熱した瓦に茶そばと具を載せて、あたたかいそばつゆで食べる瓦そば。川棚温泉のある山口県下関市の郷土料理で、山口県全体で親しまれています。彩りが美しく食べる場所で味と食感が変化する、目にも舌にも楽しい一品。今回は瓦そばの由来や食べ方、家庭での作り方をご紹介します。
2020年07月06日
熱した瓦に茶そばと具を載せて、あたたかいそばつゆで食べる瓦そば。川棚温泉のある山口県下関市の郷土料理で、山口県全体で親しまれています。彩りが美しく食べる場所で味と食感が変化する、目にも舌にも楽しい一品。今回は瓦そばの由来や食べ方、家庭での作り方をご紹介します。
熱した瓦に茶そばと具を載せて、あたたかいそばつゆで食べる瓦そば。川棚温泉のある山口県下関市の郷土料理で、山口県全体で親しまれています。彩りが美しく食べる場所で味と食感が変化する、目にも舌にも楽しい一品。今回は瓦そばの由来や食べ方、家庭での作り方をご紹介します。
画像提供:山口県観光連盟
瓦そばの誕生は昭和37年で、山口県下関市の川棚温泉そばにある「元祖 瓦そば たかせ」が発祥です。黒い瓦に緑の茶そば、錦糸卵に牛肉のしぐれ煮、ネギに海苔、レモンに紅葉おろしと、目にも楽しい郷土料理です。
西南戦争の際、薩摩軍では合戦の合間に瓦を焼いて、その上で肉や野草を食べていたという話にヒントを得て、熱された瓦に炒めた茶そばを載せ、あたたかいつゆで食べる瓦そばが考案されました。試作時にはうどんや日本そばなども試しましたが、茶そばは焼くことで香ばしいお茶の香りが立ち、錦糸卵や甘辛く煮た牛肉の風味にも負けないことから茶そばが選ばれています。
川棚温泉は長府藩毛利家の御殿湯でした。早くから藁葺き(わらぶき)・茅葺き(かやぶき)ではなく瓦葺きの屋根が使われており、瓦が身近な土地だからこそ生まれた郷土料理といえます。また、瓦は保温性に優れているので、熱した瓦に載せた茶そばは時間が経ってもなかなか冷めません。
瓦そばで使用する瓦はとても大きく、1つの瓦で3人前は載せることができます。熱々の瓦の温度はなんと300℃近く。炒めた茶そばを瓦の上に載せることで、上はふわふわ、下はカリカリのおこげ状になり、2つの食感が一度に楽しめるようになっています。
本場の瓦そばは、川棚温泉や県内の郷土料理店で食べられます。そのほか、全国にある山口県の郷土料理店でも提供しているところがあるので、見かけたらぜひ召し上がってみてください。
画像提供:山口県観光連盟
それでは、瓦そばのおいしい食べ方をご紹介します。
まずは茶そばだけをあたたかいそばつゆに入れ、茶そばの香りを楽しみます。少し食べたところで、錦糸卵と甘辛く煮た牛肉もつゆに入れると、あまじょっぱくて濃厚なおいしさが広がります。そのあと、そばつゆにレモンと紅葉おろしを投入して味を変えてみましょう。爽やかな酸味とピリッとした辛さで、また違った魅力が楽しめます。最後は瓦の熱でカリカリになった茶そばを。最後まで飽きずにぺろっと食べられます。
川棚温泉にも名物をと考案された瓦そばは、川棚温泉の周囲のスーパーでは、茶そばにそばつゆ、紅葉おろしなどが並ぶ「瓦そばコーナー」があるほど親しまれている郷土料理。今や下関だけでなく山口県全体で親しまれ、家庭ではフライパンやホットプレートを使って瓦そばを楽しんでいます。ご家庭で作れる「フライパン瓦そば」のレシピをご紹介します。
郷土料理といえば豊富に採れる地産の食材を利用したものが多いなか、瓦そばは「瓦」に由来があるという点でも珍しい一品。食卓にフライパンごと出して、豪快な瓦そばらしさを演出してもよいでしょう。ホットプレートでたっぷり作れば、おもてなし料理としてもぴったりです。
画像提供:山口県観光連盟