2019年12月20日

野菜の豆知識|「冬至かぼちゃ」で年末を元気に乗り切ろう

今年ももうあとわずか……そんな頃に迎える冬至は、1年のうちで最も日が短く、夜が長い日です。この日はゆず湯に入ったり、かぼちゃを食べたりする習慣が今も残っています。ここでは、冬至にかぼちゃを食べる「冬至かぼちゃ」について、由来や栄養をご紹介します。


今年ももうあとわずか……そんな頃に迎える冬至は、1年のうちで最も日が短く、夜が長い日です。この日はゆず湯に入ったり、かぼちゃを食べたりする習慣が今も残っています。ここでは、冬至にかぼちゃを食べる「冬至かぼちゃ」について、由来や栄養をご紹介します。

 

1年で最も日が短い冬至

冬至は二十四節気のうちのひとつで、1年の最後の節気。二十四節気とは、太陽の動きをもとに1年を24に分割したもので、季節の移り変わりや行動の目安になるとても便利な指標です。

例えば、「春分」「秋分」は昼夜の長さがほぼ同じになる日で、この世とあの世が最も近くなるとされ、祖霊に会うためにお墓参りをします。

冬至は1年のうちで最も日が短く、夜が最も長い日で、毎年12月22日頃にあたります。翌日からは日が長くなっていくため、この日を堺に運気が上がっていく「一陽来復(いちようらいふく)」に通じると考えられています。

冬至に秋の野菜? かぼちゃを食べる理由

 

国産のかぼちゃの収穫時期は6月から9月(輸入かぼちゃは11月から3月)で、秋にできる野菜です。みなさんもハロウィーンのかぼちゃや、秋のスイーツで栗やかぼちゃが使われているものが多いことから、かぼちゃは秋野菜というイメージをいだいている方も多いのではないでしょうか。

実は、収穫してすぐのかぼちゃはさほど甘くなく、2カ月ほど冷暗保存することによって、甘みを増していきます。したがって、かぼちゃは「収穫の盛りが秋、食べる盛りが冬」の野菜。今は1年中さまざまな野菜が手に入りますが、長く保存できて甘くなるかぼちゃは、野菜が不足しがちだった昔の厳しい冬に重宝されたことでしょう。

昔から「冬至の頃にかぼちゃと食べると病気にならない」といわれてきました。これは冬至には「ん」がつくものを食べると運が訪れるという縁起担ぎで、「運盛り」と呼ばれています。いろは順だと「ん」が最後に来ますから、一陽来復にも通じます。かぼちゃは南瓜(なんきん)なので「ん」がつきますし、そのほか、こんにゃく・にんじん・だいこん・うどんなども運盛りの食べ物です。特にかぼちゃは実が黄金色なので、金運も上がると言い伝えられています。
実用と縁起の両面で、冬至かぼちゃは理にかなっているわけです。

かぼちゃを食べて風邪予防

かぼちゃはとても栄養価の高い野菜で、ビタミンC、ビタミンB群、ビタミンE、カルシウム、鉄、カロテンなど、その内容も多彩。特にカロテンは体内でビタミンAに変化し、目や鼻などの粘膜を保護したり、抵抗力を高めたりする働きをします。さらに、ビタミンEは血行を促進して身体をあたためる作用があります。

また、かぼちゃは消化が良く身体をあたためることから、風邪をひいた時、胃の調子が悪い時、さらには冷え症に悩む女性にもおすすめ。乾燥と寒さで体調を崩しがちな秋冬にぴったりな野菜です。

冬至かぼちゃは、あわただしく寒さが厳しい年末を乗り越えるための生活の知恵。医療や栄養学が発達した現代から見ても、とても理にかなった習慣です。以下の記事では、同じく冬至に行う「ゆず湯」の入り方をご紹介しています。こちらも合わせて実践して、健やかに新年を迎えましょう!