2020年06月12日
夏の葉野菜として徐々に注目されてきている、つるむらさき。実は、冬に旬を迎えるあの葉野菜と、食べ方や栄養素がよく似ているのです。今回は、つるむらさきの栄養やおすすめの食べ方についてご紹介します。
夏の葉野菜として徐々に注目されてきている、つるむらさき。実は、冬に旬を迎えるあの葉野菜と、食べ方や栄養素がよく似ているのです。今回は、つるむらさきの栄養やおすすめの食べ方についてご紹介します。
つるむらさきは中国南部から東南アジアにかけて古くから栽培されている葉野菜で、「インドのほうれん草」ともいわれます。もともとの品種は名前の通り茎が紫がかっているのですが、現在では写真のように全体が緑色の品種がよく見られます。旬の時期は6月から8月にかけてで、いわゆる夏野菜のひとつです。
インドのほうれん草といわれるだけあって、つるむらさきも栄養豊富な野菜です。ほうれん草と同じで、血液を健やかにする鉄分がたっぷり。抗酸化作用に優れたβカロテンやビタミンC、疲労回復を助けるビタミンB2に加えて、体内の余分な塩分を排出するカリウムも多く含んでいます。
つるむらさきを食べてみて、シャキッとした見た目からはイメージできない独特のねばり気に驚いた方もいるのではないでしょうか。実はモロヘイヤやオクラなどと同じねばり成分を含む、いわゆるねばねば野菜の一種でもあるのです。
つるむらさきはとれたての若い葉であれば生食できないこともないのですが、アクがあるので加熱調理するのが一般的です。定番のメニューはおひたしや和え物。かさが減って一度にたっぷり食べられますから、栄養面でもうれしい食べ方です。ただし、ゆで過ぎるとビタミンCなどがゆで汁に溶け出してしまいますので、サッとゆでたり、電子レンジで蒸したりするのがおすすめです。
つるむらさきのシャキッとした食感は、炒め物やパスタにもぴったり。つるむらさきのβカロテンは油と一緒に摂ると吸収されやすくなりますから、油炒めやオリーブオイルを使ったパスタなどで効率よく栄養を摂るのがおすすめです。
つるむらさきに多く含まれるβカロテンには視力や目の角膜を健やかに保つ働きがあり、乳製品はその吸収を助けてくれます。さらにつるむらさきは疲労回復や目の充血を改善するビタミンB2も豊富なので、疲れ目をカバーするのにぴったりなのです。クリームパスタやチーズグラタンなどは、彩りもよくおすすめです。
つるむらさきも味噌も、血液を健やかにする鉄分が豊富な食材です。つるむらさきは鉄分の吸収を助けるビタミンCもたっぷり含んでいますから、相乗効果が期待できます。またつるむらさきのビタミンB2は、味噌に多く含まれ、脳の働きを活性化するグルタミン酸の吸収率を高めてくれます。つるむらさきのねばねばで汁にとろみが出るので、体があたたまりやすく、夏バテ対策にぴったりなところもポイントです。
つるむらさきなど、植物性食材に含まれている鉄分は、レバーなどの動物性食材に含まれる鉄分より吸収されにくいとされます。しかし、動物性たんぱく質を一緒に摂ることで、鉄分の吸収率を高めることができます。たんぱく質に加えて鉄分も多く含まれる牛肉やカツオなどは、おすすめの食材です。
ほうれん草の仲間ということもあって、食べ方や組み合わせたい食材もほうれん草と共通点が多いつるむらさき。まだまだ目新しい野菜ではありますが、案外取り入れやすいと感じた方も多いのではないでしょうか。この記事を参考に、ぜひいろいろなつるむらさきの食べ方に挑戦してみてください。