2021年08月13日

健康習慣|外耳炎が増加中! イヤホンの長時間利用に注意

音楽やテレビ、ラジオの音声を聴く時に使用されることが多いイヤホン。最近はテレワークなどが増えた影響で、自宅でイヤホンを使う機会も増えたのではないでしょうか。そんななか、イヤホンの使用時間が長くなったことで耳の病気に悩まされる方も増えているといいます。今回は、イヤホンの使用で起こり得る病気「外耳炎(外耳道炎)」の原因と予防方法についてご紹介します。


音楽やテレビ、ラジオの音声を聴く時に使用されることが多いイヤホン。最近はテレワークなどが増えた影響で、自宅でイヤホンを使う機会も増えたのではないでしょうか。そんななか、イヤホンの使用時間が長くなったことで耳の病気に悩まされる方も増えているといいます。今回は、イヤホンの使用で起こり得る病気「外耳炎(外耳道炎)」の原因と予防方法についてご紹介します。

 

なぜイヤホンが原因に? 外耳炎の原因と症状とは

 

「外耳道炎」とも呼ばれる外耳炎とは、耳の穴から鼓膜までの間の「外耳道」という部分に炎症が起こる病気です。外耳道の薄い皮膚は、少しの刺激でも皮膚が傷ついたりしやすくなっています。そこに細菌が感染すると炎症が起き、外耳炎の原因となります。

最近は、さまざまな形状があるイヤホンのなかでも、フィット感があり外れにくい、耳のなかに入れるタイプを使う方が増えています。このようなタイプは、外耳道とイヤホンが長時間触れることで耳の内部に傷がつきやすいため、外耳炎を起こす方が増えているというわけです。

外耳炎の初期症状は、耳のなかのかゆみや軽い痛み、違和感程度です。しかし、症状が進行すると痛みやかゆみが強くなるばかりではなく、外耳道の腫れや聞こえの悪さ、外耳道や鼓膜にカビが生える「外耳道真菌症」を引き起こすことがあります。外耳道真菌症まで進行してしまうと完治に時間がかかってしまうため、外耳炎は決して軽視できない病気といえるでしょう。

長時間使用するためのイヤホンを選ぶポイント

 

外耳炎から耳を守るには、できるだけ長時間のイヤホン利用を避けることが推奨されます。とはいえ、仕事などでイヤホンを使い続けなければならないケースもあるでしょう。そんな時は、使用するイヤホンを変えてみるのも1つの方法です。

最も外耳炎のリスクが高いのは、前述のように直接外耳道に接するタイプのイヤホンです。なかでも、耳に挿入して使用する「カナル型イヤホン」は外耳道を塞いでしまう形状なので、使用中に外耳道に傷をつける可能性があります。外耳炎予防には、密着度が低く耳を傷つけない柔らかい素材でできていて、耳の浅い場所に着用する「インナーイヤー型」や、骨の振動で音を伝える「骨伝導イヤホン」がおすすめです。どうしてもカナル型イヤホンを使いたい場合は、短時間の使用に留めるとよいでしょう。

イヤホン以外でも気をつけたい 外耳炎の予防方法

 

イヤホンの使用以外に、外耳炎を予防するために覚えておきたいのが「耳掃除」です。綿棒や耳かきを使って耳の奥まで掃除をする人は少なくありませんが、これが外耳道を傷つける可能性があるのです。

そもそも外耳道には自浄作用があり、耳掃除をしなくても耳垢は自然に排出されます。耳掃除をすると、外耳道に傷がつくだけではなく、耳垢がさらに奥へ押し込められることもあるため、逆効果になることも。特に、お風呂上がりに綿棒を使って耳のなかの水分を取り除くのは要注意です。お風呂上がりの外耳道の皮膚は柔らかくなっており、そこに綿棒で耳掃除をしてしまうと、余計に傷がつきやすく、細菌感染のリスクも高まります。自浄作用がある外耳道の耳掃除は、頻繁にする必要はありません。耳掃除をするなら月1回程度に留めること、耳の穴から1センチほどの部分を拭き取る程度で十分です。

生活スタイルの変化により、自宅でイヤホンを使うことが増えた方も多いことでしょう。そんな変化が、思わぬ耳の病気の原因になることもあります。テレワークや音楽鑑賞の際は、適切な方法でイヤホンを使いましょう。