2019年09月25日
広く愛されている手芸のひとつ、編み物。実は、この編み物に心身を健やかにする効果があるという調査や研究が海外を中心に発表され、ハンドメイド愛好家以外にも注目されはじめています。「編む」という作業に集中してリラックスもでき、初心者にもおすすめです。今回は、編み物のメリットや取り組みやすい手法についてご紹介します。
広く愛されている手芸のひとつ、編み物。実は、この編み物に心身を健やかにする効果があるという調査や研究が海外を中心に発表され、ハンドメイド愛好家以外にも注目されはじめています。今回は、編み物のメリットや取り組みやすい手法についてご紹介します。
イギリスの慈善団体が編み物参加者1,000人に実施した調査で「編み物で心身の健康が改善された」という方が70%にも及ぶという結果が発表されています。同じくイギリスのメディカルスクールの研究では「編み物は心拍数を1分平均11回減らし、落ち着きを促進させる」こともわかっています。
一方、アメリカの国立機関の研究では、編み物をしている方はそうでない方に比べて、認知機能の低下や記憶力の低下が起こりにくいという結果も出ています。
一般の方々にとっては長らく「数多くある趣味分野のひとつ」だと思われてきた編み物ですが、ここにきてその心身に対する効果が注目されているのです。
編み物がなぜ落ち着きを促すのかには諸説ありますが、ひとつは目の前の「編む」作業に集中し、他のことにとらわれない時間を持つことで、リラックスできるのではないかといわれています。「今この瞬間に起こっていることに意識を向ける」という状態は、ストレス対策として注目されている「マインドフルネス瞑想」にも通じるところがあるのかもしれません。
手は「第2の脳」とも呼ばれます。脳トレとして指先の体操などが広く行われていることからもわかるように、指先を動かすことで、脳にたくさんの刺激を伝え、鍛えることができます。また、編み物の規則的な動きを覚えて繰り返す工程や、作るものの大きさに合わせて編み目の数を決め、数えながら編んでいくことなども、脳を活性化することにつながります。
「編み物なんて急にはできない」、「うまくいかず逆にストレスがたまりそう」と思っている方もいるのではないでしょうか。確かに、さまざまな編み方を駆使した複雑なものであれば難しいかもしれませんが、まずはシンプルで簡単な編み方をひとつ覚えれば、短時間でコースターやアクリルたわしなどの作品を作ることができます。その編み方だけでも、続けていけばマフラーを作ることだってできるのです。
基本的には編み棒と毛糸があればはじめられるのが編み物の手軽で良いところです。最近は100円ショップでも編み棒や毛糸が何種類も売られるようになってきました。また、動画配信サイトなどでは初心者向けの編み方動画がいくつも公開されていますから、まずはこういったところで道具をそろえ、編み方を学んではじめてみるのもおすすめです。
初心者の方やお子さんに人気の編み方に、指に太めの毛糸を巻き付けて編んでいく「指編み」があります。これも編み方動画などがたくさん見られますし、毛糸だけあれば編めますから、ある意味最も手軽に挑戦できる編み物ともいえます。
こちらも初心者の方やお子さんに人気なのが、ニットメーカーなどと呼ばれるいわゆる「手編み機」です。100円ショップではプラスチックの輪っかや棒に、等間隔に短いピンがついている形のものがよく見られ、このピンに毛糸を巻き付けてくぐらせるなどの単純な方法で、初めての方でもきれいに編み目のそろったニット帽やマフラーが作れます。
指先体操やレクリエーションも楽しいですが、編み物はなんといっても「自分だけの作品」を作れるところが大きな魅力です。シンプルな編み方に慣れたら、きっと新しい編み方を覚えたり、違う素材の毛糸を使ったりして、いろいろな作品を作ってみたくなるはず。まずはぜひ、小さな作品を仕上げて、編み物の楽しさを味わってみてください。