2020年03月13日

健康習慣|その不調、口呼吸が原因かも? 鼻呼吸の大切さを知っておこう

本来、人は鼻で呼吸をするようにできています。しかし、口で呼吸をしていることも意外と多いもので、なかには口で呼吸するほうが楽という方もいらっしゃるのではないでしょうか。ここでは、意外と知られていない鼻の優秀な機能と、その効果についてご紹介します。鼻呼吸の習慣がつくコツもお伝えしますので、日々の健康習慣にぜひ加えてみてください。


 

本来、人は鼻で呼吸をするようにできています。しかし、口で呼吸をしていることも意外と多いもので、なかには口で呼吸するほうが楽という方もいらっしゃるのではないでしょうか。ここでは、意外と知られていない鼻の優秀な機能と、その効果についてご紹介します。鼻呼吸の習慣がつくコツもお伝えしますので、日々の健康習慣にぜひ加えてみてください。

「口」と「鼻」では大違い、鼻の役割をあらためて

みなさんは普段、鼻と口のどちらで呼吸をしているでしょうか。息を吸って吐くだけならば、どちらでも可能ですよね。例えば風邪や花粉症で鼻が詰まった時には、鼻の代わりに口で呼吸をするでしょう。口は鼻より大きく開けられるので、よりたくさんの空気を取り込めます。しかし、いつも口呼吸でいいのかというと、そんなことは全くありません。
鼻には口にはない、呼吸のための機能が備わっています。そこで、鼻呼吸の大きな3つの働きをご紹介します。

加湿器

鼻から吸った空気は、鼻腺からの分泌液で加湿されます。その威力は想像以上で、湿度は約70~90パーセントまで高まります。

空気をキレイにする

空気中のチリやホコリは鼻毛が、細菌やウイルスは鼻の粘膜がキャッチして、体内への侵入を防いでくれます。さながら空気清浄機のような役割です。

空気をあたためる

鼻呼吸は、口呼吸と比較して2℃ほど加温能力が高いことがわかっています。あたためられて潤った空気が肺に運ばれることで、肺の伸縮性や換気能力が正常に保たれます。

口呼吸のリスク

「潤い・清く・あたたかい」空気が鼻呼吸で運ばれる空気だとすれば、口呼吸はその反対で「乾燥して・汚れた・冷たい」空気を運んでいます。
また、口呼吸は口内を乾燥させるため、唾液が持つ殺菌・消毒作用がきちんと働きません。口内が乾くことによって、細菌が繁殖しやすい環境となり、口臭・歯周病・ドライマウスなど、口内トラブルのリスクが高まります。さらに、口呼吸は前頭葉を疲れさせるため、注意力や作業効率の低下を招くこともわかっています。

鼻呼吸を習慣づけるには

鼻呼吸のメリット、それから口呼吸のリスクについて説明してきました。では、うっかり口呼吸にならないために、どんなことができるでしょうか。

まず、みなさんの舌は、普段どこにありますか?そのときどきで違うという方は、口呼吸になりやすいタイプです。また、特定の歯に常に当てているという場合は、歯並びが悪くなることもあるので注意が必要です。

舌は、上顎のくぼみにすっぽり収まっているのが正しい状態です。舌先は「ら」を発声した時の位置に当てて、舌の中央は上顎のくぼみに入るようにと意識するとよいでしょう。舌を正しい位置に置くと、舌が邪魔して空気が通らないため、自然と鼻呼吸になります。慣れるまでは意識的に位置確認を行うようにしてみてください。舌の位置を維持する筋肉がつけば、顔のたるみ予防にもなります。

鼻詰まりがある方は、まずはその改善を

 

花粉症や鼻炎など、鼻が詰まることが多い方は、どうしても口呼吸になってしまいます。まずはこれらの鼻詰まりの原因を治していくことが先決です。鼻詰まりの改善は、その原因に合わせて適切な対応をしましょう。花粉症の治療をする、鼻うがいで鼻を通す、いびきが癖になっている場合には口いびき外来もあります。鼻詰まりが改善されるまでは、部屋に加湿器を置いたり、マスクをしたりなど、乾燥した冷たい空気を吸わない環境作りをしてみてください。

鼻は呼吸に最適であるように作られていることが、おわかりいただけましたか?鼻呼吸を意識することで、インフルエンザ・風邪対策や、口内トラブルの軽減に役立ちます。鼻呼吸と口呼吸はちょっとの違いのようで、結果は大きく異なってきます。まずは今日、舌の位置を意識するところからはじめてみてください。