甘い香りと柔らかい果肉、たっぷりの果汁が魅力の桃。中国では不老不死の実として物語に登場し、日本では弥生時代から食べられていた、とても歴史の長い果物です。今回は、初夏から夏にかけて出回る桃の栄養やおいしい食べ方、保存方法などをご紹介します。
2019年07月29日
甘い香りと柔らかい果肉、たっぷりの果汁が魅力の桃。中国では不老不死の実として物語に登場し、日本では弥生時代から食べられていた、とても歴史の長い果物です。水溶性植物繊維が豊富で便秘解消に役立ち、肌や粘膜の健康維持にも効果的な食材です。今回は、初夏から夏にかけて出回る桃の栄養やおいしい食べ方、保存方法などをご紹介します。
甘い香りと柔らかい果肉、たっぷりの果汁が魅力の桃。中国では不老不死の実として物語に登場し、日本では弥生時代から食べられていた、とても歴史の長い果物です。今回は、初夏から夏にかけて出回る桃の栄養やおいしい食べ方、保存方法などをご紹介します。
桃は俳句の世界だと秋の季語ですが、果実のおいしい時期は初夏から夏にかけてです。水に溶ける水溶性植物繊維が豊富で、便秘解消に役立ち、特に高齢の方に多い、腸の水分不足による便秘に適した食材です。
もうひとつ、注目したい桃の栄養素はナイアシン。これは糖質・脂質・タンパク質をエネルギーに変える際に不可欠な栄養素で、血のめぐりを改善したり、皮膚や粘膜の健康維持を助けたりします。体をやさしく温めるので、冷え性の方にも適したフルーツです。飲酒によって失われやすい栄養なので、お酒をよく飲まれる方は積極的に摂ると良いでしょう。
ちなみに、桃の葉は「あせもの妙薬」といわれ、あせも・しっしん・虫刺されなどに薬効があります。葉っぱを濃く煮出して、直接肌に塗布したり、お風呂のお湯に混ぜたりして使います。
桃は好きだけど、皮むきがちょっとめんどう……そんな方に朗報です。桃農家の方もおすすめする、桃のおいしい食べ方は「皮ごと」食べることだそうです。 実は桃の最も甘いところは、皮と果実の間といわれています。皮ごと、といわれると、皮についている産毛が気になりますが、流水をかけながら手のひらと指でやさしくこすれば産毛はきれいに取り除けます。
桃の産毛を洗い落としたら、あとはそのままかぶりついても、食べやすい大きさにカットしてもOKです。最初はちょっと抵抗があるかもしれませんが、ぜひ一度試してみてください。あまりの甘さと簡単さで、人にもおすすめしたくなるはずです。
基本的に桃の保存は常温保存がおすすめですが、食べるタイミングや桃の熟し具合によって少し違います。冷蔵庫に入れて2~3時間くらいがおいしい温度で、それ以上冷やすと乾燥が進むうえ、甘みが薄くなってしまいます。その日に食べない場合は、新聞紙にくるんで日陰や冷暗所に保管しておきましょう。熟しきっていない固い桃は、常温で1~2日置いておくと、柔らかくなって甘みが増します。
桃は傷みやすく長期保存には向かない果物ですから、余りそうな時にはぜひ冷凍をしましょう。まるごとで凍らせてしまうと食べにくいので、一口大にしたり、薄くスライスしたりしてから、ラップをして冷蔵庫へ入れてください。半解凍するとシャーベット状になって、暑い夏のデザートにぴったりです。刻んでヨーグルトに混ぜたり、牛乳と一緒にミキサーにかけてジュースにしたりしても、風味があっておすすめです。
桃にスイカ、メロンにぶどうと、夏は果汁たっぷりのフルーツが出回ります。喉の渇きを癒やすための、自然のはからいなのかもしれませんね。なかでも桃は、水分不足による便秘や、日焼けによる肌あれ、クーラーによる体の冷えなど、夏ならではの美容対策におすすめ。今日は青果店によって、よく熟した桃をひとつ、選んでみてはいかがでしょうか。