2020年12月21日

野菜の豆知識|アボカド 国産は希少な高級種

日本でもすっかり定着したアボカド。国内で販売されているアボカドのほとんどを占めるメキシコ産はほぼ通年輸入されていますが、希少で高級な国産アボカドは、11月~1月に旬を迎えます。今回は、アボカドの栄養や、今まさに旬を迎えている国産アボカドについてご紹介します。


 

日本でもすっかり定着したアボカド。国内で販売されているアボカドのほとんどを占めるメキシコ産はほぼ通年輸入されていますが、近年注目されつつある国産アボカドは、11月~1月に旬を迎えます。今回は、アボカドの栄養や、今まさに旬を迎えている国産アボカドについてご紹介します。

アボカドに旬はあるの?

アボカドは実は果物

中南米原産のアボカドは、野菜と並べて売られていることが多いものの、実は果物の仲間。洋ナシ型でワニの背中のような皮を持っているため「鰐梨(わになし)」、「アリゲーターペアー」という別名もあります。ビタミンEや不飽和脂肪酸、葉酸、食物繊維など多くの栄養素を含み、その栄養価の高さから「森のバター」とも呼ばれるスーパーフードです。

輸入物は年中出回るので旬はない

日本で主に流通しているのはメキシコ産のアボカドです。メキシコでは年間を通してアボカドが収穫できるため、日本でも年中アボカドが市場に出回っていて、特に旬の時期はありません。逆に言えば、いつでも旬のおいしさや栄養価を持っているわけです。

近年注目の国産アボカドは晩秋~冬が旬

一方、近年話題に上り始めたのが、日本国内で作られた国産アボカドです。国内での販売シェアは今のところ1%程度ですが、日本人好みの特徴を持つ品種が多く、希少な高級品として注目されています。
国産アボカドは比較的温暖な地域で栽培されることが多いものの、メキシコのように通年生産ではなく、晩秋から冬にかけての時期が旬とされています。

アボカドの品種を見てみよう

輸入アボカドの多くは「ハス」種

アボカドは非常に品種が多く、1,000種類以上にも及ぶと言われます。しかし日本では、リンゴやブドウ、ジャガイモのように、アボカドを品種で使い分けるといった習慣はあまり見られません。
これは、日本に輸入されているアボカドの多くが「ハス」種と呼ばれるもので、他の種類のアボカドがほとんど流通していないからだと考えられます。

国産アボカドは日本人に合う別品種も

その一方で、国産アボカドはハス種以外の品種が多く、より日本人好みの味になっていることも注目されるポイントとなっています。
国内で多く栽培されている品種としては、果肉がクリーム色で、まったりして甘みがある「ベーコン」、種が小さめで、香りがよく実がなるのが早い「ピンカートン」、同じく香りの良さが特徴で、少しひょろりとした形の「フェルテ」などが見られます。

アボカドのおすすめの食べ方

トマトと組み合わせてサラダにすれば栄養抜群

 

単体でも栄養価の高いアボカドですが、同じく栄養豊富なトマトと組み合わせることで相乗効果が期待できます。美肌と若々しさのもとと言われるトマトのリコピンは、アボカドの植物性脂肪によって、より吸収されやすくなるのです。
マヨネーズをかけてもおいしいですが、油分が気になる方は、マリネにしたり、チーズを加えたり、オリーブオイルを使ったドレッシングもおすすめです。
アボカドとトマトの組み合わせについて詳しくは、下記の記事も参考にしてみてください。

納豆と組み合わせて和食になじむ味で血液サラサラに

マグロの刺身やエビ、わさび醤油などの和食ともよく合うアボカドですが、実は納豆とも相性抜群なのです。納豆のネバネバには血液をサラサラにするナットウキナーゼという酵素が含まれていますが、アボカドにも血液をサラサラにしたり、中性脂肪を減らしたりすると言われる不飽和脂肪酸が多く含まれています。
わさび醤油で和えるだけでも小鉢料理になりますし、海苔、ごま、キムチ、チーズ、とろろなどの健康食材を加えてもおいしくいただけますよ。

さまざまな料理に使われるアボカド。最近ではアボカド料理専門店などで、なんとアボカドを使った鍋料理も登場しています。1人当たり1日1/2個~1個の適量を意識しながら、アボカドの新しい味わい方を探してみてくださいね。