2020年11月27日
料理の味をグッと引き上げる、だし。そのうま味成分には、さまざまな健康効果があることが分かってきました。今回は、だしのうま味成分による食べ過ぎの予防、減塩、血流改善、疲労回復などの効果について紹介します。
料理の味をグッと引き上げる、だし。そのうま味成分には、さまざまな健康効果があることが分かってきました。今回は、だしのうま味成分による食べ過ぎの予防、減塩、血流改善、疲労回復などの効果について紹介します。
鰹節、昆布、いりこ、しいたけ……だしが取れるとされる食材は、ビタミンやミネラルが豊富なものばかりです。食材ごと食べれば無駄なく栄養が摂れるのはもちろん、鰹節やいりこはたんぱく質などの栄養も補えます。これらを煮出しただし汁にも水溶性のビタミンやミネラルなども溶け出していますから、栄養たっぷりというわけです。
だし食材の栄養については、下記の記事も参考にしてみてください。
昆布だしや生しいたけに多く含まれるうま味成分の「グルタミン酸」には、食後の満足感を長続きさせる働きがあるとされています。昆布だしを取り入れることで間食を抑え、食べ過ぎ予防が期待できます。
昆布だしのグルタミン酸は、カツオだしのうま味成分「イノシン酸」とあわせて摂る、つまり合わせだしにすることで、うま味が7倍にもなると言われています。うま味がしっかり含まれていると、塩の量が少なくても満足度が高まりやすく、減塩に役立ちます。
他に、干ししいたけのうま味成分「グアニル酸」なども含めて、複数のうま味成分を組み合わせるとうま味はより強くなるとされています。
カツオだしに含まれるヒスチジンやアンセリンといったアミノ酸の仲間には、血行を促し、疲労回復を促す働きがあります。冷え防止はもちろん、冷えからくる肩こりや頭痛などを和らげる効果も期待できます。
昆布にはネバネバした水溶性の食物繊維が多く、だし汁にも溶け出しています。この食物繊維には、血糖値が急に上昇するのを抑えたり、脂肪を燃焼させやすくしたりする働きが期待できます。
だし汁に溶け出さない栄養素も、だしの出る食材やだしがらを食べることで余さず摂ることができます。例えばカツオだしを取った鰹節や、いりこだしを取ったいりこも残さず食べれば、だし汁だけよりも多くの良質なたんぱく質を摂れるというわけです。
だし汁とだしがらに分けるのではなく、だし食材をそのまま料理の味つけに使う方法も手軽に取り入れられます。もし、食感などがメニューに合わないようなら、粉末状にして料理に加えてみましょう。粉末にしただし食材は、ご飯のふりかけにしてもおいしくいただけます。
だしがらは佃煮やふりかけにして食べる再利用法が定番ですが、細かく刻むか粉末状にしてしまえば他の料理の具材としても活躍します。和え衣にしたり、ハンバーグやお好み焼きに練り込むと、栄養を摂れるだけでなくうま味も増しますよ。
良いだし汁は料理に使うだけでなく、そのまま飲んでもおいしいものです。夜など、カフェインを含むお茶やコーヒーの代わりに温かいだし汁を飲むことで、睡眠の質を下げずに体を温めて疲労を癒やし、深夜に起こりがちな空腹感も抑えられます。食材からだしを引くまではせずとも、まずはお好みのだしパックを見つけるところから、取り入れてみてください。