2020年05月22日

野菜の豆知識|「おかひじき」使い勝手のよい便利野菜

おかひじきは北海道から九州まで、全国の日当たりのよい海岸砂地などに自生する野菜で、流通しているほとんどは栽培されたものです。葉の形が海藻のひじきに似ているため、丘(陸)のひじきで「おかひじき」と呼ばれています。味や香りにクセがないので、さまざまな食材・味付けに合わせやすい使い勝手のよい便利野菜でもあります。今回はおかひじきの栄養や使い方についてご紹介します。


おかひじきは北海道から九州まで、全国の日当たりのよい海岸砂地などに自生する野菜で、流通しているほとんどは栽培されたものです。葉の形が海藻のひじきに似ているため、丘(陸)のひじきで「おかひじき」と呼ばれています。今回はおかひじきの栄養や使い方についてご紹介します。

 

おかひじきは無農薬栽培が一般的

明るい緑が美しいおかひじきは、古くから伝統野菜として栽培されている野菜です。海辺などに自生もしていましたが、近年では海辺が整備されたことにより、天然ものは少なくなりました。現在出回っているおかひじきは、ほとんどが栽培されたものです。若く柔らかい部分を摘んで食用とし、春から秋にかけて数回収穫が可能です。

山形県など東北地方で盛んに作られていますが、その栄養価の高さが知られるようになり、九州地方まで栽培地が広がって、最近では全国の青果店やスーパーで見かけるようになりました。全国で収穫時期をずらしていることから一年中手に入ります。また、おかひじきは病害を受けにくいので、無農薬栽培が一般的です。

丈夫な骨、健やかな肌をつくる栄養素

あっさりしてクセのないおかひじきですが、その味わいの淡泊さからは想像できないほど栄養が豊富です。

体の余分な水分やナトリウムを排出してくれて、むくみや高血圧の予防が期待できるカリウム、丈夫な骨と歯に欠かかせないカルシウムと、おなじみの栄養素が豊富です。その他に、これらの栄養がきちんと働くのをサポートするマグネシウム、ビタミンKもしっかり摂れます。

ビタミンKはあまり聞き慣れないかもしれませんが、止血に効能があり、骨粗しょう症の予防が期待される栄養素です。おかひじきのほか、以前ご紹介したパセリにも豊富に含まれています。

また、緑黄色野菜に多く含まれるβカロテンも含まれています。βカロテンは体の酸化を防ぐ抗酸化作用や免疫力を高める働きがあり、体内でビタミンAに変換され、皮膚や粘膜を健やかに保ってくれる栄養です。βカロテンは油に溶ける脂溶性ですから、効率的に摂るには炒めものやオイルの入ったドレッシングを使って食べるのがおすすめです。

生で・炒めて・おみそ汁に おかひじきの使い方

 

おかひじきはシャキシャキした食感が魅力。味や香りにクセがないので、さまざまな食材・味付けに合わせやすい食材です。ただし、乾燥すると食感が落ちてしまうので、ポリ袋などに入れて野菜室で冷蔵し、早めに使い切るようにしましょう。

おかひじきのシャキシャキ食感を楽しむなら、熱湯で1~2分ほどサッとゆでるのがおすすめです。ゆで上がったあとも予熱で柔らかくなってしまうので、ザルにあげたらすぐに流水で冷ましましょう。ゆでたおかひじきは、おひたしに、和え物に、サラダに、スープの具にと、いろいろ使えて便利です。新鮮なうちにゆでておいて、使い道はあとで考える……といった使い方もできます。

からし、ポン酢、ドレッシング、マヨネーズなど、どんな味付けでもおいしくいただけますが、一度は試していただきたいのが、山形県の郷土料理「おかひじきのからし和え」。ゆでたおかひじきに練りがらしとしょうゆを混ぜたら完成です。

おみそ汁やスープの具にする場合には、出来上がる1~2分前におかひじきを入れるとシャキシャキ感が残せます。ゆでたおかひじきなら、料理が完成する直前に入れるようにしましょう。

献立が思いつかない時、使い勝手のよい野菜がひとつあると助かりますよね。たまに見かけるおかひじきも、そんな便利野菜のひとつです。一年中手に入るようになっていますから、見かけたらぜひ一度お試しください。ゆでておけばいつでも使えますよ。