2019年12月02日
絹ごし豆腐と木綿豆腐、「いつも食べているから……」などと、なんとなく好みで選んでいませんか。実は作り方や食感だけでなく、栄養素にも違いがあるのです。今回はそれぞれの栄養や向いている調理法、組み合わせたい食材についてご紹介します。
絹ごし豆腐と木綿豆腐、「いつも食べているから……」などと、なんとなく好みで選んでいませんか。実は作り方や食感だけでなく、栄養素にも違いがあるのです。今回はそれぞれの栄養や向いている調理法、組み合わせたい食材についてご紹介します。
絹ごし豆腐は豆乳を絹でこして作る……と、名前からそう思っている方もいるかもしれません。絹ごし豆腐は濃度の高い豆乳ににがりなどの凝固剤を入れ、型で固めて作られます。絹どころか、こす工程もないのですが、きめ細かく口当たりが良いことから「絹ごし」の名になったといわれます。豆乳の水分もそのまま固めるので、ビタミンB群やカリウムなど水に溶けやすい栄養をしっかり摂れるのが特長です。
木綿豆腐は凝固剤で一度固めた豆乳を崩して水分を絞り、もう一度固めます。昔ながらの製法では、水分を絞る際、型に木綿布を敷いたことから、この名前がついたといわれます。水分を絞るのでビタミンB群などの水に溶けやすい栄養素は少なくなりますが、その分、たんぱく質や植物性の脂質、カルシウム、鉄分などの栄養は凝縮されているのが特長です。
絹ごし豆腐の魅力はその滑らかな口当たり。冷奴やサラダなどにして生で食べたり、葉野菜を白和えにしたりして、火を通さずに食べるのがおすすめです。煮込んでじっくり味をしみ込ませるメニューよりも、みそ汁や湯豆腐などの食感を楽しむようなメニューが向いています。
木綿豆腐はしっかりしていて崩れにくく、味がしみこみやすいのが特長です。炒り豆腐にしても形が残るので食べ応えがありますし、味つけを楽しみたい煮物や、出汁を楽しむ鍋料理にもぴったり。焼き豆腐や厚揚げも木綿豆腐で作られている通り、豆腐ステーキや揚げ出し豆腐も相性が良いのです。
絹ごし豆腐に多く含まれるビタミンB群は、疲労回復や糖質をエネルギーに変える働きを持っています。一方、ニラや玉ねぎに含まれる独特の辛み成分には、絹ごし豆腐に含まれるビタミンB群の吸収を助ける働きがあるのです。ニラの白和えや玉ねぎサラダに絹ごし豆腐を添えても良し、ニラと絹ごし豆腐でおみそ汁を作れば、彩りも鮮やかです。
野菜のなかでも特にカルシウム豊富な小松菜ですが、実は牛乳や小魚に比べて、小松菜のカルシウムは吸収率がいまいちなのです。一方、木綿豆腐に多く含まれる良質のたんぱく質には、カルシウムの吸収を助ける働きがありますから、骨を健やかにするには絶好の組み合わせです。煮物や炒め物、豆腐ステーキに小松菜をつけ合わせるなど、アレンジしやすいのもうれしいですね。
貧血が気になる方には、カルシウムに加えて鉄分も豊富なほうれん草との組み合わせもおすすめです。
これまで習慣的に「絹ごし豆腐しか使わない」、「木綿豆腐しか使わない」など、偏りがちな選択をしてきた方もいるのではないでしょうか。栄養面はもちろん、使い分けでお料理の味も変わりますから、ぜひメニューによって絹ごし豆腐と木綿豆腐を使い分けてみてください。