2019年06月19日

健康習慣|無理なく続ける「減塩生活」

塩分の摂り過ぎは高血圧を招き、脳卒中や心臓病など、さまざまな病気につながることが分かっています。しかし、いざ塩分を控えめにしてみても、「いまひとつおいしくない」「物足りなくて、普段の食事に戻ってしまう」と、続かない方も多いようです。今回は減塩の重要性と、無理なく続けられる「減塩生活」のヒントをご紹介します。


塩分の摂り過ぎは高血圧を招き、脳卒中や心臓病など、さまざまな病気につながることが分かっています。しかし、いざ塩分を控えめにしてみても、「いまひとつおいしくない」「物足りなくて、普段の食事に戻ってしまう」と、続かない方も多いようです。今回は減塩の重要性と、無理なく続けられる減塩のヒントをご紹介します。

 

メリットいっぱいの減塩生活

日本の食卓では味噌にしょうゆ、漬物など、塩分の高いものが多く存在します。世界保健機関(WHO)が推奨する食塩摂取量が1日5グラム未満なのに対し、日本の成人の食塩摂取量は男性10.8グラム、女性9.2グラムと、世界基準の倍ほどの塩分を摂っていることになります。日本食はヘルシーといわれますが、塩分の点では注意する必要がありそうです。

では、減塩するとどんな良いことがあるのでしょうか。まず、塩分の摂り過ぎで心配なのは高血圧です。塩分と血圧は非常に高い関連性があり、減塩に取り組む地域では、高血圧を発症する人が少ないことが分かっています。

さらに、塩分の高い食事は、過剰に食欲を促進して食べ過ぎ・肥満の要因になり、また、深夜にトイレに起きてしまう「夜間頻尿」の原因にもなると考えられています。これらの心配が緩和されるのですから、減塩を試す価値はとても高いといえます。

お助けアイテムで“自然に減塩”

 

減塩を続けるためには、手軽さも大切なポイント。お助けアイテムを使って、ストレスなく自然に減塩生活をスタートしましょう。

しょうゆスプレー

しょうゆ用のスプレーボトル。霧吹き状にしょうゆが出て、満遍なく食材にかかるので、かけ過ぎを防ぎます。

塩分濃度計

おみそ汁やスープなど、液状の食材の塩分濃度が測れる便利グッズ。2,000円~3,000円くらいのおてごろ価格のものは、家電販売店などで入手できます。見た目は「少し大きめの体温計」くらいで、持ち運びにも便利です。

塩に代わる調味料

酸味のある調味料や香りのある食材を用いて、塩・しょうゆの量を減らしましょう。お酢やレモン、コショウ、わさび、大葉やみょうがなど、塩味が薄くても満足感のある食べ方はたくさんあります。「減塩」を掲げた商品を使用するのも良いアイデアです。また、しっかり出汁をきかせたものは、うま味成分のおかげで減塩でもおいしいと感じる傾向があります。

塩分を摂り過ぎたらカリウム豊富な食材を

塩分を摂り過ぎたと感じたら、余分な塩分を排出するカリウムが含まれる食材を摂りましょう。高血圧気味の方は、減塩とともにカリウムを積極的に摂るのがおすすめです。カリウムは、ほうれん草、アスパラガス、大豆と大豆加工品、海藻類(昆布・ひじきなど)、いも類(さといも・さつまいもなど)に豊富に含まれています。通常の食事において、カリウムを過剰摂取しても心配はないとされていますが、腎臓の機能が低下している方は注意が必要です。

おみそ汁は減塩中でも大丈夫!

 

おみそ汁1杯には1グラムから1.5グラムの塩分が含まれていて、これまで減塩には向いていないといわれていました。しかし、近年の研究によると、みそ汁を飲んでも血圧に影響はなく、むしろ味噌には健康維持や生活習慣病予防の効果が期待できるとされています。

発酵食品である味噌には、塩分だけでなく、アミノ酸・ビタミン・ミネラル類も豊富。また、具だくさんにすれば1食あたりの栄養バランスも向上します。塩分という側面だけで、おみそ汁を遠ざけるのは得策ではないようです。それでも気になる方は、「減塩タイプ」のおみそ汁を活用してみましょう。

塩分は食事をおいしくしてくれ、生命維持にも必要なものですが、減塩をこころがけてもじゅうぶん必要な量を摂ることができます。ご紹介した減塩方法を取り入れて、できそうなところからはじめてみてください。味覚は徐々に慣れていくものですから、しばらくすると、少しの塩分でしっかりと味を感じられるようになりますよ。