2017年03月02日

散策|情緒あふれる水の都・柳川市(福岡県) どんこ舟で川下り、雛祭りさげもんめぐりも!

福岡市街から車で1時間ほどの柳川は、詩情あふれる水の都。城下町をめぐる掘割は、慶長(1569年~)のころから生活水のほか、水路として人々の暮らしを支えてきました。どんこ舟で揺られてゆけば、今なお残る城下町の風情が堪能できます。また、毎年2月上旬~4月上旬は柳川の雛祭り。この時期には福岡独自の飾り「さげもん」があちらこちらで見られます。


福岡市街から車で1時間ほどの柳川は、詩情あふれる水の都。城下町をめぐる掘割は、慶長(1569年~)のころから生活水のほか、水路として人々の暮らしを支えてきました。どんこ舟で揺られてゆけば、今なお残る城下町の風情が堪能できます。また、毎年2月上旬~4月上旬は柳川の雛祭り。この時期には福岡独自の飾り「さげもん」があちらこちらで見られます。(画像は「おひな様水上パレード」)

 

オススメ散策ルート

お堀めぐり乗船場

どんこ舟で約1時間10分
柳川藩主立花邸 御花(おはな)

徒歩約4分
北原白秋生家・北原白秋記念館

徒歩約4分
旧戸島家住宅

徒歩約9分(0.7km)
※乗船時間・乗船距離を除く

柳川雛祭り さげもんめぐり

 

色とりどりの「さげもん」を飾る柳川の雛祭り。江戸時代末期ごろ、着物の端切れを使って小物を作り、女の子の初節句を祝ったことが、さげもんの始まりとされています。

さげもんとは、紅白の布を巻いた竹の輪に、小物を7個7列で合計49個、加えて中央に柳川まりを2個さげて、合計51個の飾りがついたもの。(上の写真内、中央部分にある飾り)
51の数は、人生50年といわれていた時代に、1年でも長生きしてほしいという親の切なる願いが込められているのだそう。鶴や亀、エビなど縁起物をはじめ、ひよこや桜、梅などのかわいらしい小物たちを眺めていると、あっという間に時間が過ぎてしまいます。

 

「柳川雛祭り さげもんめぐり」の期間中は、さまざまな場所で雛飾りやさげもんを鑑賞できます。もちろん今回の散策コースでも見られるので、ぜひ訪れてみてくださいね。

2017年 柳川雛祭り さげもんめぐり
開催期間:2月11日(祝・土)~4月3日(月)
開催場所:各所にて(詳細は「柳川雛祭り さげもんめぐり」公式HPをご確認ください)

どんこ舟に乗って、ゆったり柳川「お堀めぐり」

 

柳川を訪れたら外せないのが、柳川名物の舟遊び。西鉄柳川駅から徒歩5分ほどの距離に数ヵ所の乗船場が点在していて、それぞれの乗船場から「柳川藩主立花邸 御花」がある終点まで、およそ4kmを1時間10分で巡ります。

船頭さんの鮮やかな竿さばきで案内される城下町は、陸からとはまた違う趣。川下りの途中には、甘酒などを売る水上売店があります。方言まじりの口上を聞きながら景観を眺め、ゆったり流れる時間を楽しんでみてください。

柳川藩主立花邸 御花

 

掘割を囲む7000坪の広大な敷地全体が、国指定名勝の「立花氏庭園」。江戸時代に柳川藩主別邸があった地に、立花伯爵が明治時代につくった「西洋館」「大広間」などの邸宅と、日本庭園「松濤園(しょうとうえん)」が当時のまま残っています。

「松濤園」を眺めながらうなぎのセイロ蒸しなどの柳川郷土料理をいただけるレストランや、蜜柑搾り(みかんジュース)や和スイーツが楽しめるカフェなどを併設。食事をしながら水上のお堀めぐりの感想を語り合うのも素敵ですね。

また、御花では「さげもんめぐり」のお祭り期間中、御花本館の「御役間」やホテルロビーなど「さげもん」が所狭しと飾られています。

北原白秋生家・記念館

 

「この道」「待ちぼうけ」「雨ふり」など耳に残る数々の童謡を生み出した、昭和を代表する詩人・北原白秋。柳川でも一二を争う酒造業を営む旧家に生まれ、19歳までの年月をこの生家で過ごしました。記念館で購入できる詩集「思ひ出(復刻版)」には、幼少期を過ごした柳川が記されています。
白秋の遺品や原稿、柳川の民族資料を展示する記念館、明治期の豪商の様子を今に伝える母屋など、白秋の感性を育てた柳川の魅力を楽しめるスポットです。

「さげもんめぐり」のお祭り期間中は、座敷に雛壇と「さげもん」を多数展示。記念館1階にある「白秋さげもん」は、「赤い鳥、青い鳥、からたちの花、かに」など白秋の作品にちなんだ、ここでしかお目にかかれないさげもんです。

住所:福岡県柳川市沖端町55-1
開館時間:9:00~17:00
休館日:12月30日~1月1日
料金:大人500円 / 子ども250円 / 学生450円

旧戸島家住宅

 

旧戸島家住宅は柳川藩士の隠居後の住処として建てられ、後に藩主に献上されて藩の茶室として利用されたといわれています。
庭園には掘割から水を引き入れた池があり、潮の満ち干きで水位が変化するユニークな作り。建物は数寄屋風の意匠が随所に見られ、歴史と趣を感じる空間です。
柳川地方の武家住宅の典型例として建物と庭園が福岡県の文化財に指定され、また、庭園は国の名勝にも指定されています。

「さげもんめぐり」のお祭り期間中は、見事な雛壇とさげもんを鑑賞できます。

住所:福岡県柳川市鬼童町49-3
開館時間:9:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日:毎週火曜日(火曜日が祝日の場合はその次の日)
年末(12月29日~1月3日)
観覧料:一般(小学生以上)100円
※北原白秋生家入館者は無料(受付でチケットを提示)

城下町と水利で栄え、今なお独特な風情が残る柳川は、日常と少しだけ違う空間に迷い込んだような、静かで情緒ある街。雛祭りの期間中は、その街並みがさげもんで華やかに彩られます。さげもんは商店街などあちこちに見つけられるので、探しながら歩いてみるのも楽しいですよ。

※掲載されている情報は平成29年1月現在のものです。