2021年11月12日
“食べる輸血”と呼ばれるほど、栄養豊富なビート(ビーツ)。見た目は赤いカブに似ていますが、実はホウレンソウと同じ仲間の野菜です。原産地は地中海沿岸地方といわれ、最近では日本国内での栽培も広がってきました。ビートの旬は6~7月と11~12月の2回。甘みが強く、煮込んだり生で食べたり、さまざまな料理に活用できます。今回は、ビートの栄養や健康効果、手軽な食べ方についてご紹介します。
“食べる輸血”と呼ばれるほど、栄養豊富なビート(ビーツ)。見た目は赤いカブに似ていますが、実はホウレンソウと同じ仲間の野菜です。原産地は地中海沿岸地方といわれ、最近では日本国内での栽培も広がってきました。ビートの旬は6~7月と11~12月の2回。甘みが強く、煮込んだり生で食べたり、さまざまな料理に活用できます。今回は、ビートの栄養や健康効果、手軽な食べ方についてご紹介します。
ビートは、砂糖の原料となる甜菜(てんさい)と同じ品種の野菜で、独特の甘みがあります。生のまま食べられますが、加熱することによって甘みがさらに増します。生だとシャキシャキとした歯ざわりを、煮たり焼いたりするとホクホクとした食感を楽しめます。
また、ビートは、ロシアの代表的な煮込み料理「ボルシチ」に欠かせない具材として知られています。ボルシチの真っ赤な色は、ビートの色素によるものです。
ビートに含まれる栄養素として多いのは、血圧の調整に役立つカリウムや、血液を作る働きを持つ鉄や葉酸など。また、ビートの色素はベタシアニンというポリフェノールの一種です。ベタシアニンには強力な抗酸化作用があり、体内の活性酸素を除去してくれるといわれています。ベタシアニンは水溶性の色素で、摂取しすぎると尿が赤くなることがありますが、体に害はないのでご安心を。
ビートの栄養素として特に注目が集まっているのが、食べると体内で産生される「NO(一酸化窒素)」です。一酸化窒素は、血管の筋肉をしなやかでやわらかい状態に保ったり、血流をスムーズにしたりするのに役立つため、脳卒中や心筋梗塞などの予防につながると考えられています。さらに、冷え性や肩こりの改善にも効果的だといわれています。
体内における「NO(一酸化窒素)」の働きについて3人の科学者が研究を行い、1998年にノーベル生理学・医学賞を受賞しました。ビートには硝酸塩(NO3)という成分が豊富に含まれ、体内で一酸化窒素に変化します。その健康効果が注目され、ビートはスーパーフードとして知られるようになったのです。
ビートという野菜の存在を知ってはいるものの、実際に食べたことがない方は多いのではないでしょうか。今回はビートそのものの味わいを楽しめる「生」で味わう食べ方をご紹介します。
きれいに洗ったビートを適当な大きさにカット。水(量はお好みで)と一緒にミキサーで攪拌します。ビートならではの土っぽい風味が気になる場合は、他のフルーツや野菜と組み合わせてみてください。特に、りんごやバナナ、トマトなどと相性がよく、飲みやすく仕上がります。
ビートの皮をむいて2ミリ程度の厚さにスライス。オリーブオイル、白ワインビネガーと和えていただきます。お好みでルッコラやクレソンなどの葉物を添えるのもおすすめ。ビートの鮮やかな赤色が葉物の緑色に映え、食欲をそそります。
栄養たっぷりで健康効果が期待できるビート。スーパーマーケットで見かけたらぜひ手に入れて、おいしく味わってみてください。