2021年09月17日

健康メニュー|アカムツ(のどぐろ) 脂のうまさで人気者に

アカムツをご存じない方でも、「のどぐろ」といわれれば、一度は耳にしたことがあるかもしれません。実は、もともとそれほど注目されない魚だったのが、今や知る人ぞ知る高級魚に……という、ちょっと変わった由来のある魚なのです。今回は、アカムツ(のどぐろ)の概要や、おすすめの食べ方についてご紹介します。


 

アカムツをご存じない方でも、「のどぐろ」といわれれば、一度は耳にしたことがあるかもしれません。実は、もともとそれほど注目されない魚だったのが、今や知る人ぞ知る高級魚に……という、ちょっと変わった由来のある魚なのです。今回は、アカムツ(のどぐろ)の概要や、おすすめの食べ方についてご紹介します。

アカムツ(のどぐろ)とは?

体色が赤いので「アカムツ」、喉の奥が黒いので「のどぐろ」

アカムツ(のどぐろ)は、福島県・新潟県以南の水深のやや深いところに広く生息する魚です。なかでも、新潟県や島根県など日本海側の地域の名物として知られています。大きな目と口が特徴で、「アカムツ」の名は体色が赤いことに由来し、「のどぐろ」の別名は、口のなか、特に喉の奥が黒いことに由来しているといわれます。

近年人気が出始めた「新しい高級魚」

従来はあまり人気のない魚だった

昭和のなかごろまでは、アカムツは今ほど人気の魚ではありませんでした。しかし近年は、脂の乗りがよく、うま味が濃いことから、タイやフグとも並ぶほどの高級魚ともてはやされています。大型のアカムツは特に高値で取引されるのだとか。年間を通して食べられている魚ですが、「秋のアカムツは最も脂の乗りがいい」とも、「産卵を控えた冬から春がおいしい」ともいわれます。

DHAやEPAが豊富で、ビタミンB1&B2、カリウム、カルシウムも多い

魚の脂には、脳の働きを活性化するDHA、血中コレステロール値を下げるEPAといった不飽和脂肪酸がたっぷり。脂乗りのいいアカムツにも、もちろん豊富に含まれています。
また、疲労回復を助けるビタミンB1、お肌を健やかに保つビタミンB2、体内の余分な塩分を排出するカリウム、骨を健やかに保つカルシウムなども多く、栄養面でも見逃せない食材なのです。

アカムツを味わってみよう

触って硬く、背の赤色が鮮やかなものがよし

アカムツも一般的な魚と同じように、触ったときに硬く、目が澄んでいるものが新鮮だといわれます。背の赤色が鮮やかで、腹が白いものならなおよいでしょう。

鱗のはげたアカムツは脂の乗った特上品かも?

実は、鱗がはげて白っぽくなった、一見あまりきれいでないアカムツも見逃せません。鱗がはげているアカムツは、底引き網によって海底の泥場にいるところを捕まえたものだといわれます。泥場はアカムツのエサとなる甲殻類が豊富なため、よりいっそう脂の乗ったアカムツが多いのです。

焼魚、煮魚などで食べるのが定番

 

高級魚といえば「まずは刺身」という方も多いかもしれませんが、アカムツは焼魚や煮魚でもよく食べられています。たっぷりの塩で塩焼きにして、さらりとした甘い脂の味を楽しむもよし、煮つけでふわふわに仕上がった白身を味わうのもおすすめです。ほかに干物や唐揚げ、しゃぶしゃぶなどでも食べられているようです。

刺身は「松笠造り(松皮造り、焼き霜造り)」が有名

アカムツは皮と身の間の脂が特においしいといわれ、刺身での食べ方は、皮を残す「松笠造り(松皮造り、焼き霜造り)」がよく知られています。皮の上からサッと熱湯をかけ、氷水でしめる「湯引き」を施してから身を切り分けるというものです。また、皮目を火でサッと炙る食べ方も人気です。

姿も味も、そして見分け方までとても個性的なアカムツ。その上品な脂の味わいは「白身のトロ」とも称されています。人気が増すとともに、飲食店での取り扱いや通信販売なども増えてきていますから、ぜひ一度味わってみてはいかがでしょうか。