2021年10月22日

おみそ汁|黒豚の豚汁 肉も野菜も摂れるバランス食

全国の家庭で親しまれているおみそ汁であり、肌寒い季節にはもちろん、夏の暑い時期にもおいしい豚汁。特に肉質がやわらかくうま味が強い黒豚を使った豚汁は、味も栄養価も満足度の高い一品です。今回は、黒豚のルーツや魅力、豚汁をおすすめする理由、豚汁の具材の栄養などについてご紹介します。


 

全国の家庭で親しまれているおみそ汁であり、肌寒い季節にはもちろん、夏の暑い時期にもおいしい豚汁。特に肉質がやわらかくうま味が強い黒豚を使った豚汁は、味も栄養価も満足度の高い一品です。今回は、黒豚のルーツや魅力、豚汁をおすすめする理由、豚汁の具材の栄養などについてご紹介します。

普通の豚とは違う?「黒豚」とは?

画像提供:公益社団法人 鹿児島県観光連盟

 

ビタミンB群やたんぱく質を豊富に含む豚肉は、糖質の代謝を助けることから疲労回復の効果が期待できる、季節を問わず食べたい食材。豚肉のなかでも黒豚は、肉質がきめ細かくてやわらかく、アミノ酸の含有量が多いことから、うま味や甘みが強いといわれています。

黒豚の主産地は鹿児島県で、「かごしま黒豚」はブランド豚として全国的に有名です。そのルーツは古く、今から約400年前に薩摩藩主・島津家久により、琉球から鹿児島へ移入されたと伝わっています。明治時代初期には、イギリスから導入したバークシャーと交配することでさらに味と品質が向上。1960年代には黒豚ブームが起こりました。

高品質な黒豚は、白豚と比べると肥育期間が長く、産子数の少ない希少な品種で小柄なため、1頭から取れる肉の量が限られています。そのため黒豚の人気に供給が追い付かなくなり、1970年代には鹿児島県でも経済効率に勝る白豚が飼育されるようになりました。一時期、黒豚は絶滅の危機に瀕していたのです。

しかし、そのような状況下でも「量より質の時代が必ず来る」と信じた生産者や関係者は努力を重ね、黒豚の振興を進めました。その甲斐があって肥育農家数や頭数は回復し、「かごしま黒豚」のブランドが確立。今では国内外から高評価を得ています。また、現在「黒豚」と表示できる豚肉は、バークシャー純粋種に限ると定義されています。

黒豚のおいしい食べ方「豚汁」

 

豚の飼育頭数全国1位を誇る鹿児島県には、ぶつ切りにした豚の骨付き肉を大根やこんにゃくと煮込んだ「豚骨」、常備菜として作られている「肉味噌」など、豚肉と味噌を組み合わせた郷土料理が数多くあります。「豚汁」はそのひとつで、名産の黒豚と麦味噌が使われているのが特徴です。

温暖な気候に恵まれた鹿児島県をはじめ九州地方では、古くから稲作の裏作として麦が栽培され、麦味噌の生産が盛ん。味噌は大豆に米麹と塩を合わせて作るのが一般的ですが、九州地方では麦麹を使った麦味噌が親しまれています。

麦味噌は、米味噌に比べ大豆に対する麹の割合が多いので、甘みが強く麦ならではの香りも豊か。塩分が少なく、食物繊維やミネラル、カリウム、カルシウム、鉄分が豊富に含まれています。麦味噌のやさしい香りの汁に、黒豚ならではのうま味や甘み、野菜のだしが溶け込んで、おいしくいただけます。

野菜もたっぷり摂れる!豚汁の栄養

 

野菜たっぷりの豚汁は、汁ごと食べられるので栄養素を逃さず摂れるのが魅力。汁物や副菜としてはもちろん、具だくさんにすれば主菜にもなる、救世主のような一品です。

βカロテンたっぷりの「にんじん」

にんじんのオレンジ色はβカロテンの色素の色。にんじんは緑黄色野菜のなかでも群を抜いてβカロテンが豊富です。βカロテンは体内で、皮膚や粘膜を健全に保ったり、免疫力を高めたりする働きがあるビタミンAに変わります。また、にんじんのβカロテンは皮に多く含まれているので、皮は薄めにむいて使うのがおすすめです。

食物繊維が豊富な「ごぼう」

日本原産の野菜、ごぼう。水分が少なく、鉄分をはじめとするミネラルが豊富で、体を冷やさない野菜といわれています。食物繊維の含有量が多く、便秘の解消や整腸作用などに効果が期待できます。また、体が酸化するのを防ぐ働きがある、ポリフェノールをたっぷり摂ることができます。

消化を助ける「大根」

大根は、アラミーゼやリパーゼなどの消化酵素を含み、消化を助けてくれます。食物繊維も豊富で、腸内環境の改善やデトックス効果が期待できます。大根は葉にもビタミンCやβカロテンなどの栄養素が含まれるので、みそ汁の具材にするとよいでしょう。

動脈硬化を防ぐといわれる「しいたけ」

中国では古くから「不老長寿の妙薬」と呼ばれ、珍重されてきたしいたけ。その栄養素で特徴的なのは、エリタデニンというしいたけ固有の成分。血中コレステロールを低下させる作用があるとされ、動脈硬化などの病気を防ぐ効果が期待できます。

ひと雨ごとに秋が深まるこの頃。黒豚のうま味と野菜のだしや栄養がしみた豚汁を、食卓の一品にいかがでしょうか。時間がない時は、お湯を注ぐだけで食べられる即席みそ汁を食事に取り入れるのもよいでしょう。世田谷自然食品のフリーズドライみそ汁「具だくさん汁3種セット」は、厳選素材と素材を生かした味つけで満足感がある一杯。黒豚の豚汁も気軽に味わえますよ。