2016年11月17日

風邪予防|「乳酸菌で免疫力アップ」 腸内環境を整えてインフルエンザを退ける!

お腹の調子を整える菌として知られている乳酸菌。実は、乳酸菌で腸内環境を整えることは、インフルエンザや風邪に負けないための重要なポイントなのです。今回は、乳酸菌が免疫力をアップしてくれる働きと、乳酸菌を取り入れるのにおすすめの食品をご紹介します。


お腹の調子を整える菌として知られている乳酸菌。実は、乳酸菌で腸内環境を整えることは、インフルエンザや風邪に負けないための重要なポイントなのです。今回は、乳酸菌が免疫力をアップしてくれる働きと、乳酸菌を取り入れるのにおすすめの食品をご紹介します。

乳酸菌は「善玉菌」の中でも重要な細菌のひとつ

 

乳酸菌は、人の腸の中に生息している数百種類の細菌の中でも、特に重要な「善玉菌」のうちのひとつ。善玉菌には腸の消化吸収を活性化させる働きがあり、病気に抵抗する免疫力を養ってくれる効果もあります。
実は、腸内の細菌の総量は決まっているので、善玉菌と有害な働きをする「悪玉菌」は常にせめぎ合い、勢力を争っています。善玉菌が優勢の腸は活発に動いて体全体を健やかにしてくれますが、悪玉菌が優勢になるとお通じが悪くなって腸内で腐敗し、免疫力も落ちてしまいます。つまり乳酸菌を積極的に取り入れることは、免疫力を高めるためにも重要なことなのです。

乳酸菌でインフルエンザ予防も期待できる!

乳酸菌で免疫力が高まるのは、乳酸菌が、外部からの病原体を最前線で攻撃する“免疫細胞のエース”こと「ナチュラルキラー細胞(NK細胞)」を活性化させるからだといわれています。
中でも、ラクトバチルス・カゼイ・シロタ株、ラクトバチルス・アシドフィルス・L-92株、1073R-1株などの乳酸菌は、「これらを含む食品を食べることでインフルエンザや風邪にかかりにくくなる」という実験結果が食品メーカーなどから出ています。
乳酸菌は加熱されたり、消化液に影響されたりして腸に至るまでに死んでしまうことが多いため、“生きたまま腸に届く”乳酸菌なども注目されていますが、免疫力を高めるにあたっては、乳酸菌は腸に届くことが大切で、生きていても死んでいても効果に違いはないと言われています。

乳酸菌を効果的に取り入れるなら「発酵食品」がおすすめ

 

乳酸菌を効果的に取り入れるには、ヨーグルトや味噌などに代表される「発酵食品」がおすすめです。乳酸菌を含む発酵食品の代表的なものをご紹介します。

ヨーグルト

ヨーグルトは牛乳に乳酸菌を加え、発酵させたもの。乳酸菌の働きに関連する特定保健用食品や機能性表示食品も多く、手軽に乳酸菌を取り入れられる食品のひとつです。

チーズ

牛や山羊、水牛の乳に乳酸菌を加えて凝固させた「フレッシュチーズ」と、それを熟成させた「ナチュラルチーズ」があります。ナチュラルチーズには細菌やカビの力で熟成させるものもあり、さまざまな種類が存在します。

ぬか漬け

漬物は浅漬けなど一部をのぞけばみな発酵食品ですが、中でも米ぬかに野菜を漬け込む「ぬか漬け」には、米ぬかに生息する乳酸菌が多く含まれています。その他に乳酸菌が豊富に含まれている漬け物としては「キムチ」が有名です。

味噌・醤油

大豆や小麦、米などを乳酸菌の働きで発酵させて作る「味噌」、そして原料となる“もろみ”を乳酸菌や酵母菌で発酵・熟成させる「醤油」も、代表的な発酵食品です。特に味噌の乳酸菌は酸に強く、加熱殺菌されていなければ生きたまま腸に届きます。

日本酒、本格焼酎(麹を使用する、水以外の添加物を加えていないなどの条件を満たすもの)、ワイン、ビール、泡盛など、普段慣れ親しんでいるお酒の多くも乳酸菌を多く含む発酵食品です。

穀物や果実を発酵させたいわゆる“酒”を、酢酸菌でさらに発酵させたのが酢。ちなみに、乳酸菌は胃酸で死んでしまいますが、酢の酸性度は胃酸よりもずっと低いので、ヨーグルトなどと組み合わせても乳酸菌の効果が薄れることはありません。

こうしてみると、乳酸菌を多く含んでいる発酵食品には、和食となじみ深い食品が多いことがわかります。特に味噌や醤油、酢など、調味料は食べ方のバリエーションも広いので、取り入れやすいですね。

意外と身近な食品に含まれている乳酸菌。つまり、普段通りの食生活を続けながらでも腸内環境を整え、免疫力アップを目指せるのです。朝食にヨーグルトや乳酸菌が入った飲み物を加えたり、1日1食は和食を食べるなど、無理のないペースで健やかな体づくりを目指してみてはいかがでしょうか。