2019年07月24日

郷土料理|ご飯がすすむ素朴な常備菜「味噌しそ巻き」(宮城県ほか)

「味噌しそ巻き」は、宮城県を中心に東北地方で親しまれる、郷土料理のひとつ。仙台味噌のしょっぱさと砂糖の甘さがあいまった風味豊かな味わいは、ご飯やお茶請けにぴったりで、宮城県のご家庭には冷蔵庫に常備してあるほどです。今回は味噌しそ巻きや主役食材の仙台味噌について、また、簡単なレシピをご紹介します。


「味噌しそ巻き」は、宮城県を中心に東北地方で親しまれる、郷土料理のひとつ。仙台味噌のしょっぱさと砂糖の甘さがあいまった風味豊かな味わいは、ご飯やお茶請けにぴったりです。今回は味噌しそ巻きや主役食材の仙台味噌について、また、簡単なレシピをご紹介します。

 

東北地方の家庭の味「味噌しそ巻」

味噌しそ巻きは、東北地方で今も親しまれている郷土料理のひとつ。仙台味噌に砂糖、クルミやゴマを混ぜ込んだタネをしそで巻いて、揚げ焼きにしたものです。家庭料理であるため、はちみつやピーナツ、七味唐辛子をタネに混ぜ込んだり、つなぎに小麦粉や白玉粉を使用したりと、その家ならではの工夫を加えたレシピが存在します。

一口かじれば、仙台味噌の濃厚な味と砂糖の甘みがじゅわっと広がり、ほんのりとしその香りを感じます。混ぜ込んだクルミやゴマの食感と香ばしさも楽しく、ご飯がいくらでも食べられそう。お弁当のすき間を埋めるミニおかずにもなり、お酒の肴にもなるので、冷蔵庫にあると助かります。

仙台みその特徴:角のとれた塩気&濃厚なうま味

 

仙台味噌のおこりは、伊達政宗公が仙台城を築城する際、城内に御塩噌蔵(ごえんそくら)と称する味噌工場を造らせ、そこで開発した味噌だといわれています。発酵温度を低くして長い時間をかけて作られるため、ほかの味噌とくらべて塩分が高いのに、まろやかな塩気と濃厚なうま味があるのが特徴です。夏の間でも腐りにくいため、兵糧としても優秀だったと伝えられています。

仙台市は海と山を有し、海の幸・山の幸に恵まれた土地ですが、波が荒く、かつては北海道で採れた昆布が手に入らなかったといいます。そのため、昆布だしの食文化はありませんでしたが、代わりにうま味豊かな仙台味噌を調味料とした料理が多く生み出されました。仙台味噌は仙台の郷土料理に欠かせない、主役級の調味料といえます。

味噌しそ巻きを作ってみよう

味噌しそ巻きの材料は手に入りやすいものばかりなので、ご家庭でも作ることができます。夏になると味噌しそ巻きに爽やかな香りを添えるしそが旬を迎えます。冷奴やそうめんの薬味としてしそを買ったけど、余ってしまった……そんな時にもおすすのレシピです。

さまざまな作り方がある味噌しそ巻きですが、今回はシンプルなレシピをご紹介します。七味唐辛子を入れたり、はちみつを加えたり、お好みでアレンジしてもOKです。できあがった味噌しそ巻きは冷蔵・冷凍どちらでも保存可能です。タネが余ってしまったら、そのままご飯に乗せてもおいしいですよ。

<材料:20個分>
しそ(大葉)…20枚
仙台味噌…40グラム
砂糖…40グラム
すりごま…40グラム
クルミ…40グラム
※しそ以外の材料は、基本的に「作る個数×2グラム」と覚えておくと便利です。

<作り方>
しその葉は洗って水気を切り、軸のところを切り落としておく クルミを包丁で刻み、すり鉢に入れてすりつぶす 2に、味噌、砂糖、すりごまを入れてしっかり混ぜ合わせる 3を個数分に分け、小指くらいの太さの棒状にする 4をしそに載せ、くるくると巻いて爪楊枝で止める。(1本の爪楊枝に3つ程度止められます) フライパンの底が覆われるくらいのサラダ油を入れて、弱火で熱する フライパンがあたたまったら、5を並べ入れて弱火で両面を揚げ焼きにする 取り出して冷ましてから、爪楊枝を外して完成

味噌しそ巻きは宮城県のご家庭では冷蔵庫に常備してあるほど、なじみ深い郷土料理。できたてはしそがパリッと、時間が経つとしっとりしていて、どちらも違ったおいしさがあります。食欲がない時でもご飯がついついすすんでしまう味ですから、お助けおかずとして冷凍保存しておくのもおすすです。