2021年11月26日

健康メニュー|たらことは別物?「たらの子」

ごはんのお供としてよく食べられる薄紅色のスケトウダラの卵巣「たらこ」は、おにぎりやパスタソースの具材としても広く親しまれています。そんなたらことよく似た「たらの子」は、あまり馴染みがなく、食べたことがないという方も多いかもしれません。そこで今回は、たらの子の栄養や食べ方についてご紹介します。


 

ごはんのお供としてよく食べられる薄紅色のスケトウダラの卵巣「たらこ」は、おにぎりやパスタソースの具材としても広く親しまれています。そんなたらことよく似た「たらの子」は、あまり馴染みがなく、食べたことがないという方も多いかもしれません。そこで今回は、たらの子の栄養や食べ方についてご紹介します。

たらの子とは?

 

たらの子とは、マダラの卵巣です。たらの子はたらこと混同されがちですが、たらこはスケトウダラの卵巣を塩漬けにしたものという違いがあります。たらの子はたらこよりもサイズが大きくて食べごたえがあり、プチプチとした食感が楽しめます。

タラといえばマダラの方が一般的な北陸地方では、たらの子は「真たらこ」または「真子(まこ)」とも呼ばれます。たらの子がよく食べられる石川県では、たらの子と区別するために一般的なたらこを「もみじこ」と呼んでいるそうで、旬を迎える12月上旬~2月下旬になると市場やスーパーにたらの子が並びます。北海道や青森にもたらの子を使った郷土料理があり、青森ではたらの子料理が冬の家庭料理の1つで、お正月のごちそうにもなっています。

たらの子を含む魚卵は、痛風の原因とされる「プリン体」を多く含むといわれます。そのため魚卵を控えている方も多いかもしれませんが、魚卵には魚からしか摂取できない脳機能向上に効果があるとされる「DHA」や血栓予防効果が期待できる「EPA」をはじめ、ビタミンやミネラルなどの栄養素も豊富に含まれています。つまり、魚卵は必ずしも健康に悪いものではなく、さまざまな栄養を摂取できる食べ物なのです。

たらの子の食べ方

 

たらこよりも大きくて食べごたえがあるたらの子は、冬に旬を迎えます。調理して食べるのが一般的で、北陸地方では煮物として食べられることが多い食材です。石川県で郷土料理の定番となっているのが、マダラの身を一緒に使った「たらの子つけ」。昆布で締めてそぎ切りにしたマダラの身と大根やにんじんなどの根菜に、醤油で炒り煮したたらの子をまぶした料理で、梅干しを入れた純米酒を煮立たせて濾した「いり酒」を添えていただきます。

北海道では、「子和え」という料理でたらの子が使われます。つきこんにゃくや長ねぎをたらの子と一緒に醤油と砂糖、みりんで煮込む料理です。また、青森のお正月のごちそう料理となっているのが、「たらの子和え」。北海道の料理と名称が似ていますが、にんじんと高野豆腐、糸こんにゃくとたらの子を炒めてから酒で煮る料理で、具材や調理方法が異なります。

これらの郷土料理に限らず、たらの子は醤油や酒、みりんと煮込むシンプルな調理法でも簡単においしく味わえます。

市販品でも味わえるたらの子

 

たらの子を生の状態から調理するのは大変、という方は、市販の加工品から試してみてはいかがでしょうか。北陸地方で販売されている「たらの子の缶詰」は、甘めの醤油で煮たたらの子がそのまま缶詰になったものです。そのままでももちろん、紅生姜や卵黄などと一緒にごはんに乗せても楽しめます。その他にも、たらの子の加工品は醤油漬けや唐辛子漬けにしたものも販売されています。

これから旬を迎えるたらの子。地域によってはあまり馴染みのない食材かもしれませんが、各地の郷土料理を参考に、さまざまなレシピで旬の食材を楽しんでみましょう。