1年で最も日が短い冬至。この日にゆず湯に入ると、風邪をひかないといわれています。季節ごとの薬湯はさまざまにありますが、ゆず湯は今でも親しまれる方が多い習慣です。今回は、香り高い旬のゆずを使ったゆず湯について、由来や入り方などをご紹介します。
2019年12月18日
1年で最も日が短い冬至。この日にゆず湯に入ると、風邪をひかないといわれています。季節ごとの薬湯はさまざまにありますが、ゆず湯は今でも親しまれる方が多い習慣です。今回は、清々しい香り高い旬のゆずを使ったゆず湯について、由来や入り方などをご紹介します。
1年で最も日が短い冬至。この日にゆず湯に入ると、風邪をひかないといわれています。季節ごとの薬湯はさまざまにありますが、ゆず湯は今でも親しまれる方が多い習慣です。今回は、香り高い旬のゆずを使ったゆず湯について、由来や入り方などをご紹介します。
日本では昔から「冬至の日にゆず湯に入ると、1年中風邪をひかない」といわれてきました。これは、江戸時代の銭湯が集客のために、ゆず湯を入れたのがはじまりといわれています。ゆず湯には、「ゆず→融通→物事がうまく運ぶ」「冬至→湯治→湯に入って健康に」の2つの語呂合わせで縁起を担いでいます。
また、ゆずは冬に旬を迎えるため、この時期のゆずは香りがとても豊か。昔から「強い香りは邪気を祓う」と考えられていて、ゆず湯も入れば厄除けになるとされています。端午の節句に菖蒲を使った菖蒲湯に入るのも同じ理由です。菖蒲湯については、以下の記事も参考にしてみてください。
冬至は毎年12月22日頃に訪れます。1年のうちで最も日が短く、翌日から日が伸びていくことになぞらえて、「悪いことが終わり、運気が上昇していく“一陽来復(いちようらいふく)”」を願う日でもあります。良いことが訪れる前に、ゆず湯で身体を清めておこうというわけです。
ゆず湯はご家庭でも作れます。お風呂にゆずを入れるだけ……ですが、いくつか入り方のポイントをご紹介します。
ゆずの香りは成分「リモネン」によるものですが、お肌の弱い方には刺激が強すぎることも。ギューッとゆずを絞って香りを出すことは、おすすめできません。肌がピリピリする感じがしたら、すぐに入浴を中断してシャワーで洗い流しましょう。
まるごとのゆずを浮かべたゆず湯は、お肌の弱い方におすすめの入り方です。香りを感じるためには3個以上のゆずが必要です。湯船にぷかぷかと浮かぶゆずは、見た目にもかわいらしいです。
少量でもゆずの香りが出やすい方法です。皮に何カ所か切り込みを入れてまるごと浮かべるか、半分にカットしてお風呂に入れます。カットしたゆずは、ガーゼや古布に包んでから使用すれば、後片付けも簡単です。浮かべるにとどめ、絞ったりしないようにしましょう。
ゆずのような、強い香りと酸味があり、そのままで食べることに向かない柑橘類は、香酸柑橘類と呼ばれています。すだちやかぼす、レモンなども香酸柑橘類です。
ゆずには、免疫力を高めるビタミンC、それから、疲労の回復を助けるクエン酸が豊富に含まれています。どちらも、風邪をひきやすい時期や、疲れて体力が落ちている時に、積極的に摂りたい栄養素です。
また、ゆずの爽やかな香りは主に「リモネン」という成分によるもので、匂いを嗅ぐとリラックスするうえ、眠気を覚まして気分をスッキリさせてくれる優れもの。免疫力アップ、消化促進、食欲増進なども期待できます。
冬至の頃は、日照時間が短くてすぐ暗くなりますし、年末年始の慌ただしさもあいまって、気分がすぐれない方も多いよう。寒さゆえ、身体も縮こまってこわばりがちです。ゆずを浮かべたお風呂にゆったりとつかれば、冬にさらされた身体も心もほぐれていきます。この時期にぴったりのゆず湯で、一陽来復の準備を整えましょう。