2016年12月01日

散策|大町温泉郷(長野県) 北アルプスの麓、のどかな自然に囲まれた温泉郷

長野県大町市平(おおまちしたいら)の葛温泉(くずおんせん)から引湯した名湯エリア“大町温泉郷”。アルペンルート・黒部ダムにも近く、白樺やブナの林、鹿島川(かしまがわ)など、北アルプスの麓、豊かな自然に囲まれた静かな温泉郷です。秋に積雪があった日には、雪の白、紅葉の黄と赤、常緑樹の緑がそろった“三段紅葉”に出会えますよ。


長野県大町市平(おおまちしたいら)の葛温泉(くずおんせん)から引湯した名湯エリア“大町温泉郷”。アルペンルート・黒部ダムにも近く、白樺やブナの林、鹿島川(かしまがわ)など、豊かな自然に囲まれた静かな温泉郷です。秋に積雪があった日には、雪の白、紅葉の黄と赤、常緑樹の緑がそろった“三段紅葉”に出会えますよ。

オススメ散策ルート

A(H):大町温泉郷観光案内所

徒歩約13分
B:宮の森自然園

徒歩約9分
C:西正院大姥堂(せいしょういんおおばどう)

徒歩約7分
D:アルペンローゼ花園場

徒歩約6分
E:劇団四季記念館

徒歩約2分
F:上原の湯(わっぱらのゆ)

徒歩約5分
G:上原遺跡(わっぱらいせき)

徒歩約16分
H:大町温泉郷観光案内所

全長 約4.5km
移動時間 約1時間

豊かな緑に囲まれた大町温泉郷の、比較的平坦な道を通って散策するコース。食事の前や出発前に、手軽にぐるりと一周できます。風情ある民家や田園風景を楽しみながら、のんびり歩いてみてください。

大町温泉郷の魅力

 

景勝地として知られる高瀬渓谷(たかせけいこく)の葛温泉から、現在の大町温泉郷に引湯が実現したのは昭和38年のこと。比較的新しい温泉地で計画的に作られたため、余裕をもって配置された施設が、保全された自然のなかにゆったりと点在しています。

大町温泉郷内の宿泊施設は、温泉はもちろん、地元食材を使用した料理が自慢。イワナをはじめとした新鮮な川魚や、滋味豊かな野菜をふんだんに使用した、信州ならではのメニューが楽しめます。

宮の森自然園

約30分で一周できる湧き水が豊富な自然園。春には座禅草(ザゼンソウ)や水芭蕉、夏には花菖蒲、小川のほとりではホタルが飛び交います。澄んだ水の流れのなかに、イワナが見られることも!

 

西正院大姥堂

 

西正院大姥堂は、大町市指定文化財である大姥尊坐像(おおうばそんざぞう)が祀られたお堂。この像は天正13(1585年)年、富山城主であった戦国武将 佐々成政(さっさなりまさ)が、立山の芦峅寺(あしくらじ)から後立山連邦を越えて運んできたと伝えられています。

像は秘仏※のため、7年に1度の御開帳の時のみ公開。最近の御開帳は平成28年の6月だったので、次に拝顔できるのは平成35年です。
大姥尊坐像は目や歯をむきだしにした激しく怒った表情をしており、片ひざをたてて座っているのだそう。高さ39.5cmのヒノキの像で、地元では「大姥様」と呼ばれています。

※秘仏…本来、仏教寺院では仏堂の扉を開いて、仏像が見えるようにしておく。しかし秘仏は信仰上の理由などにより扉を閉じた状態で祀られている仏像のことを指す。

アルペンローゼ花園場

 

アルペンローゼ花園場は、大町市内にある“植物の生命力と癒やし”がテーマの庭園で、「ラ・カスタ ナチュラルヒーリング ガーデン」へ供給する花苗の生産拠点。宿根草(しゅっこんそう)を中心に800種類の植物が管理されています。
また、苗の一部は庭園入口のフラワーショップで購入できます。

劇団四季記念館

 

「キャッツ」や「オペラ座の怪人」などのミュージカルで知られる劇団四季の資料館。劇団四季の資料館としては日本唯一のものです。平成28年4月にリニューアルし、劇団四季の歩みを追体験できるような展示に生まれ変わりました。半世紀を超える劇団の歩みが、舞台模型、写真、台本、大道具、小道具、衣装や関連資料などによって、わかりやすく紹介されています。

劇団四季記念館
住所:〒398-0001 長野県大町市平1955-205
営業時間:10:00~17:00
※2016年11月1日(火)~27日(日)は16:00閉館
※11月28日(月)より翌年4月最終金曜日まで冬季休館
入館料:大人600円、小人(小・中学生)300円

上原の湯

 

地元の人に愛されてきた大町市民浴場が、2005年に「上原の湯」としてリニューアルオープンしました。高瀬渓谷から湧き出る天然温泉を引湯した、100%源泉かけ流しの隠れた名湯です。
館内はすべてバリアフリーで、浴槽は全体の半分が浅くなっており、全身浴・半身浴両方が楽しめます。無料の大広間と、有料の3つの個室があり、日帰りでゆっくりくつろげる施設です。

上原の湯
住所:〒398-0001 長野県大町市平1955-446
営業時間:9:00~21:00(受付終了は20:30)
休館日:第2・4火曜日(祝日の場合は営業)
入館料:大人400円、小中学生・65歳以上250円

上原遺跡

 

今から約5000~6000年ほど前の縄文時代前期の祭祀遺跡です。配石跡と竪穴(たてあな)などの遺構とともに多量の土器・石器が出土しました。この配石跡は、ここに住んでいた人たちの信仰的な場所と考えられており、現在では復元されたストーンサークルを見ることができます。小さな遺跡ですが、晴れた日には美しい北アルプスも望める気持ちのいいスポットです。

豊かな自然に囲まれた大町温泉郷は、雄大な景色と、のんびりとした敷地の雰囲気が魅力。こちらで紹介した以外にも、ゴッホの作品の背景に描かれた歌川広重(うたがわひろしげ)の東海道五十三次や、歌川豊国(うたがわとよくに)の美人画などを展示した「ゴッホが愛した歌川派(浮世絵)美術館」、18もあるお風呂が自慢の立ち寄り温泉「薬師の湯」、地酒5社の展示や試飲が楽しめる「酒の博物館(※)」などもおさえておきたいスポット。
時間をかけて、点在するスポットをゆっくりと堪能してください。

※酒の博物館は2016年9月から、施設修繕のためしばらく休業中で、開館時期は未定です。
※掲載されている情報は平成28年10月現在のものです。