2020年12月28日

健康習慣|エコノミークラス症候群を防ごう

長時間座って脚を動かさない状態でいると起こる、エコノミークラス症候群。場合によっては命に関わることもあります。航空機などで起こるものと思われていますが、実は在宅勤務や災害時の避難所などで座りっぱなしの状態も要注意。今回は、エコノミークラス症候群の概要と、予防のためにすぐに取り組める対策を紹介します。 世田谷自然食品がお届けする、健やかで楽しい人生を応援するライフスタイル情報サイト。


 

長時間座って脚を動かさない状態でいると起こる、エコノミークラス症候群。場合によっては命に関わることもあります。航空機などで起こるものと思われていますが、実は在宅勤務や災害時の避難所などで座りっぱなしの状態も要注意。今回は、エコノミークラス症候群の概要と、予防のためにすぐに取り組める対策を紹介します。

エコノミークラス症候群はなぜ起こる

脚にできた血栓が肺まで流れ着き、動脈をふさいでしまう

「エコノミークラス症候群」は、正しくは「肺血栓塞栓症(はいけっせんそくせんしょう)」といい、肺の動脈が血液の塊である血栓によってふさがれてしまう病気です。
長時間座った状態で脚(足首から骨盤まで)を動かさずにいると、脚の血行が悪化し、静脈に血栓ができやすくなります。その血栓が血流にのって肺まで届き、動脈をふさいでしまうのです。

エコノミークラス症候群の兆候は

脚の静脈が血栓でふさがれると、脚のむくみや腫れ、痛みが見られるようになります。そして肺の動脈がふさがれると、胸痛や息切れ、呼吸困難が起こってきます。こうした兆候がある場合は、できるだけ早く病院を受診するようにしましょう。また、突然強い胸痛が起こったり、安静にしているのに呼吸困難になったりするようであれば、救急要請を頼むようにしましょう。

航空機だけでなく、自動車や避難所、在宅勤務にもリスクが

自動車、在宅勤務、避難所などでも注意が必要

エコノミークラス症候群の原因には、「長時間同じ姿勢でい続けることによって血栓ができやすくなる」ことと、「体内の水分不足によって血液がドロドロになり、血栓ができやすくなる」ことが挙げられます。「エコノミークラス~」という名前から、航空機内が連想されがちですが、自動車を長時間運転し続けることや、最近増えている在宅でのデスクワークなどもそのような状態になりがちです。また、避難所の狭いスペースで座り続け、トイレを我慢するために水分も控えていた……といったことでもエコノミークラス症候群は起こりやすくなります。

生活習慣病、喫煙、高齢、妊娠などもリスク要因に

姿勢や水分不足以外にも、エコノミークラス症候群のリスクが高まる要因があります。例えば、生活習慣病をお持ちの方は動脈硬化が進んでいることが多いため、血栓ができやすくなります。また、喫煙者、高齢者、妊娠中の方や経口避妊薬を飲んでいる方なども高リスクです。ちなみに、短期間に「長時間同じ姿勢でい続ける機会」が複数あった人、大きな手術を受けたばかりの人なども、リスクが高まります。

エコノミークラス症候群を防ぐには

水分補給をこまめに、カフェインやアルコールを控えて

水分不足を防ぐには、自ら水分補給をすることが欠かせません。一度に大量に飲んでも排出されてしまいますから、こまめに分けて飲むことがポイントです。また、お茶やコーヒーなどはカフェインが、お酒はアルコールが水分を体外へ排出させてしまいます。水分補給には適さないので、気をつけましょう。

歩行やマッサージなどで体を動かすように心がける

 

同じ姿勢で長時間い続けないよう、こまめに体を動かすことも重要です。散歩や体操ができれば望ましいですが、廊下や階段を歩いたり、その場で足踏みをしたりするのでもいいでしょう。軽いストレッチもおすすめです。座り続けなければならないときは、ときどき足の指を動かしたり、ふくらはぎのマッサージをしたりすると、血行が促されます。

締め付けられる服装ではなく、ゆったりした服に

ぴったりしていてあまり伸びないような、体が締め付けられる服で座り続けると、血行が滞りやすくなってしまいます。長時間座り続けるときは、意識してゆったりとした服装を選び、血行を妨げることがないようにしましょう。

エコノミークラス症候群は、自分たちでできる身近な対策で、リスクを減らすことができる病気です。水分補給も、体を動かす方法も「こまめ」に取り組むことがポイントになります。仕事や家事、趣味などに没頭しやすい方は、家族と声を掛け合ったり、アラームを使ったりして、こまめに脚を動かすよう工夫してみてくださいね。