2016年12月16日

温泉|さがら子生れ温泉会館(静岡県) 遠州七不思議の名前を冠する「子授け」「安産」の湯

さがら子生れ温泉会館は、遠州(えんしゅう)七不思議に数えられる「子生れ石」のそばにある公設の民営温泉会館。『子授けの湯』『安産の湯』として、古くから地元の人々に親しまれています。「子生れ石」は隣接する曹洞宗の大興寺(だいこうじ)に祀られており、子授け・安産・長寿の縁起のよい石とされています。


さがら子生れ温泉会館は、遠州(えんしゅう)七不思議に数えられる「子生れ石」のそばにある公設の民営温泉会館。『子授けの湯』『安産の湯』として、古くから地元の人々に親しまれています。「子生れ石」は隣接する曹洞宗の大興寺(だいこうじ)に祀られており、子授け・安産・長寿の縁起のよい石とされています。

 

100%源泉掛け流しが自慢、体の芯まであたたまる塩化物泉

 

男女別の内風呂と露天風呂は、加水なしの源泉100%掛け流し。地下1200mから湧き出る温泉が、湯船をたっぷりと満たしています。泉質は湯冷めしにくい塩化物泉(えんかぶつせん)で、殺菌力に優れ、痛みをやわらげる鎮静効果、神経痛・関節痛・冷え性・慢性婦人病・疲労回復・健康促進などに効能があるといわれています。貸し切りできる家族風呂には手すりと休憩用のテラスが設けられており、ゆったりとこの名泉を堪能できます。(有料、入館料は別途必要)

 

温泉以外にも、無料の休憩室、個室休憩室のほか、日ごろの疲れをほぐす手もみ処(マッサージ施設)、静岡名物の「黒はんぺん」、地場物産品売店のほか、「信州そば」などがいただけるお食事処など、各種施設が揃っており、日帰り施設でありながらのんびり過ごせる環境が整っています。
※無料休憩室以外は有料で、別途入館料がかかります。

入館料:大人(中学生以上)4時間500円、1日券1,000円
子ども(3歳~小学6年生)4時間300円、1日券600円
3歳未満 無料
休館日:第2火曜日、12月31日、1月1日
※設備点検のため、臨時休館する場合があります。
営業時間:10:00~22:00

遠州七不思議のひとつ「子生れ石」

 

施設の名前にもなっている「子生れ石」は、お隣の大興寺の崖で見られる不思議な丸い石のこと。崖から石がころりと落下する様子が、まるで子どもが生まれ出るかのようであるため「子生れ石」と呼ばれています。

事の起こりは初代住職の頃までさかのぼります。初代住職は90歳を超える高齢で大往生しましたが、その際「自分の身代わりに裏山より石が生まれるだろう」と予言し、往生の直後、裏山の崖から落下したまゆ型の石が見つかりました。
それ以来、住職が亡くなる前には必ず崖から石が生まれるとされ、この不思議な現象は遠州七不思議のひとつに数えられています。そして、29代にいたる今日まで、全てこの石を墓標としているのです。この逸話と、代々の住職がみな長寿であることから「子生れ石」は別名「長寿の石」とも呼ばれています。

「子生れ石」で作った歴代住職の墓石「無縫石(むほうせき)」は、お参りへ行けばすぐに見つけることができるでしょう。まゆ型やひょうたん型の苔むした石が並ぶ光景は、なんともいえない不思議な気持ちにさせてくれます。
また、裏山へ行ってみると、丸い石が崖から突き出ているのをいくつも確認できます。

湯冷めしにくい温泉は、地元では「痛いところ、悪いところにあてると効く」といわれています。最初に大興寺にお参りして「子生れ石」をじっくり観察、その後にさがら子生れ温泉会館へ立ち寄るのがおすすめルート。静岡の七不思議を回りながら、散策の疲れは地元の温泉で癒やしてはいかがでしょうか。車で1時間弱の場所には、これも七不思議のひとつ「夜泣き石」と、隣接する名物の「子育飴」のお店も。時間に余裕があれば、ぜひ他の七不思議も巡ってみてくださいね。