてください。

大根は上部が最も甘く、適度な硬さがあるので野菜スティックなどの生食に向いています。辛くない大根おろしがお好みの方はこちらがおすすめです。

水分が多い中央部は柔らかく、甘みがあって辛味は少ないので、おでんや煮物にぴったり。味がしみて柔らかく、じゅわっと煮汁があふれる一品になります。

下部は最も辛味が強い部分で、水分が少ないので硬さもあります。生で食べるとかなり辛いですが、辛い大根おろしがお好みならこの部分がおすすめです。食べてみて辛すぎたら、10分ほど時間をおくと辛味が穏やかになります。ポリポリとした食感は漬物にも向きますし、薄めに切っておみそ汁の具にもなります。

大根の栄養:消化を助け、咳や喉の痛みを鎮める

大根の辛味成分には炎症を鎮める作用があり、この効能を活かすなら生食がおすすめです。胃炎や口内炎、喉の痛みといった熱感を伴う場合は、大根スティックや大根おろしを食べるようにします。

また、大根は消化酵素が豊富なので、夕食から寝るまでの時間が短い方は、夕食時に大根おろしを積極的に食べるとよいでしょう。ただし、大根には熱を冷ます(炎症を鎮める)効果がありますから、おなかが冷えやすい方の生食には注意が必要。少量にとどめるか、ショウガなどの体をあたためる食材と組み合わせれば大丈夫です。

喉が痛い、咳が出るという時には「はちみつ大根」がおすすめ。くわしい作り方はこちらです。

捨てないで、大根の葉は「緑黄色野菜」

 

うっかり捨ててしまいがちな大根の葉ですが、実は立派な緑黄色野菜。ビタミンA・C・Eにカルシウム、鉄、カロテンなどが含まれ、栄養素としては実の部分よりも優れています。

大根の葉は、塩もみして刻んでご飯に混ぜたり(おにぎりにする場合は、水分が出るのでサッと湯がいたものがおすすめ)、おみそ汁の具にしたりと、いろいろな使い方があります。生で食べられるので、ごま油と塩であえてシンプルなサラダにしてもよいですね。

ちなみに大根の鮮度は葉の色で計ることができます。黄色っぽい葉は日が経っているので避け、鮮やかな緑でみずみずしいものを選ぶのがおすすめです。葉つきのままだと、葉から水分が蒸発していくので、買ったらすぐに葉と実を切り分けて保存しましょう。

すりおろせば焼き魚や天ぷらのお供に、おでんなら大人気の主役にと、大根はとても使い勝手のよい食材。まるごと1本買ったなら、まずは3等分して料理のメニューを決めてみてください。みずみずしい葉がついていたらラッキーです。捨てずにおみそ汁の具にいかがでしょうか。捨てるところなしの大根を、まるごとおいしくいただいてくださいね。