2021年06月21日

健康習慣|老眼鏡とリーディンググラスとルーペ、どう違うの?

手元を見るメガネは、老眼鏡やリーディンググラス、ルーペなどさまざまな呼ばれ方をしますが、どう違うのでしょうか?今回は、それぞれの使い方や、自分に合った選び方などをご紹介します。


 

手元を見るメガネは、老眼鏡やリーディンググラス、ルーペなどさまざまな呼ばれ方をしますが、どう違うのでしょうか?今回は、それぞれの使い方や、自分に合った選び方などをご紹介します。

老眼鏡(リーディンググラス)とは?

 

老眼とは老化現象のひとつで、年齢とともに近くの小さなものが見にくくなる症状のことをいいます。目の中には水晶体というカメラのレンズのような役割をする組織があり、水晶体は周りにある毛様体筋(もうようたいきん)によって厚みを変えることで見るものにピントを合わせています。しかし、老化により水晶体の柔軟性が失われると、毛様体筋の筋力も低下するため、ピントの調節がうまくいかなくなると考えられています。

老眼鏡はその名前の通り、老眼によってピントが合いづらくなった目の機能を補助するメガネのこと。英語では、本を読む時に使うメガネというニュアンスから、リーディンググラス(reading glasses)といいます。

老眼鏡は目のピント機能をサポートするために使う

老眼鏡は、目の見え方の状態や、見たい距離に合わせてレンズの度数を選びます。そのため、生活スタイルや用途によって使うべきレンズが異なります。度数は「+1.0」や「+2.5」といった段階があり、数字が大きいほど矯正力が強くなります。

さまざまな種類のレンズがある

老眼鏡には、近くだけにピントが合う「近用レンズ」や、手元から2~3メートルほどまでの視野を確保できる「中近両用レンズ」、近くから遠くまでひとつのメガネで見ることができる「遠近両用レンズ」など、さまざまな種類のレンズがあります。近用レンズと中近両用レンズは見える範囲が狭いため、室内での使用に適していると考えられます。室内でも屋外でも同じメガネを使いたい方には、遠近両用レンズがおすすめといえるでしょう。

老眼の症状を感じたら老眼鏡の検討を

老眼の症状があるにもかかわらず、見えないのを我慢していると、ピントを合わせようとして目が疲れたり、視力低下につながったりすることがあるといわれています。老眼鏡に抵抗を感じる方もいるかもしれませんが、早めに適切な対処を行いましょう。

ルーペ(拡大鏡)とは?

 

ルーペは拡大鏡とも呼ばれ、手の届く程度の範囲を拡大して見る道具を指します。凸レンズ(中央部が厚く周辺部が薄いレンズ)が使われていることが多く、焦点距離より近くにあるものを大きく見ることができます。メガネ型のほか、手持ち型やスタンド型などのタイプがあります。

ルーペは小さいものを大きく見るために使う

ルーペは、小さいものや細かいものを、より大きく、はっきりと見たい時に使います。単純に対象物を拡大して見せるだけで、視力や老眼を矯正する機能はないため、年齢や老眼の有無を問わず使えます。また、メガネ型ルーペの多くは、コンタクトレンズや近視用メガネ、老眼鏡に重ねて着けられます。両手が自由になるので、本や新聞を読む時、手元を使う細かな作業をする時に適しています。

日常的にかけ続けるのは危険

前述の通り、ルーペは一時的に対象物を拡大して見ることのみを目的としており、焦点距離より遠くにあるものは見えにくくなります。そのため、日常的にかけ続けることや離れた距離のものを見ることには向きません。間違った使い方をすると、見え方に異常が生じて気分が悪くなったり、目が痛くなったりすることがありますので注意してください。

自分に合う老眼鏡やルーペはどうやって選ぶ?

 

眼科や専門店で相談するのがベスト

老眼鏡を作る場合、眼科や専門店で視力測定をしたうえで、自分の目の状態に合った度数の老眼鏡を処方してもらうのがよいとされます。左右で必要な度数が異なる場合や、近視や遠視、乱視といったほかの症状が影響している場合など、適切なアドバイスをしてもらえるでしょう。

度数が合っていないと眼精疲労につながり、肩こりや頭痛などの不快な症状を感じる場合もあるようです。また、老眼がはじまると、ある程度の年齢までは進行するといわれているため、一度老眼鏡を作ったら定期的にメンテナンスを行うのがおすすめです。

既製品はサブ用として使おう

100円ショップや雑貨店で、既製品の老眼鏡や拡大鏡が販売されているのを見たことがあるかもしれません。これらは手軽に使えるのが魅力ですが、左右が同じ度数で作られているため目に合わない可能性があります。また、形が骨格にフィットしない場合も。日常的な使用には向かないため、サブ用として備えるのがよいでしょう。

老眼は誰にでも起こりうるもの。思うように手元が見えないと、不便なだけでなく日常生活に支障をきたすことがあります。自分の目に合った老眼鏡やルーペを選び、快適に過ごしたいですね。