2017年11月16日

健康習慣|「唇の荒れを予防する」

乾燥が気になる季節を迎えると、いつもカサカサに荒れた唇に悩まされるという方は多いのではないでしょうか。リップクリームなどで潤す方法もありますが、できれば、そもそも荒れないように予防したいものですよね。 今回は、唇の荒れを体の内側から予防する方法についてご紹介します。


 

乾燥が気になる季節を迎えると、いつもカサカサに荒れた唇に悩まされるという方は多いのではないでしょうか。リップクリームなどで潤す方法もありますが、できれば、そもそも荒れないように予防したいものですよね。
今回は、唇の荒れを体の内側から予防する方法についてご紹介します。

唇の荒れは「口の渇き」が原因かもしれない

唇は皮膚と同じように体の外側に露出している器官なので、荒れている原因も空気の乾燥など、体の外側にあると考え、リップクリームなどでの対策に頼りがちです。
確かに乾燥も原因のひとつではありますが、実は「ドライマウス」が唇荒れの原因となっているケースもあるのです。
ドライマウスとは、唾液の分泌が減り、口内が乾燥している状態のこと。寝起きに喉がひりひりする、パンやクッキーなどがパサパサして飲み込みにくい、唾液がねばつくといった口内の状況に加えて、唇や口角が乾燥したり、ひび割れて出血したりする現象も見られます。無意識のうちに、唇をなめるのが癖になっているような場合も要注意です。
また、唇には汗腺や脂腺がなく、自身で保湿する力が弱いため、唾液を分泌する唾液腺の働きによって潤いを保っています。つまり、唾液腺の働きが弱まり、口内が乾燥していること自体が唇の荒れと関係しているのです。

ドライマウスによる唇荒れ予防のカギは

ドライマウスの原因には、以下のような唾液の分泌自体が減る生活習慣が挙げられます。

よく噛んで食べていない
笑う、話すなど口の周りの筋肉を使う頻度が低い
不規則な生活や悪い姿勢が習慣化している

ただし、唇の乾燥がひどい場合は、唾液の分泌量だけではなく「口呼吸」もその一因となっているようです。本来、鼻で呼吸するべきところを口で呼吸してしまうと、唾液をはじめとする口内や唇の水分が蒸発して乾燥し、荒れてしまうのです。
ちなみに、口呼吸が習慣化している人には、唇荒れのほかにも舌の乾燥や、常態化した口臭などが見られます。(寝起きや空腹時の口臭は生理現象とされています)

唇荒れ予防のために取り入れたい3つの生活習慣

それでは、唾液腺の働きを促し、口呼吸を改善して唇の荒れを予防するための具体的な方法についていくつかご紹介します。

口の周りの筋肉を鍛える

「あ~い~う~(舌を出して)べ~」と思い切り口を動かしながら30回ほど繰り返す、「あいうべ体操」が有名です。頬を大きく膨らませたり、すぼめたりを20回ほど繰り返すといったトレーニングも効果があります。
食生活の中でも、繊維のしっかりした噛みごたえのある食材を取り入れる、間食にスルメをよく噛んで食べる、といったことで口の周りの筋肉を鍛えることができます。

唾液腺をマッサージする

 

口内には主に3つの唾液腺があります(画像)。1つ目は耳の下の奥から2~3番目の歯の近くにある「耳下腺①」。おたふく風邪の時に腫れる場所というとわかりやすいでしょうか。2つ目は顎の下側にある「顎下腺②」で、唾液の約70%を分泌しています。3つ目は舌の付け根裏に近い「舌下腺③」です。これらを顔の外側からやさしく圧迫してみましょう。耳下腺は手のひら全体で、顎下腺と舌下腺は親指で上へ向かって押します。

姿勢を正す

正しい姿勢を保つと、血液の循環がよくなり、それによって唾液の分泌が促されます。立った時、座った時、歩く時などそれぞれ意識してみましょう。
姿勢について、詳しくは下記の記事も参考にしてみてください。

いかがでしたでしょうか。唾液には口内を細菌から保護する働きもあるので、ドライマウスになって唾液が不足すると、虫歯や歯周病はもちろん、インフルエンザや肺炎といった感染症、食中毒のリスクも高まってしまいます。唇荒れの予防をきっかけに、ぜひドライマウス自体の予防にも取り組んでみてください。