2020年05月27日

郷土料理|深川めし あさりの栄養を残さずいただこう

あさりの身が大きく、ぷりぷりとしてくる春は、あさりを使った東京の郷土料理「深川めし」もまたおいしくなる季節です。今回は、「深川めし」とその栄養、おすすめの食べ方についてご紹介します。


 

あさりの身が大きく、ぷりぷりとしてくる春は、あさりを使った東京の郷土料理「深川めし」もまたおいしくなる季節です。今回は、「深川めし」とその栄養、おすすめの食べ方についてご紹介します。

東京の郷土料理「深川めし」とは

江戸の漁師のまかない飯から家庭の味へ

東京都江東区、現在地名として残る深川よりも隅田川寄りの辺りに、江戸時代「深川浦」と呼ばれた貝類の豊富な漁場がありました。「深川めし」のルーツは、この漁場で漁師たちが食べていた、貝類を煮て汁ごとご飯にかけたまかない飯にあるといわれています。やがて、あさりの汁かけ飯が屋台で供されたり、家庭であさりの炊き込みご飯が作られたりするようになっていきました。

調理法にも味にもバリエーションが

現在ではあさりとネギなどを煮て汁ごとご飯にかけたものや、煮汁で炊いたご飯にあさりを混ぜたものなどが「深川めし」と呼ばれるようになり、深川周辺でも多くの飲食店が提供しているほか、駅弁などでも親しまれています。ぶっかけ飯も炊き込みご飯も「深川めし」ですが、実はその味付けも、あさりを味噌で煮るレシピもあれば、しょうゆで煮るレシピもあるなどバリエーション豊かなメニューなのです。

深川めしに含まれる栄養やおすすめのアレンジ方法とは

 

深川めしの主役!あさりのタウリンは肝機能を助け、体内機能のバランスをとる

あさりにはカルシウム・マグネシウム・亜鉛・鉄などの不足しがちなミネラル分が多く含まれます。疲労回復に役立つビタミンB2、貧血に有効なB12も豊富です。
また、うま味成分のタウリンは、余分な中性脂肪や血中コレステロールを減らして体内機能のバランスをとり、肝機能もサポートしてくれます。

詳しくは、下記の記事も参考にしてみてください。

あさりと味噌、ネギは相乗効果の高い組み合わせ

血液を健やかにする鉄分やビタミンB12の豊富なあさりですが、実は深川めしの味付けに使われる味噌にも、鉄分が多く含まれています。そして深川めしに欠かせないネギには、この鉄分の吸収を助けるビタミンCがたっぷり。貧血が気になる、血液を健やかにしたい方には特におすすめなのです。

骨や貧血が気になる方、肝機能を高めたい方にうれしい卵とじの深川めし

しょうゆ味の深川めしで、ぜひ試したいアレンジが“卵とじ”です。あさりのビタミンB12含有量は貝類のなかでもトップクラスですが、同じく貧血に有効なビタミンB12が多いのが卵なのです。また、あさりのタウリンは肝機能をサポートし、卵のたんぱく質は肝細胞の再生を助けるので、肝機能を高めたい方にもうれしい組み合わせです。
仕上げにのりを散らせば、あさりやのりに含まれるカルシウムの吸収をネギのビタミンCが助けてくれますから、骨を健やかにしたい方にもおすすめです。

塩分が気になる方は干ししいたけやゴボウ入りの炊き込み深川めしを

味噌やしょうゆでご飯に味をつける深川めしだけに、塩分の摂り過ぎが心配だという方もいるでしょう。その場合は、体内の余分な塩分を排出するカリウムが豊富な干ししいたけやゴボウを入れて、炊き込みご飯の深川めしを作ってみましょう。干ししいたけは、あさりに含まれるカルシウムの吸収を助けるビタミンDも多く含まれていますから、骨を健やかにする働きも期待できますよ。

江戸前ずしやドジョウ鍋など、東京の郷土料理というと、家庭よりもお店で味わうイメージがどことなくあるもの。深川めしはお店でもおいしく味わえますが、自宅でも気軽に作れるところがうれしいですよね。調理法や味付けを工夫して、ぜひ栄養たっぷりでおいしい深川めしを作ってみてください。