2020年09月07日

郷土料理|カツオ・薬味・酢飯のお手軽料理「カツオのてこね寿司」 (三重県)

三重県の郷土料理「カツオのてこね寿司」は、薬味を混ぜ込んだ酢飯に、カツオのヅケを乗せたちらし寿司の一種です。赤身のカツオと、香りよく仕上げた酢飯は相性抜群。栄養面では、疲労回復のはたらきが期待できます。今回は、カツオや薬味の栄養、自宅で作れるカツオのてこね寿司のレシピについてご紹介します。


三重県の郷土料理「カツオのてこね寿司」は、薬味を混ぜ込んだ酢飯に、カツオのヅケを乗せたちらし寿司の一種です。赤身のカツオと、香りよく仕上げた酢飯は相性抜群。栄養面では、疲労回復のはたらきが期待できます。今回は、カツオや薬味の栄養、自宅で作れるカツオのてこね寿司のレシピについてご紹介します。

 

「カツオのてこね寿司」は漁師飯が発祥

カツオのてこね寿司は、漁師が漁の合間に食べた料理が発祥とされ、休憩の短い時間に刺し身とご飯を手で混ぜて(こねて)作った漁師飯だったといわれています。

漁師料理が発祥ですから作業工程は実にシンプルで、時間のかからない時短メニューでもあります。三重県では現在でも「ハレの日」の料理として、宴席などで出される料理です。

春から初夏のさっぱりして香りのよい初ガツオ、秋のもっちりと脂ののった戻りガツオ、そのどちらもカツオのてこね寿司にはぴったり。好きな薬味を好きなだけ混ぜ込んで、もりもりと食べたいメニューです。

「カツオ」の栄養 滋養強壮、疲労回復に

 

カツオに含まれる栄養素は、疲労回復に役立つものが多いのが特徴です。疲労回復に役立つビタミンBと、貧血予防に摂りたい鉄分は、魚類のなかでもトップクラス。滋養強壮系のドリンクに配合されているタウリンとナイアシンも豊富です。さらに、カツオのうま味成分にも疲労軽減の効果があることが分かり、アンチエイジングや生活習慣病予防で注目されている抗酸化作用も報告されています。

考えてみると、暑さに備えるべき「初夏」、夏疲れを残したくない「秋」と、カツオの旬は疲労回復を重視したい時季と重なります。睡眠中も泳ぐというカツオの元気に、ぜひあやかっておきたいところです。
カツオの栄養をより知りたい方は、こちらも記事も参考になります。

たっぷりの薬味で疲れを撃退!

 

カツオのてこね寿司で、酢飯に混ぜる薬味は大葉・みょうが・しょうがの甘酢漬けなどさまざま。各家庭で好きな薬味を入れます。これらの薬味には殺菌作用があり、痛みやすいカツオと一緒に摂ることはとても理にかなった食べ方です。

例えば、大葉は健胃(胃を健やかにする)作用や不眠改善、みょうがは消化促進や血行促進、そしてしょうがは体をあたためて発汗させ、吐き気を抑える特効薬。どの薬味を入れても、カツオと合わせれば疲労回復の相乗効果が期待できます。薬味の香りは食欲を増進させてくれるので、食欲のない時にもおすすめ。たっぷり刻んでいただきましょう。
薬味のはたらきは、以下の記事で詳しく紹介しています。

家で作ろう「カツオのてこね寿司」のレシピ

カツオのてこね寿司に必要なのは、「ヅケにしたカツオ」と「薬味を混ぜ込んだ酢飯」。カツオをタレに漬けている間に、薬味を刻んで酢飯に混ぜ込みます。ここでは、スーパーなどで売っている刺し身を使ったてこね寿司のレシピをご紹介します。

<材料(2人分)>
・ご飯…1.5合
・すし酢…50ミリリットル

・カツオ(刺し身用)…2人前(150グラム前後)
(A)つけダレ用
・しょうゆ…大さじ1
・砂糖…ひとつまみ

(B)薬味
大葉(千切り)、みょうが(千切りかみじん切り)・しょうが甘酢漬け(みじん切り)…お好みの量
※全ての薬味を入れても、お好み薬味をひとつ選んでもOKです。
<作り方>
カツオの刺し身は大きければ半分の大きさに切り、混ぜ合わせた(A)に漬けて30分~1時間ほど冷蔵庫に置く。 薬味を材料欄にある切り方で切る。 温かいご飯にすし酢と切った薬味を入れ、しゃもじを立てて切るように混ぜて人肌に冷ます。 皿に酢飯を盛り、その上にカツオを乗せる。仕上げに万能ねぎや海苔を散らしても◎

脂がのった戻りガツオと、薬味たっぷりの酢飯の組み合わせは、さっぱりしていていくらでも食べられそうなおいしさです。彩りも美しく、食卓がパッと華やぎます。火を使わず時短で作れるのもうれしいポイント。おもてなしにも、食欲のない日にも、どちらにもおすすめできるメニューです。